グラハム・ハンコックはまた凄い仕事をした。二〇年前の『神々の指紋』は画期的だったが、『神々の魔術』に示されている新しい事実には誰でも知性を揺さぶられる。ハンコックは人類史について議論の余地のない証拠を示しているが、それについて私たちはほとんど何も知らない。この最高傑作には多彩な手がかりが示されているが、明瞭に示すのは一点だ。過去において人類は巨大建造物の建設者であり、世界規模の文化を持っていた。その明白な指紋は、今でもペルー、インドネシア、イースター島、トルコに限らず世界中に残されている。
だが、1995年に突然、ハンコックが登場するまで、不可解なことに誰も巨石の手がかりを判読することが出来なかった。なぜ私たちはハンコック指摘することにこれまで気づかなかったのか? 巨石遺跡は同じ人々の手で作られている。同じ高度な天文学的知識が使われている。ギョベックリ・テペから中央アメリカまで世界中で同じ意匠が使われている。さらに、世界中に何百とある洪水伝説をなぜ無視してきたのか? やはり私たちはトラウマの持ち主で、記憶を喪失しているようだ。
世界中で詳細簡潔な現場調査を行なっている『神々の魔術』を読むと、疑いが霧のように消えてしまう。ハンコックは過去についての扉を大きく開いた・・・悠久の太古の世界だ。私たちに残された選択肢は彼の結論を沈着冷静に考慮することだけだ。
これは気楽に読める本ではない。地質学的に傷跡を持つ風景について長く言及されているが、これだけでも、細心の注意を要求される。レーザーのような精密さで語られており、憶測の余地はない。それには確固たる目的がある。まるで老練な弁護士のように議論を構成しているのだ。巨大な洪水があったが、生き残った者たちがいた。彼らはいにしえに偉大だった文明の再興を、」破壊された世界で試みた。私たちはその末裔だが、生き残った者たちが伝えようとした警告について、ほとんど何も知らない。だがグラハムはすべてを変えた。彼は思いも寄らぬことを考えろ、と迫る。過去に関する考えを劇的に再構築しろという。だが学者たちは、過去に特別なことは何も起こっていないと保証している。だが、まず間違いなく起こっている。
ヨーロッパの偉大な哲学者ショーペンハウワーの洞察を思いだす。彼は「定型的考え方」という知的ジレンマについて巧く語っている:
「すべての真実は3つの段階を通過する。最初は笑いものにされる、次に猛反対される。最後に「当たり前じゃないか」と受け入れられる。」
別のいい方をすると、私たちは「見てから次に信じる」のではない。そうではなくまず信じる。そうすると見たいものが見えてくるのだ。私たちは大破壊された過去を見たくない。なぜなら真実を見ると痛みを感じるだけでなく、地球が安全だという貴重な感覚も喪失してしまうからだ。歳差運動のマーカーは様々な遺跡に残されている。エジプトの大ピラミッド群、アンコールワット寺院、さらには最近発掘された、考え方を根本から変えさせるトルコのギョベックリ・テペ巨石遺跡など、すべてが同じ事を伝えている。大破壊はまた起こるのだ。しかも私たちが思っているよりも早く起きるようだ。ハンコックのようにスコットランド人である『シャーロック・ホームズ』の著者は、ホームズに次のようにいわせている。
「何回いったら分かるんだい。不可能を排除していって残ったものは、それがいかにありそうもないことでも、真実なのだよ」
だが、私たちは真実に直面できるだろうか? この本を読むときは命が賭けられていると思うとよい。なぜなら私の考えでは、賭けられているからだ。五つ星では不足なくらいだ。ブラボー! グラハム・ハンコック!
エハン・デラヴィ
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神々の魔術 (上) 失われた古代文明の叡智 単行本 – 2016/2/27
グラハム・ハンコック
(著),
大地 舜
(翻訳)
1995年にトルコで発見されたギョベックリ・テぺの遺跡は炭素年代法分析で紀元前9600年のものであることがわかった。世界最古といわれるメソポタミア文明より7000年も古い。これは何を意味するのか?
