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犯罪小説集 単行本 – 2016/10/15
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人間の深奥に潜む、弱く、歪んだ心。どうしようもなく罪を犯してしまった人間と、それを取り巻く人々の業と哀しみを描ききった珠玉の5篇。2007年『悪人』、14年『怒り』、そして……著者最高傑作の誕生
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2016/10/15
- 寸法13 x 2.4 x 18.9 cm
- ISBN-104041047382
- ISBN-13978-4041047385
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
“ニュース"の背後にうごめく人間の情動
日々のニュースに流れる「事件」や「犯罪」は、ひとたび報じられた瞬間からガラスケースの向こうに陳列された展示品のようになってしまう気がする。犯罪者は犯罪者であり、悪は悪。私たちはその“自分たちとは違う特殊な人"のニュースを眺める。そこに自分たちと地続きの人間性や生活を見ることは難しい。
潔いタイトルに期待感が高まった。『犯罪小説集』はその名の通り、五つの犯罪にまつわる小説が収録された短編集だ。
女児が行方不明になったことで揺れる小さな村の夏。三角関係のもつれで店の客に内縁の夫殺しを依頼したスナックのママ。バカラ賭博で何億もの借金を重ねる大企業の御曹司。老人たちの集落で孤立した六十代の“若者"が振るう凶刃。華やかな生活から抜け出せなかった元プロ野球選手はどうなったのか――。
小説の中に出てくる犯罪すべてに、マスコミを騒がせたあの事件この事件の影が差す。そのため私たち読者は事件の顛末をすでにうっすら知っている。そしてこの「知っている」感覚が本書にとんでもない凄みと奥行きを与えている。
事件は起こる。起きてしまう。それを知っていてなお、その犯人がひとたび著者の筆によって目線を与えられると、私たちは否応なしに彼らの気持ちがわかってしまう。その哀しみ、疲れ、行き詰まり。あるいは、深く考えなかったのであろうという無自覚な短慮の感覚までもが。
だからこそ読みながら願った。女児が行方不明になった夏に事件が起こらないこと、犯人がその人でないことを願い、その反対に賭博で作った借金には、主人公の救済を望むのと同義に、事件の早期発覚を願う。狭い集落の中の孤立が小さな誤解の積み重ねで解決できないところまで追いつめられると「事件」はむしろ破たんではなく、来るべき閉塞状態からの解放のようにさえ感じられてしまう。
どの作品もラストが素晴らしい。著者は事件の発覚や容疑者の逮捕といった私たちが思う「顛末」を遥かに凌駕する瞬間をどの話にも用意している。逮捕や発覚は、この本の中で事件の瞬間のひとつであって、全部のまとめではない。
人は、世界の貧困を本心から嘆いていても、何億もの金を一瞬で溶かしてしまうことができる。善でも悪でもなく、哀しみでも疲れでも生ぬるい、名付けられない感情によって時として「事件」は起こる。その名付けられない何かの営みを描くものこそが小説であり、犯罪を小説で描くことの意味なのかもしれない。圧巻の犯罪小説集だ。
評者:辻村 深月
(週刊文春 2016.12.19掲載)著者について
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2016/10/15)
- 発売日 : 2016/10/15
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 4041047382
- ISBN-13 : 978-4041047385
- 寸法 : 13 x 2.4 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 404,047位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 35,949位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。
1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらう。2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞した。
他に『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』『元職員』『横道世之介』など著書多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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迅速な発送で梱包も丁寧でした。
2007年 市橋達也のリンゼイさん殺人事件を元にしているように、
本書もそれぞれ元になっているであろう事件が時系列で配置されている。
「青田Y字路」2005栃木小1女児殺害事件
「曼珠姫午睡」2009首都圏連続不審死事件
「百家楽餓鬼」2011大王製紙事件
「万屋善次郎」2013山口連続殺人放火事件
「白球白蛇伝」2016清原和博覚せい剤取締法違反
意図的に改変している部分もあるものの、
ディティールを調べ込んだ事件に基づいての記述も多く、
軽くは読み飛ばせないような濃厚さがある。
しかし、当然ながら、個々の事件が独立した短編集なので、
3つの物語が混ざり合いながら重厚な不穏感を醸成していた
『怒り』と比べると、多少物足りなくも感じる。
新聞の書評欄を読んで面白そう。タイトルは「人生の不可解な「真実」に迫る」。
犯罪に絡む不幸な人々が織り成す五つの物語~~。
☆青田Y字路(あおたのわいじろ)
☆曼珠姫午睡(まんじゅひめごすい)
☆百家楽餓鬼(ばからがき)
☆万屋善次郎(よろずやぜんじろう)
☆白球白蛇伝(はっきゅうはくじゃでん)
読み始めると「曼珠姫午睡」以外知っているような事件ばかり。そのせいか読みやすい。
パッパッで即終了。いささか拍子抜けしちゃったよう。
書評読ませていただくと、もっと違うようなかんじがしたもんで。
吉田修一は初めて。それぞれの物語の終わり方に関しては秀逸だなぁと感じました。
これはこうだから、こうなった・・・結末までちゃんとお書きになるとルポ風に
なってしまうのを避けるためなのか、余韻を残すというか、あとは自分で考えてね風に
パタッと止めちゃう。こういう終わり方もあるんだよねって面白く感じました。
おかしかったのは「曼珠姫午睡」のマッサージ。こういうマッサージ師さんて現実に
いるのかな。最後のさいご、ちゃんとやめる。よかったね。何となくほっとしました。
書評には何故か「曼珠姫午睡」のみ入ってませんでした。
事件のこと全く知らずに読んだら印象は違っていただろうなぁとはおもいます。
何かを踏み外す、その境界線のスレスレの怖さ、それは誰の身にも起きるかもしれない
生きていれば、起きないとは絶対に言えないだろう、そんな落とし穴みたいな心の闇を
自分自身のなかにも見たくないなと避けつつ見なければならないよと問われているような
小説でもありました。
他の4話も読み応えがあって、ずっしりと心に響いた。
やはり映画になっていた「青田Y字路」や、「白球白蛇伝」も、運命の残酷さが淡々と描かれていて悲しい。