息子に頼まれて購入しました。
表紙も可愛らしく読書をし始めるのに
よい本だと思います。
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バケモノの子 (角川文庫) 文庫 – 2015/6/20
細田 守
(著)
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君となら、強くなれる--。 細田守監督最新作の原作小説!
この世界には、人間の世界とは別に、もう1つの世界がある。バケモノの世界だ。ある日、ひとりぼっちの少年がバケモノ界【渋天街】に迷い込み、バケモノ・熊徹の弟子となって、九太という名前を授けられる。奇妙な師弟関係の2人はことあるごとにぶつかり合う。だが、修行と冒険の日々を重ねるうち、次第に絆が芽生え、ともに成長する。まるで本当の親子のように――。
細田守監督が書き下ろす原作小説!
この世界には、人間の世界とは別に、もう1つの世界がある。バケモノの世界だ。ある日、ひとりぼっちの少年がバケモノ界【渋天街】に迷い込み、バケモノ・熊徹の弟子となって、九太という名前を授けられる。奇妙な師弟関係の2人はことあるごとにぶつかり合う。だが、修行と冒険の日々を重ねるうち、次第に絆が芽生え、ともに成長する。まるで本当の親子のように――。
細田守監督が書き下ろす原作小説!
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2015/6/20
- 寸法15.2 x 10.9 x 2 cm
- ISBN-104041030005
- ISBN-13978-4041030004
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商品の説明
著者について
●細田 守:1967年富山県生まれ。91年東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍したのち、演出に転向。05年、東映アニメーションを離れ、フリーに。06年公開の「時をかける少女」、09年公開の「サマーウォーズ」、12年公開の「おおかみこどもの雨と雪」で数多くの映画賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2015/6/20)
- 発売日 : 2015/6/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4041030005
- ISBN-13 : 978-4041030004
- 寸法 : 15.2 x 10.9 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 177,746位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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5 星
父となる物語
渋谷の街とバケモノたちが住まう「渋天街(じゅうてんがい)」という2つの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描きます。ひょんな事から師弟となったバケモノの男と人間の子供の交流を描いた物語で、単なる少年の成長譚というだけでなく、むしろ独身生活を謳歌していた男が、子供を育てる事により、責任を知り、本当の大人になっていくところが面白いと思います。少年が弟子入りを決めた時の熊鉄の喜びようと言ったら!誰かに必要とされることで人は変わるのかもしれません。「おおかみとこども」が母親の物語なら、こちらは、父になる物語。リアルな世界の地続きに異世界があるっていう設定が面白く、渋天街の細かく作り込まれた世界観も見事でした。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2017年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
渋谷の街とバケモノたちが住まう「渋天街(じゅうてんがい)」という2つの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描きます。