- 本の長さ338ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2016/2/27
- 寸法13.6 x 2.7 x 19.6 cm
- ISBN-104041014859
- ISBN-13978-4041014851
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商品の説明
著者について
●グラハム・ハンコック:英国エジンバラに生まれ。「タイムズ」、「ガーディアン」など、英国を代表する高級紙の記事を執筆、エコノミスト誌の東アフリカ特派員を務める。先史時代に高度な文明が存在したとの仮説を検証した『神々の指紋』(翔泳社)は世界的大ベストセラーとなった
●大地 舜:青山学院大学卒。米国オピニオン誌「ニューパースペクティブ・クオータリー」東京駐在員。「グローバル・ビューポイント」(ロサンゼルス・タイムス・シンジケート)東京駐在員。主な訳書に『神々の指紋』『神々の世界』『創世の守護神』(小学館文庫)、『天の鏡』(翔泳社)など。
●大地 舜:青山学院大学卒。米国オピニオン誌「ニューパースペクティブ・クオータリー」東京駐在員。「グローバル・ビューポイント」(ロサンゼルス・タイムス・シンジケート)東京駐在員。主な訳書に『神々の指紋』『神々の世界』『創世の守護神』(小学館文庫)、『天の鏡』(翔泳社)など。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2016/2/27)
- 発売日 : 2016/2/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 338ページ
- ISBN-10 : 4041014859
- ISBN-13 : 978-4041014851
- 寸法 : 13.6 x 2.7 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 211,460位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 42,075位ノンフィクション (本)
- - 54,394位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
考古学は、古代の物と思われるガラクタを調べ、似たような物をつなぎ合わせ推論する、妥当性の乏しい帰納的学問であり、これまで何度と無く覆った。ギザのピラミッドをエジプト王の墓だと主張する考古学者は激減した。私は、子供の頃から石器時代に疑問を抱きながら、納得のいく答えを得られないまま大人になった。20年前出版された『神々の指紋』は、この疑問を解消する期待感を彷彿させてくれたが、一方で、正統派考古学者から多くの批判を浴びた。本書は、その前書の批判を受けて、より学術的な匂いを濃くしようと努力した続編となっている。著者は、持論「彗星衝突による超古代文明消滅」の証拠を探すため、ドライ滝(ワシントン州/彗星衝突?)、ギョベックリ・テペ(トルコ/有史前古代文明?)、バールベック(レバノン/巨石・石組)、スフィンクス(エジプト/古代天文学、風化年代)、その他ペルー、インドネシア、イースター島(巨石・石組)へ足を運び、現地詳細レポートを綴った。前書と本書により啓蒙されて導き出した、以下の私的疑問に対する本書の解釈を述べる。
【子供の頃からの疑問】
①大陸棚は、昔、陸地だったんじゃない?
社会教科書の説明図は、陸地から遠い沖まで浅い海が広がり、その縁から一変して深い海に変わる奇妙な地形を示していた。
②古代神殿の利用者は、巨人だったんじゃない?
神殿の天井(10m)は、身長1.7m~1.8mの現代人に比べて高すぎる。身長5~6mの巨人達がいたのだろうか?
【本書にインスパイヤされた考古学的推論】
①海面100m上昇と大洪水の関係 : アトランティスは、現在のエーゲ海の大陸棚にある。
地球歳差運動の半周期となる、1万2900年前のヤンガードリアス期(最終氷期)以降、温暖化に伴い地上の大量の氷河が融解し、海面が100m以上上昇した(氷河性海水準変動)。これにより当時の沖積平野の大部分が海面下に水没し、現在の大陸棚を形成した。旧約聖書、ギリシャ神話、シュメール文書に現れる大洪水は、この海面上昇に耐え切れなくなったジブラルタル堰が崩壊し、地中海盆地へ大西洋からの海水が急激に流れ込んだ時の洪水である。地中海の海底地形から、洪水前はスペインとモロッコ、イタリアとチュニジア、ギリシャとトルコは陸続きだった。更に、エーゲ海の島々も陸続きで、ここにアトランティスの都市が繁栄していたと推測できる。アトランティスの住人は、大洪水後、トルコを超えて、肥沃なメソポタミアへ逃げ、シュメール文明を興した。
②古代文明伝承者(神・魔術師)と巨人の関係 : 火星からの地球移住者は、地球重力に馴染めず水棲生活をした。
古代遺跡は、天井(10m)が高く、巨石の石組で築かれ、融けた溶岩で隙間を閉じた。身長1.7m~1.8mの現代人には不相応な巨大さである。身長5~6mの巨人達に相応しい。重力1/3の火星人は、地球現代人よりも3倍大きいはず。身長5m~6m、体重300kgの巨体は、地球陸上生活に支障を来たすため、多くの時間を海に浸かり、水棲生活を営んでいた。このため水棲動物(カバ、ゾウ、サイ)と同様に体毛が退化していった。しかし地球歳差運動による寒冷化時期(ヤンガードリアス期前)には、陸上生活に適した小型体型に進化すべく、猿等の小型動物と異種交配を積極的に行った。その結果、多数の猿人類が生まれ、闘争に勝ち残った現代人(体毛が無い)が生き残った。巨人(神)が猿人(現代人)を支配する世界が存在したが、寒冷化により巨人の人口が激減した。
③彗星衝突と古代文明消滅 : 世界同時的に大災害が発生し、同時に文明が消滅したわけではない。
著者は、「彗星衝突により、大異変が、地球全体に同時期に瞬時に発生した。」と言う。しかし、実際は、地球歳差運動による意外と緩やかな温暖化により徐々に融解した氷河の水が、突如、堰を決壊し洪水となったものだ。ワシントン州ドライ滝の大洪水とジブラルタル堰の決壊による地中海大洪水は、異なる時期であり、彗星衝突説は怪しいと解釈した。
【子供の頃からの疑問】
①大陸棚は、昔、陸地だったんじゃない?
