この本を読むと1853年以降の10年、20年で世界が激変する様が
良く分かります。テロ事件が頻発する今と変わらない気もします。
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龍馬伝説の虚実 勝者が書いた維新の歴史 単行本 – 2010/7/7
榊原 英資
(著)
維新以降の日本の「歴史」は、勝者である明治政府によって描かれた。しかし、尊王攘夷思想を肯定する明治中心の歴史観は、国内政治の混乱を招き、後に四度の戦争を引き起こすことになった。薩長同盟を仲介し、倒幕・明治維新を実現したヒーローとして描かれる龍馬。日本近代史におけるその真の役割を検証しつつ、江戸、明治、昭和の歴史を問い直す。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞出版
- 発売日2010/7/7
- ISBN-104023308323
- ISBN-13978-4023308329
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登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (2010/7/7)
- 発売日 : 2010/7/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 224ページ
- ISBN-10 : 4023308323
- ISBN-13 : 978-4023308329
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,279,856位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 312,623位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1941年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。
大蔵省入省後、ミシガン大学で経済学博士号取得。
IMFエコノミスト、ハーバード大学客員准教授、大蔵省国際金融局長、同財務官を歴任。
97年~99年財務官を務め、「ミスター円」の異名をとる。
慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、青山学院大学教授、財団法人インド経済研究所理事長。
2004年より高校生向けの合宿研修会「日本の次世代リーダー養成塾」を定期的に開き、日本の将来を担う人材の育成にも携わっている。
(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 「データ」で読み解く 安倍政権でこうなる! 日本経済 (2時間で未来がわかる!) (ISBN-10: 4776207710)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月17日に日本でレビュー済み
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2016年5月28日に日本でレビュー済み
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既に出版されている龍馬本の内容をかいつまんでいるだけで、研究論文のよう。書籍として販売する価値を感じられない。騙された思い。
2010年8月21日に日本でレビュー済み
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著名なエコノミストによる竜馬論。興味深い指摘はいろいろあったが、1〜2紹介すると、
1.竜馬は、幕府転覆をめざす武闘勢力(岩倉、西郷、大久保、木戸など)とは一線を画す佐幕開国派であった。
西郷、木戸とは親しく第二次長州征伐で危機にあった長州に、薩摩買付の最新式火器を提供するなどして、宿敵の関係にあった両藩に同盟を実現(後日土佐・薩摩同盟も成立させる)、これが倒幕勢力結集の契機となったことから竜馬は尊王倒幕の志士と見なされがちだけれども、彼の本意は「船中八策」− 徳川幕府より大政奉還を申し出て統治方式を変え内戦を回避する−
