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ラスト・ワルツ (角川文庫) 文庫 – 2016/3/25

4.4 5つ星のうち4.4 272個の評価

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仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所、疾走する特急車内――。大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ組織「D機関」が世界を騙す。ロンドンでの密室殺人を舞台にした書き下ろし短編「パンドラ」を収録!
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ラスト・ワルツ (角川文庫)

商品の説明

著者について

●柳 広司:1967年生まれ。2001年、『黄金の灰』でデビュー。同年、『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞。他著に「ジョーカー・ゲーム」シリーズの『ダブル・ジョーカー』『パラダイス・ロスト』『ラスト・ワルツ』や、『新世界』『トーキョー・プリズン』など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA/角川書店; 一般文庫版 (2016/3/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/3/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 404104023X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041040232
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1.2 x 15 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 272個の評価

著者について

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柳 広司
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1967年三重県生まれ。神戸大学法学部卒業。2001年『黄金の灰』でデビュー。同年『贋作「坊ちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。08年に刊行した『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『パルテノン』(ISBN-10:4408550078)が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
272グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年12月22日に日本でレビュー済み
D機関のメンバーが活躍するシリーズの4作目である。

・アジア・エクスプレス 

D機関のスパイ、瀬戸礼二は、満州鉄道のあじあ号に乗っていた。列車内で、ロシア人のモロゾフから重要情報を受け取ることになっていたが、モロゾフは車内で殺された。瀬戸の協力者2人も前に殺されており、「裏切り」「死」を意味するタロットカードが見つかった。どうやら、ソ連の秘密諜報機関、スメルシュの仕業のようだ。暗殺者は、同じ列車の中にいる……。しかも、次の駅まで2時間は誰も列車から降りられない。ソ連のスパイは、他国のスパイと異なり、共産主義革命を守るためなら平気で人を殺す。そんな相手に、瀬戸はどう立ち向かうのか。D機関の優秀さが実感できる話である。

・舞踏会の夜      

顕子は上流階級の有閑マダムである。15歳の時、夜遊びをしていて愚連隊に襲われそうになり、ある男に助けられた。その時に将来、自分と踊ってほしいとその男に言ったのだ。今でも顕子はその男を心のどこかで待っている。その人物は外国で死んだと思われていたが、その後生きていることが分かった。そして今、舞踏会で彼と再会した顕子だったが……。オチはなかなか複雑である。

・ワルキューレ     

場所はドイツのベルリン。雪村幸一は日本のスパイで、在ベルリン日本大使館の防諜体制を整える任務を遂行していた。その任務には、ドイツ側のスパイは誰なのかを特定し、無力化することも含まれていた。雪村はスパイを見つけられるだろうか。暗号に盗聴器など、これぞスパイ小説といえる短編である。

本当に面白いシリーズだった。もう少し続きが読みたくなる出来映えである。
2015年2月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジョーカーゲームとダブルジョーカーも読みましたがラストワルツもなかなかの出来です。
短編2編と中編1編の構成ですが短編2編のほうが本来のD機関の凄さがよく出ていました。
ジョーカーゲームから順に読んでいけば結城中佐の作り上げた組織の深遠が垣間見え、陸軍中野学校(旧大映の作品)のモノクロの世界に一気に踏み込んだ気分になります。
ただこれでシリーズが終わりになるのは惜しい。
もっと物語の骨格を練り上げれば更に上級のストーリーができると思います。
次回作も期待!!
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このシリーズ大好きです。
2015年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大戦への戦雲が垂れ込める中、日本陸軍の結城中佐が作り上げた諜報組織「D機関」の諜報員が暗躍を描くスパイ・ストーリです。シリーズ3作目となりますが、「ラスト・ワルツ」と、まるでシリーズの終焉を示唆するかのようなタイトルですが、この作品シリーズがまだまだずっと続くことを願っています。
 
本書は短編2話、中編1話で作られています。
それぞれの作品について、D機関の諜報員の暗躍を描きながらも、作品舞台、プロットの組み方、また、キャラクター設定が多彩であり、どのストーリもとても堪能することができました。
 
一話目「アジア・エクスプレス」
疾走する大陸鉄道の車中という、閉ざされた場所での、D機関の諜報員・瀬戸とソ連の暗殺者との一対一の肉弾戦。襲うか、襲われるかの緊迫感。D機関では、相手への攻撃は最終手段にせよと訓戒されているものの、車中でD機関の協力者が暗殺され、諜報員・瀬戸も追い詰められていく、非常に緊迫感に満ちた展開です。一撃必殺の反撃が繰り出せるかどうか、読んでいて息苦しくなってくるほどの緊張感に包まれます。

