1987年、英国の作家、リンダ・イェトマンさんの作品です。小学校中級から。
厚生省中央児童福祉審議会・推薦文化財。日本図書館協会選定図書。
（Linda Yeatman 「Perkins; The Cat Who Was More Than A Friend」。翻訳版は、久米穣さんの訳で1996年刊。）
目の不自由なデイビッドは、ある日、ドアに指を挟まれて、数針縫うケガをします。
ケガをしても大人しくしていたデイビッドに、両親は、ご褒美として子猫を飼ってあげます。
猫の名は、パーキンス。
デイビッドは、パーキンスの世話をし、家族みんな、仲良く過ごしていました。
ある年の夏、デイビッド一家は旅行に行きます。
旅行から帰ってくると、家に猫がいるのですが、
家族はみな、その猫をパーキンスだと言い、
目の不自由なデイビッドだけが、この猫はパーキンスじゃないと言い張ります。
。。。一体、どうなってるのでしょうか？
物語は、このような感じで展開していきます。
この本は、目の不自由なデイビッドと猫のパーキンスとの物語が中心なのですが、
主人公・デイビッドを通じて視覚障害者の知覚（聴覚・触角）を学んだり、
英国の小学校での視覚障害者教育、動物の触れ合いが与える影響なども、自然に学べます。
そして、ラストは、素敵に締めてくれます。
小学校中級から楽しく読めて、視覚障害者の感覚を学べるいい本です！ （ありそうでないタイプですね。）
なお、「訳者あとがき」によると、著者・イェトマンさんの経験が、この本に反映されているようです。
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