完全に本編とは別物ですが、それでも各キャラクターの性格はちゃんとリンクしているのがすごい。
もちろん少しずつ、地の性格のコミカルな部分に寄せています。いますが、違和感がない。
中でも佐々木のキャラクターがますます面白くなっている。原作では冷静さと親しみやすさと不可思議さを中性的な話し方で包んでいますが、ここではすっかり良く笑うおばちゃん化しています。
森さんはドジっ子化が進行しています。しかもあのハイスペックのままでドジっ子です。まわりの迷惑と困惑はかなりの物、とはいうもののハルヒほどではないのでこれもなごめますな。ただ、コスプレが今回、お休みなので残念。
絵柄としては少しやさしいタッチに変わってきていましたが、九曜を猫キャラで遊ばせたらますますその傾向が強まったようです。「朝倉さんハイキングに行く」はほとんどムーミ〇谷の一日みたいなエピソードですが、本巻では一番かも。もしかしたら作者もこういう世界がもともと好きなのかもしれない。趣味性というか個人の嗜好に走ったように思える。反面、編集者はこういうのは没にしがちでは。それだけ、本作の人気が安定しているということでしょうか。
意外なのは北高のロケハンは初めてということ。「ぶらりＳＯＳ探訪の旅」は駅から校舎までの道のりをレポートしただけ。この道、結構、歩いたことのある人は多いのでは。坂は確かにきついです。
初夢生物のエピソードの前後編の間に一年間のインターバルがあるのは単行本化をにらんでのことでしょうが、まとまりが良くて良い感じです。
節目の１０巻ですが、安定と安心の１０巻というところでしょうか。
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