社会教科書の説明図は、陸地から遠い沖まで浅い海が広がり、その縁から一変して深い海に変わる奇妙な地形を示していた。
②古代神殿の利用者は、巨人だったんじゃない?
神殿の天井(10m)は、身長1.7m~1.8mの現代人に比べて高すぎる。身長5~6mの巨人達がいたのだろうか?
【本書にインスパイヤされた考古学的推論】
①海面100m上昇と大洪水の関係 : アトランティスは、現在のエーゲ海の大陸棚にある。
地球歳差運動の半周期となる、1万2900年前のヤンガードリアス期(最終氷期)以降、温暖化に伴い地上の大量の氷河が融解し、海面が100m以上上昇した(氷河性海水準変動)。これにより当時の沖積平野の大部分が海面下に水没し、現在の大陸棚を形成した。旧約聖書、ギリシャ神話、シュメール文書に現れる大洪水は、この海面上昇に耐え切れなくなったジブラルタル堰が崩壊し、地中海盆地へ大西洋からの海水が急激に流れ込んだ時の洪水である。地中海の海底地形から、洪水前はスペインとモロッコ、イタリアとチュニジア、ギリシャとトルコは陸続きだった。更に、エーゲ海の島々も陸続きで、ここにアトランティスの都市が繁栄していたと推測できる。アトランティスの住人は、大洪水後、トルコを超えて、肥沃なメソポタミアへ逃げ、シュメール文明を興した。
②古代文明伝承者(神・魔術師)と巨人の関係 : 火星からの地球移住者は、地球重力に馴染めず水棲生活をした。
古代遺跡は、天井(10m)が高く、巨石の石組で築かれ、融けた溶岩で隙間を閉じた。身長1.7m~1.8mの現代人には不相応な巨大さである。身長5~6mの巨人達に相応しい。重力1/3の火星人は、地球現代人よりも3倍大きいはず。身長5m~6m、体重300kgの巨体は、地球陸上生活に支障を来たすため、多くの時間を海に浸かり、水棲生活を営んでいた。このため水棲動物(カバ、ゾウ、サイ)と同様に体毛が退化していった。しかし地球歳差運動による寒冷化時期(ヤンガードリアス期前)には、陸上生活に適した小型体型に進化すべく、猿等の小型動物と異種交配を積極的に行った。その結果、多数の猿人類が生まれ、闘争に勝ち残った現代人(体毛が無い)が生き残った。巨人(神)が猿人(現代人)を支配する世界が存在したが、寒冷化により巨人の人口が激減した。
③彗星衝突と古代文明消滅 : 世界同時的に大災害が発生し、同時に文明が消滅したわけではない。
著者は、「彗星衝突により、大異変が、地球全体に同時期に瞬時に発生した。」と言う。しかし、実際は、地球歳差運動による意外と緩やかな温暖化により徐々に融解した氷河の水が、突如、堰を決壊し洪水となったものだ。ワシントン州ドライ滝の大洪水とジブラルタル堰の決壊による地中海大洪水は、異なる時期であり、彗星衝突説は怪しいと解釈した。
2016年3月16日に日本でレビュー済み
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神々の~シリーズの最新作。
前作より、より学術的になっていて説得力が増しています。
その分だけエンターテイメント感は少ないのと、
前作の繰り返し的な印象があります。
ただ、グーグル検索と、グーグルアースを使いながら読むと、
筆者とともに世界中を回っている感じがあってワクワクします。
書籍中の写真を参考にしつつ、ネットの写真を見つつ、
ストリートビュー(残念ながらすべての箇所にストリートビューはありません)
グーグルアースの地球をぐるぐる回しながら、
太古の人類に思いをはせるのも一興です。
前作より、より学術的になっていて説得力が増しています。
その分だけエンターテイメント感は少ないのと、
前作の繰り返し的な印象があります。
ただ、グーグル検索と、グーグルアースを使いながら読むと、
筆者とともに世界中を回っている感じがあってワクワクします。
書籍中の写真を参考にしつつ、ネットの写真を見つつ、
ストリートビュー(残念ながらすべての箇所にストリートビューはありません)
グーグルアースの地球をぐるぐる回しながら、
太古の人類に思いをはせるのも一興です。
2020年11月18日に日本でレビュー済み
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未知の世界がやさしく、興味をもって、アッという間に読破しました
2017年12月23日に日本でレビュー済み
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インターネットで調べれば、最新の遺跡の資料も楽に得られ、超古代文明好きにはたまらない本です。
「神々の指紋」よりも面白かったです。(因みに自分はAmazonの電子書籍を購入しました。)
「神々の指紋」よりも面白かったです。(因みに自分はAmazonの電子書籍を購入しました。)