にあったから、あくまで武力革命を志向するグループからみれば邪魔な存在となった。
近江屋での暗殺は彼らの指示―著者は西郷が黒幕ではないかと述べている―で行われ、
新撰組か見廻り組を匂わせる一方、関係者には以後厳重な緘口令を敷いた。竜馬と中岡ほどの人物の殺害なのに確かなことが一向に解っていない。
2.竜馬の出自は商人。
坂本家の本家は、竜馬の四代前に郷士株を買って、下級武士とな
った。竜馬が他の武士には見られない、自由な発想、鋭い経済感覚の持ち主であるのは、これで納得がいく。型にはまらない勝海舟とウマがあったのも、武器商人グラバーに可愛がられたのもそのせいだろう。一方で踏みつけられた郷士出身であるがゆえに、階級のない世の中、普通の庶民が指導者を選べるという欧米の政治システムに人一倍憧れたのだろう。彼には勤皇思想も権力奪取も関心はなかっただろう.交易を拡大し、国が富むこと、しっかりした海軍を持った独立国家というのが彼の目標だったのではないか。「徳川はもう死に体じゃ、これ以上兵を進める必要はない。話し合いで事はおさまる」とする竜馬は、武闘派から見れば徳川の延命を策する邪魔物と映ったことだろう。
本書は司馬遼太郎の竜馬像とは一味違う、素顔の竜馬をとりもどす試みです。
1.竜馬は、幕府転覆をめざす武闘勢力(岩倉、西郷、大久保、木戸など)とは一線を画す佐幕開国派であった。
西郷、木戸とは親しく第二次長州征伐で危機にあった長州に、薩摩買付の最新式火器を提供するなどして、宿敵の関係にあった両藩に同盟を実現(後日土佐・薩摩同盟も成立させる)、これが倒幕勢力結集の契機となったことから竜馬は尊王倒幕の志士と見なされがちだけれども、彼の本意は「船中八策」− 徳川幕府より大政奉還を申し出て統治方式を変え内戦を回避する−
にあったから、あくまで武力革命を志向するグループからみれば邪魔な存在となった。
近江屋での暗殺は彼らの指示―著者は西郷が黒幕ではないかと述べている―で行われ、
新撰組か見廻り組を匂わせる一方、関係者には以後厳重な緘口令を敷いた。竜馬と中岡ほどの人物の殺害なのに確かなことが一向に解っていない。
2.竜馬の出自は商人。
坂本家の本家は、竜馬の四代前に郷士株を買って、下級武士とな
った。竜馬が他の武士には見られない、自由な発想、鋭い経済感覚の持ち主であるのは、これで納得がいく。型にはまらない勝海舟とウマがあったのも、武器商人グラバーに可愛がられたのもそのせいだろう。一方で踏みつけられた郷士出身であるがゆえに、階級のない世の中、普通の庶民が指導者を選べるという欧米の政治システムに人一倍憧れたのだろう。彼には勤皇思想も権力奪取も関心はなかっただろう.交易を拡大し、国が富むこと、しっかりした海軍を持った独立国家というのが彼の目標だったのではないか。「徳川はもう死に体じゃ、これ以上兵を進める必要はない。話し合いで事はおさまる」とする竜馬は、武闘派から見れば徳川の延命を策する邪魔物と映ったことだろう。
本書は司馬遼太郎の竜馬像とは一味違う、素顔の竜馬をとりもどす試みです。
2012年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
元財務官僚で在任中はミスター円と呼ばれていた榊原英資さんは、かなりの読書家のようで坂本龍馬に関する本まで書かれています。
この本の中で榊原さんは龍馬を暗殺したのは西郷隆盛ではなかったかと大胆な推理をしておられます。
なぜ西郷が龍馬を暗殺しなければならなかったかといえば、両者には明確な政治路線の違いがあったからです。
「しかし、西郷は過激な倒幕派、龍馬は勝海舟の弟子であり、公武合体論であり融和派です。」
西郷にとって龍馬は非常に邪魔な存在でした。そこで「政治的」な西郷がテロリズムで龍馬を葬ってしまったというわけです。
もし龍馬の公武合体論がとられていれば、明治政権はもっと穏やかなものとなり、廃仏毀釈などの過激な政策をとることもなく、日清戦争から始まる4度の大戦もなかったのではないかと想像されています。
私は榊原さんの西郷犯人説は納得しますが、彼の歴史解釈は甘すぎると思います。
近代統一国家を作るのがいかに難しいかは、明治維新と同時代に起きたアメリカとドイツの例をみればわかります。
アメリカでは、奴隷制度や経済政策の違いから北部と南部が激しい戦争を行い北部の勝利によって、どうにか分裂を避けたのです。
