「アタゴオル物語」に続く新シリーズの第五作。本作は「タルダリ大帝」編と「キリエラ戦記」編の間に位置し、海底島に残ったヒデヨシ達の気の置けない作品を集めた短編集。「キリエラ戦記」を意識してか、ヒデヨシ以外はテンプラの知恵とツキミ姫の超能力が随所で強調されている。
「細胞飴」はヒデヨシの大喰い談から始まり、星座模様の巨大なヒデヨシ飴が出来るまでを描いた愉快な作品。「水晶帽子」はその続編で、分離したヒデヨシ飴の星座細胞がヒデヨシの低俗さに嫌気が差し、テンプラを誘拐して勉強をし教養の向上を図ると言う爆笑談。以下、「ミイト」編が三作続く。大文学者クラヤモルが探す「ミイト緯度の指」。その謎を解くためヒデヨシ達が出掛けた晶磁林山で起こる溶岩ならぬ溶水晶。火薬石で暴れるヒデヨシ。そして、出て来た黄金切手には「ミイト緯度の指の形」の文字と絵が。更に、指石でその指の形をした時に現れる「ミイト」の意味とは...。それにしても作者は、音や光や空気の流れを視覚化する技量において卓抜した手腕を持っている。「MOONLIGHT QUARTET」は唐あげ丸の落ち込みを直すために訪れた火山医者で起こるハプニングを描いた作品。「SMELL」は香りコンテストから始まり、優勝した謎の香りを探求する中で、"鉄肺"ヒデヨシが吸う"クサヤの葉巻"で笑いを取り、それをキッカケに上述の香りの秘密が解明されると言う巧みなストーリー。
前作に続き、ヒデヨシが歌う"ひらがな"で書かれたビートルズの曲当てが無くなったのは残念だが、それを補って余りある小刻みなギャグと夢がある。夢と冒険心に溢れるファンタジーの傑作。
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アタゴオル玉手箱 (5) (偕成社ファンタジーコミックス) 単行本 – 1992/10/1
ますむら ひろし
(著)
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トラブシ博士の実験でアメを600個食べたヒデヨシの体は、まんまるにふくれ上がり、夜の星座を写し出した。ところが星座達は?。
対象年齢:小学上級から
- 本の長さ142ページ
- 言語日本語
- 出版社偕成社
- 発売日1992/10/1
- 寸法14.8 x 1.4 x 21 cm
- ISBN-104030140807
- ISBN-13978-4030140806
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登録情報
- 出版社 : 偕成社 (1992/10/1)
- 発売日 : 1992/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 142ページ
- ISBN-10 : 4030140807
- ISBN-13 : 978-4030140806
- 寸法 : 14.8 x 1.4 x 21 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 251,377位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 155,310位コミック
- カスタマーレビュー:
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2008年9月28日に日本でレビュー済み
2003年4月6日に日本でレビュー済み
表紙を見ただけでなんだかとっても中をみたくなるような5巻だとおもいます。アタゴオルシリーズではこの巻の表紙の絵が一番好きです。内容も最高で、特に「ミイト緯度の指」がいいです。何度も読み返したくなる話です。(何度読んでもちゃんと理解はできないんですけど・・・)海底島でのお話がずっと続いてるんですけど、タクマもでてくるしいうことなし!ですね。
2003年1月9日に日本でレビュー済み
過剰なる欲望は邪悪な饗宴に破滅という名の客を呼び寄せる・・・。と言うようなセリフだったかナレーションだったかを過去に聞いた覚えが有るが,過剰にして凄まじい歩く食欲猫(ヒデヨシ)の行動原理もしくは哲学と言うべきか,それはとにかく「食うことが全て」である。欲望のままに行動する姿は非難されこそすれ誉められるものではないのにそれでもアタゴオルの世界でそこでの存在は有って当然,水戸黄門の三つ葉葵の印篭の御紋のごとく燦然と輝いてまぶしいくらいだ。まったくうらやましい。この本を見ている間は何故かすこーしだけ幸せな現実逃避の気分に浸れることをすこーしだけ保証します。