ひょんな事から師弟となったバケモノの男と人間の子供の交流を描いた物語で、単なる少年の成長譚というだけでなく、むしろ独身生活を謳歌していた男が、子供を育てる事により、責任を知り、本当の大人になっていくところが面白いと思います。
少年が弟子入りを決めた時の熊鉄の喜びようと言ったら!誰かに必要とされることで人は変わるのかもしれません。
「おおかみとこども」が母親の物語なら、こちらは、父になる物語。
リアルな世界の地続きに異世界があるっていう設定が面白く、渋天街の細かく作り込まれた世界観も見事でした。
ひょんな事から師弟となったバケモノの男と人間の子供の交流を描いた物語で、単なる少年の成長譚というだけでなく、むしろ独身生活を謳歌していた男が、子供を育てる事により、責任を知り、本当の大人になっていくところが面白いと思います。
少年が弟子入りを決めた時の熊鉄の喜びようと言ったら!誰かに必要とされることで人は変わるのかもしれません。
「おおかみとこども」が母親の物語なら、こちらは、父になる物語。
リアルな世界の地続きに異世界があるっていう設定が面白く、渋天街の細かく作り込まれた世界観も見事でした。

渋谷の街とバケモノたちが住まう「渋天街(じゅうてんがい)」という2つの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描きます。
ひょんな事から師弟となったバケモノの男と人間の子供の交流を描いた物語で、単なる少年の成長譚というだけでなく、むしろ独身生活を謳歌していた男が、子供を育てる事により、責任を知り、本当の大人になっていくところが面白いと思います。
少年が弟子入りを決めた時の熊鉄の喜びようと言ったら!誰かに必要とされることで人は変わるのかもしれません。
「おおかみとこども」が母親の物語なら、こちらは、父になる物語。
リアルな世界の地続きに異世界があるっていう設定が面白く、渋天街の細かく作り込まれた世界観も見事でした。
ひょんな事から師弟となったバケモノの男と人間の子供の交流を描いた物語で、単なる少年の成長譚というだけでなく、むしろ独身生活を謳歌していた男が、子供を育てる事により、責任を知り、本当の大人になっていくところが面白いと思います。
少年が弟子入りを決めた時の熊鉄の喜びようと言ったら!誰かに必要とされることで人は変わるのかもしれません。
「おおかみとこども」が母親の物語なら、こちらは、父になる物語。
リアルな世界の地続きに異世界があるっていう設定が面白く、渋天街の細かく作り込まれた世界観も見事でした。
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2016年6月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画館で、DVDで、観てからの読書鑑賞でした。個人的にはこちらの方が泣けました。
2015年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画視聴後、少し駆け足気味で展開していた映画をもっと知りたいと思い拝読。
内容としては全体的には映画の脚本のような印象を受けました。
細田監督の頭に描くストーリーが、映画の通りに展開されていくのですが、
そこに活字でしか分からないキャラクターの内面の心情や背景設定なんかも書かれており、
バケモノの子の世界観をより理解できました。
また、映画はそれらの難しい部分も忠実に映像化していたのだなと表現方法にも感動しました。
[以下ネタバレを含みます]
特に映画だけでは若干分かりにくかった、キャラクターの気持ちや展開の理由が良く分かりました。
熊徹の子を思う気持ちや九太の葛藤をより理解できたのはもちろん、
百秋坊や多々良が九太をかわいがっていた部分を書いていたり、
九太が久しぶりに渋谷に戻った時に図書館に向かう理由や、
楓が渋天街に来れた理由や、猪王山と一郎彦のその後のこととかもちょこっと書いてあったりと、
映画ではカットされていたような場面を知ることができたのは良かったです。
ただそれ以外はほとんど映画の脚本のようにも思えたので、(映画の再現度が素晴らしかった為)
折角本として出すならオリジナルなエピソードをもう少し読んでみたかったという感想も持ちました。
映画を観る前に読むと映画の若干急な展開の部分も理解しやすいし、
それぞれのシーンにより重みを感じることができると思います。
観た後に読めば細田監督の伝えたかった内容が整理できてより鮮明になるので、