二話目「舞踏会の夜」
本書のタイトル「ラスト・ワルツ」は本作にちなんだものと思います。
本作の舞台は東京。この作品には、結城中佐自身が登場します。そして、ほんのわずかばかりの言葉を発します。心憎いのは「結城中佐」という文字が作品中では用いられず、この人物が結城中佐であることを間接的に表現することで、結城中佐の存在に巧みにベールをかけています。
物語は、華族出の貴婦人で、陸軍幹部を夫にもつ加賀美顕子の観点で展開します。かつて、顕子のピンチを救った男性への思慕と、組織間の内部紛争ともいえる諜報戦の絡ませ方が絶妙です。
また、昭和初期の開戦前の日本の状況の記述は大変趣き深かったと思います。
 
三話目「ワルキューレ」
日独防共協定を締結したにも関わらず、その直後には、日本にとっての不測の、独ソ不可侵条約の締結。日本とナチスドイツが協定を結びつつも、猜疑に満ちた不穏な関係であった時代のベルリンが舞台です。この当時のナチスドイツの扇動的な広報面、文化面での政策と、そして、ナチスドイツ支配下におけるドイツ国内の映画の製作現場とが、作品の背景として、リアルに描かれています。
スパイ映画のプロローグのような、冒頭のアクションシーンからグっと引き込まれました。
 
主な登場人物は、映画制作に情熱を傾けつつも、浮つき、派手に振舞う日本人映画スター・逸見。狡猾で横暴なナチス高官のゲッペル。そして、存在感を消しながら隠密裏、沈着に活動するD機関の諜報員・雪村。この3者が三すくみの状態でストーリーが展開していきますが、クライマックスに向かっての、諜報員・雪村の出し抜きぶりが痛快です。また、情報交換のためのスパイ同士の隠密ルールや、秘密道具の使い方がリアルに記されており、スパイにとって情報の入手がいかに巧妙、緻密に行われているか、スリリングに伝わってきます。
本作の最後に明かされる事実は驚愕の一言です。中編ならではの急展開として堪能できたような、あるいは、この背景をもっと詳細に書き込んで、長編として読んでみたいような、さらには続編を期待したいような、多様な思いをもちながらも、大きな満足感をもって読み終えました。
 
このシリーズの一作目「ジョーカー・ゲーム」が今年の5月に映画化されるとのことで、これもまた、大変楽しみです。
26人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
パラダイスロストでがっかりしてその後読んでいなかったのですが本屋で見かけたので久しぶりに購入
可も無く不可も無くといった印象でしたがその後何年も続編がでていないようなのでネタギレですかね
ダブルジョーカーまでは☆5でおすすめできます
アニメ化もしましたが美男すぎるスパイはダメですね
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
女性が主人公の話だと、どんどん内面的になっていく。たくさんの事案を抱えているはずのD機関の魔王は、そんな昔の女学生の趣味や心理まで考慮できるものだろうか。まあ、出来るのだという事で別にいいんだが。話が最後の方に来てしまっているので、だんだん書くことがなくなってくるのか、D機関の人かなと思わせて別の機関が動いていたり、引っかかるだろうと仕掛けてきている感じがする。毎回、採用試験の場面が冒頭に出てくるのが、一冊の本で読んでいると疲れる。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年8月6日に日本でレビュー済み
「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」をとても面白く読み、「パラダイス・ロスト」も発売直後に読んだのだが「ちょっとマンネリかな」と思ってしまった。
それで「ラスト・ワルツ」にはしばらく手を出さなかったのだが「やっぱりシリーズ物だし、ちゃんと全部読んでおこう」と思って数年ぶりに本シリーズの最新刊である本書を読んだが、マンネリだけど面白かったかな。

スーパーマン集団であるⅮ機関のスパイたちが世界各国で活躍するという設定は毎度おなじみで、事件が解決した後で、全てⅮ機関のスパイによって仕組まれて他の人物達はコントロールされていたというのが読者に伝わるというのはマンネリというかこのシリーズの定番。
しかし、マンネリだと言ってもⅮ機関のスパイ達の手法は毎回鮮やかで心地よく読めた。
わかってても面白いんだよ。
このシリーズの新刊出ればマンネリでも僕は読むよ。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月12日に日本でレビュー済み
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文庫サイズのほうは入手できるのですが、単行本(新品)は他所では売り切れで、探していたら見かけたので迷わず購入しました。
好きな作品なので手に入れられて満足です。ジョーカーゲームを読んで、久々に続きが読みたくなる作品に出合えました。
アニメのほうも面白いですが、原作も面白いです。アニメのほうしか知らない人にもぜひ読んでほしい作品です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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