ドイツでも最も力の強いプロイセンがオーストリアとフランスを戦争で負かしたことでプロイセンが中心となる統一を達成したのです。
毛沢東は「権力は銃口から生まれる」と語りましたが、これは一面の真実をついています。
もし薩長の軍事政権ではなく公武合体が政権についていたら、武士階級を廃止するという「廃藩置県」など実効可能だったのでしょうか。私は薩長の圧倒的な軍事力があったから、そのような政策がとれたと思っています。
この点から見ても、西郷隆盛の方が坂本龍馬よりもはるかに権力(パワー)に対してリアリストだったのです。
ところで、西郷隆盛は征韓論を巡る対立で負けて下野しました。中国出身の評論家である石平さんが、この問題で西郷と毛沢東を比較した素晴しい評論を書いていらっしゃいます。
それによれば、大躍進政策で数千万の人を餓死させた毛沢東は失脚しますが、その権力を取り戻すために今度は文化大革命を始めました。その結果、せっかく統一を果たした中国は無茶苦茶になってしまいました。
一方、カリスマと能力で毛沢東に負けない西郷隆盛が「私的」な理由で権力を奪還しようと思えばできたはずなのに、彼はそのようなことは決してしませんでした。西南戦争もあくまで受け身で行ったに過ぎないのです。
確かに、西郷隆盛が毛沢東みたいな権力亡者であれば、明治の日本は一体どうなったでしょうか。
だから榊原さんのいうように西郷が龍馬を暗殺したことが事実だったとしても、西郷どんは偉かったのです。
この本の中で榊原さんは龍馬を暗殺したのは西郷隆盛ではなかったかと大胆な推理をしておられます。
なぜ西郷が龍馬を暗殺しなければならなかったかといえば、両者には明確な政治路線の違いがあったからです。
「しかし、西郷は過激な倒幕派、龍馬は勝海舟の弟子であり、公武合体論であり融和派です。」
西郷にとって龍馬は非常に邪魔な存在でした。そこで「政治的」な西郷がテロリズムで龍馬を葬ってしまったというわけです。
もし龍馬の公武合体論がとられていれば、明治政権はもっと穏やかなものとなり、廃仏毀釈などの過激な政策をとることもなく、日清戦争から始まる4度の大戦もなかったのではないかと想像されています。
私は榊原さんの西郷犯人説は納得しますが、彼の歴史解釈は甘すぎると思います。
近代統一国家を作るのがいかに難しいかは、明治維新と同時代に起きたアメリカとドイツの例をみればわかります。
アメリカでは、奴隷制度や経済政策の違いから北部と南部が激しい戦争を行い北部の勝利によって、どうにか分裂を避けたのです。
ドイツでも最も力の強いプロイセンがオーストリアとフランスを戦争で負かしたことでプロイセンが中心となる統一を達成したのです。
毛沢東は「権力は銃口から生まれる」と語りましたが、これは一面の真実をついています。
もし薩長の軍事政権ではなく公武合体が政権についていたら、武士階級を廃止するという「廃藩置県」など実効可能だったのでしょうか。私は薩長の圧倒的な軍事力があったから、そのような政策がとれたと思っています。
この点から見ても、西郷隆盛の方が坂本龍馬よりもはるかに権力(パワー)に対してリアリストだったのです。
ところで、西郷隆盛は征韓論を巡る対立で負けて下野しました。中国出身の評論家である石平さんが、この問題で西郷と毛沢東を比較した素晴しい評論を書いていらっしゃいます。
それによれば、大躍進政策で数千万の人を餓死させた毛沢東は失脚しますが、その権力を取り戻すために今度は文化大革命を始めました。その結果、せっかく統一を果たした中国は無茶苦茶になってしまいました。
一方、カリスマと能力で毛沢東に負けない西郷隆盛が「私的」な理由で権力を奪還しようと思えばできたはずなのに、彼はそのようなことは決してしませんでした。西南戦争もあくまで受け身で行ったに過ぎないのです。
確かに、西郷隆盛が毛沢東みたいな権力亡者であれば、明治の日本は一体どうなったでしょうか。
だから榊原さんのいうように西郷が龍馬を暗殺したことが事実だったとしても、西郷どんは偉かったのです。
2010年7月18日に日本でレビュー済み
素晴らしい本の一言につきる。是非一読をオススメしたい。
国際金融の著名エコノミストがこれほどまでに幕末史に詳しいとは驚かされた。
龍馬の本当の素晴らしさと勝海舟の偉大さが理解できる。
それに比べ、尊王攘夷思想に染まったテロリスト軍団とも呼ぶべき薩長の卑劣さ、狭隘さが浮き彫りになる。