映画が好きだった方には本で読んでもより楽しめると思います。
(さらに楽しみたい方はコミカライズされた漫画の方も違う良さがあったのでそちらも是非。)
内容としては全体的には映画の脚本のような印象を受けました。
細田監督の頭に描くストーリーが、映画の通りに展開されていくのですが、
そこに活字でしか分からないキャラクターの内面の心情や背景設定なんかも書かれており、
バケモノの子の世界観をより理解できました。
また、映画はそれらの難しい部分も忠実に映像化していたのだなと表現方法にも感動しました。
[以下ネタバレを含みます]
特に映画だけでは若干分かりにくかった、キャラクターの気持ちや展開の理由が良く分かりました。
熊徹の子を思う気持ちや九太の葛藤をより理解できたのはもちろん、
百秋坊や多々良が九太をかわいがっていた部分を書いていたり、
九太が久しぶりに渋谷に戻った時に図書館に向かう理由や、
楓が渋天街に来れた理由や、猪王山と一郎彦のその後のこととかもちょこっと書いてあったりと、
映画ではカットされていたような場面を知ることができたのは良かったです。
ただそれ以外はほとんど映画の脚本のようにも思えたので、(映画の再現度が素晴らしかった為)
折角本として出すならオリジナルなエピソードをもう少し読んでみたかったという感想も持ちました。
映画を観る前に読むと映画の若干急な展開の部分も理解しやすいし、
それぞれのシーンにより重みを感じることができると思います。
観た後に読めば細田監督の伝えたかった内容が整理できてより鮮明になるので、
映画が好きだった方には本で読んでもより楽しめると思います。
(さらに楽しみたい方はコミカライズされた漫画の方も違う良さがあったのでそちらも是非。)
2016年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小4息子が学校の読書の時間に、友達が読んでいて、読みたいということで、購入をした。まだ読み終わってないし、私も読んでませんが、購入&発送&商品については全く問題なく、むしろ想像以上にきれいでした。
2015年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
娘に頼まれ購入。良かったみたいです。
映画が好きで読みたかったみたいです。
映画が好きで読みたかったみたいです。
2021年12月11日に日本でレビュー済み
これは私が中学生の時、読書感想文が宿題になった時に読んだ本です。ですが最初は楽して終わらせたいから映画で見たことのある、サマーウォーズを読んだ事にして書いていたのですが母にバレてしまい、このこの本を渡されました。イヤイヤ読んでみると、とても読みやすくすぐ宿題が終わってました。その宿題は、なぜかどこかに出されており、何賞かは忘れましたが、学校の表彰台にいきなり呼ばれ賞の紙を渡されてました。他も賞をもらっている人もいたのですが、ラノベでもらっていたのは私だけでした‼️
あと周りの学生も先生たちも驚いていました。(あいつが❗️しかも❗️ラノベで‼️)みたいな感じで😄
あと周りの学生も先生たちも驚いていました。(あいつが❗️しかも❗️ラノベで‼️)みたいな感じで😄
2017年7月8日に日本でレビュー済み
誰も彼も持論を打つばかりで、言うことが皆違う」
「強さっていろんな意味があるんだな。どの賢者の話も面白い」
これは九太が熊徹に連れられて、各地の宗師の話を聞いたあとの感想です。
いろんな意味の「強さ」があるということは、なりたい「強さ」を見つけることが強くなるための第一歩です。
「『強さの意味は自分で見つけろ』ってこと?」と九太はそのことを理解します。私は、そのとき九太がなりたいと思った「強さ」とは熊徹や猪王山のような「強さ」であると思いました。
『バケモノの子』で熊徹と猪王山は二度戦います。
一度目は九太を弟子にするとき、二度目は宗師を決める試合のときです。
一度目の戦いで熊徹は猪王山を追い詰めます。猪王山が力の限界を感じ、負けを意識して目を閉じたとき、「がんばって猪王山!」という少女の声がします。それをきっかけに猪王山は力を回復し、熊徹を押し返します。
「誰も……誰も……あいつを応援してない……」
九太は熊徹の敗北を予感します。
それは猪王山の「強さ」にとっては応援、つまり誰かの声がその源であり、また戦うための理由であるからだと私は思いました。だから、たったひとりでも自分のために声を上げてくれる人がいることで息を吹き返した猪王山が熊徹を圧倒したことは、自然なことだと思いました。
猪王山の逆転によって勝ち目がほとんど無くなっても、熊徹は太刀をふるいます。その姿はとても無残なものでしたが、彼にも応援してくれる人がいないわけではありませんでした。九太です。九太は「負けるな!」とただひとり応援の声を上げます。
私はこの試合を見て発見したのですが、熊徹は負けていません。
猪王山がとどめを放ち熊徹が宙を舞ったあと、地面に身体がぶつかって「勝負あり」になるまさにその直前、卯月が現われました。そして卯月は「そこまで」と勝負をおあずけにしました。
熊徹は応援されることで最後に踏みとどまり、完全に敗北することを避けられたのです。
「あんた、強いな」「何を見てたんだおめえは」
一戦目の後に九太が言っていた「強さ」というのは表面上の勝ち負けのことではなく、もっと深いところでの熊徹の「強さ」でした。応援される強さ、頼られることの強さ、あるいは誰かのための強さのことです。
私は『バケモノの子』の世界ではそれがいちばんの「強さ」だと思いました。
二度目の戦い、新しい宗師を決める試合でも熊徹は、九太が応援しているとわかった瞬間、失っていた意識を取り戻します。まさに応援されることによる「強さ」です。
クライマックスで九太は一郎彦と戦うことになるのですが、九太が勝ち一郎彦が負けることになった理由も、ここにあるような気がします。
九太の側には楓も、熊徹も、チコもいました。一郎彦の側には誰もいませんでした。
胸の黒い穴は一人ではふさげません。そして、穴が開いたままでは強くなることなど、たぶん不可能です。その胸に誰の声も響かせることができないからです。
「強さっていろんな意味があるんだな。どの賢者の話も面白い」
これは九太が熊徹に連れられて、各地の宗師の話を聞いたあとの感想です。
いろんな意味の「強さ」があるということは、なりたい「強さ」を見つけることが強くなるための第一歩です。
「『強さの意味は自分で見つけろ』ってこと?」と九太はそのことを理解します。私は、そのとき九太がなりたいと思った「強さ」とは熊徹や猪王山のような「強さ」であると思いました。
『バケモノの子』で熊徹と猪王山は二度戦います。
一度目は九太を弟子にするとき、二度目は宗師を決める試合のときです。
一度目の戦いで熊徹は猪王山を追い詰めます。猪王山が力の限界を感じ、負けを意識して目を閉じたとき、「がんばって猪王山!」という少女の声がします。それをきっかけに猪王山は力を回復し、熊徹を押し返します。
「誰も……誰も……あいつを応援してない……」
九太は熊徹の敗北を予感します。
それは猪王山の「強さ」にとっては応援、つまり誰かの声がその源であり、また戦うための理由であるからだと私は思いました。だから、たったひとりでも自分のために声を上げてくれる人がいることで息を吹き返した猪王山が熊徹を圧倒したことは、自然なことだと思いました。
猪王山の逆転によって勝ち目がほとんど無くなっても、熊徹は太刀をふるいます。その姿はとても無残なものでしたが、彼にも応援してくれる人がいないわけではありませんでした。九太です。九太は「負けるな!」とただひとり応援の声を上げます。
私はこの試合を見て発見したのですが、熊徹は負けていません。
猪王山がとどめを放ち熊徹が宙を舞ったあと、地面に身体がぶつかって「勝負あり」になるまさにその直前、卯月が現われました。そして卯月は「そこまで」と勝負をおあずけにしました。
熊徹は応援されることで最後に踏みとどまり、完全に敗北することを避けられたのです。
「あんた、強いな」「何を見てたんだおめえは」
一戦目の後に九太が言っていた「強さ」というのは表面上の勝ち負けのことではなく、もっと深いところでの熊徹の「強さ」でした。応援される強さ、頼られることの強さ、あるいは誰かのための強さのことです。
私は『バケモノの子』の世界ではそれがいちばんの「強さ」だと思いました。
二度目の戦い、新しい宗師を決める試合でも熊徹は、九太が応援しているとわかった瞬間、失っていた意識を取り戻します。まさに応援されることによる「強さ」です。
クライマックスで九太は一郎彦と戦うことになるのですが、九太が勝ち一郎彦が負けることになった理由も、ここにあるような気がします。
九太の側には楓も、熊徹も、チコもいました。一郎彦の側には誰もいませんでした。
胸の黒い穴は一人ではふさげません。そして、穴が開いたままでは強くなることなど、たぶん不可能です。その胸に誰の声も響かせることができないからです。