龍馬と勝海舟が明治維新をリードしていたら、どれだけ日本国が民主的で先進的で開放的なものになっていたかと、考えさせられる。
勝者が書いた維新の歴史を鵜呑みにしていると、日本のあり方を見失う恐れがあることの警鐘でもあろう。
薩長が藩閥政治で築きあげた富国強兵に名を借りた軍国主義が、その後の日清戦争、日露戦争、第一次大戦、そして悪夢の第二次大戦につながったことは否定できない。
司馬遼太郎が明治を理想主義、リアリズムと捉えたのに対し、ミスター円は明治はむしろ天皇を絶対視したイデオロギーの時代、あるいは薩長の専制的政治に過ぎないと喝破する。むしろ江戸時代のほうがよりリアリズムに富むとも指摘する。
司馬史観を抜け出て素直に歴史をみることを説くミスター円の眼は鋭い。
日本史を見る目が180度かわる珠玉の名作だ。
国際金融の著名エコノミストがこれほどまでに幕末史に詳しいとは驚かされた。
龍馬の本当の素晴らしさと勝海舟の偉大さが理解できる。
それに比べ、尊王攘夷思想に染まったテロリスト軍団とも呼ぶべき薩長の卑劣さ、狭隘さが浮き彫りになる。
龍馬と勝海舟が明治維新をリードしていたら、どれだけ日本国が民主的で先進的で開放的なものになっていたかと、考えさせられる。
勝者が書いた維新の歴史を鵜呑みにしていると、日本のあり方を見失う恐れがあることの警鐘でもあろう。
薩長が藩閥政治で築きあげた富国強兵に名を借りた軍国主義が、その後の日清戦争、日露戦争、第一次大戦、そして悪夢の第二次大戦につながったことは否定できない。
司馬遼太郎が明治を理想主義、リアリズムと捉えたのに対し、ミスター円は明治はむしろ天皇を絶対視したイデオロギーの時代、あるいは薩長の専制的政治に過ぎないと喝破する。むしろ江戸時代のほうがよりリアリズムに富むとも指摘する。
司馬史観を抜け出て素直に歴史をみることを説くミスター円の眼は鋭い。
日本史を見る目が180度かわる珠玉の名作だ。
2010年10月6日に日本でレビュー済み
何度目かの龍馬ブームであるが、大蔵省の出身の「ミスター円」国際経済の榊原英資による作られた坂本龍馬像を、坂本の事績に依拠し、「商人」としての龍馬の観点から明らかにした一冊です。
後の世が利用するために作り上げた龍馬像を、真摯に事実を探し偶像破壊を進める論述が楽しい。
小説・ドラマと史実、歴史記述の作法、歴史的人物を利用しようとする勢力、龍馬ブームの今こそ「参戦」すべき一冊です。
後の世が利用するために作り上げた龍馬像を、真摯に事実を探し偶像破壊を進める論述が楽しい。
小説・ドラマと史実、歴史記述の作法、歴史的人物を利用しようとする勢力、龍馬ブームの今こそ「参戦」すべき一冊です。
2012年9月8日に日本でレビュー済み
「勝者に書かれた歴史」とは事実とは違うと言って、従来の薩長(が正当)史観から
会津側に偏った史観で書かれた書物は、久しくたくさん書かれたので、もう一般的に人物としての西郷は「陰謀策略にまみれた」とのイメージは浸透しているかもしれない。
未だに「薩長史観は間違ってる」として執筆を重ねる者もいるが、まっとうな研究者の方からは「逆にこの動きは危うい」として警戒されているのは事実。
まあこの作者は素人なのでムキになって、あれこれ言う必要はないが
ここまで西郷を悪人に決めつけ、明治政府をも否定する作品も、数ある「会津偏向作家」の書籍な中でも中々ないであろう。
読み物としては別にかまわないが、出版社が「朝日新聞」となっているので、引用資料を見ても「薩長側」がなく偏った記述の書籍の発行は問題ないか?
正しい歴史を伝えるのも新聞社の使命だと思うので、公平な目線こそ大事だと思う。
会津側に偏った史観で書かれた書物は、久しくたくさん書かれたので、もう一般的に人物としての西郷は「陰謀策略にまみれた」とのイメージは浸透しているかもしれない。
未だに「薩長史観は間違ってる」として執筆を重ねる者もいるが、まっとうな研究者の方からは「逆にこの動きは危うい」として警戒されているのは事実。
まあこの作者は素人なのでムキになって、あれこれ言う必要はないが
ここまで西郷を悪人に決めつけ、明治政府をも否定する作品も、数ある「会津偏向作家」の書籍な中でも中々ないであろう。
読み物としては別にかまわないが、出版社が「朝日新聞」となっているので、引用資料を見ても「薩長側」がなく偏った記述の書籍の発行は問題ないか?
正しい歴史を伝えるのも新聞社の使命だと思うので、公平な目線こそ大事だと思う。