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人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫 え 1-1 江戸川乱歩ベストセレクション 1) 文庫 – 2008/5/24
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- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/5/24
- ISBN-104041053285
- ISBN-13978-4041053287
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登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/5/24)
- 発売日 : 2008/5/24
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 224ページ
- ISBN-10 : 4041053285
- ISBN-13 : 978-4041053287
- Amazon 売れ筋ランキング: - 97,911位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
![江戸川 乱歩](https://m.media-amazon.com/images/I/01Kv-W2ysOL._SY600_.png)
1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」などの探偵小説を 次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。代表的なシリーズに、「怪人二十面相」「少年探偵団」などがある。日本の小説界に多大なる業績を残 す。65年没(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 大槻ケンヂが語る江戸川乱歩 私のこだわり人物伝 (ISBN-13:978-4041847213)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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短編傑作集のようだけど、角川ホラー文庫だけに明智小五郎とか少年探偵団の話は一切なく、幻想小説が中心。タイトル作の「人間椅子」は、SM小説的な生身の人間を家具にしていたぶる話かと思っていたら、頑丈な椅子の中に入り込んで生活する男と言うアイディアだった。見えないけど、何も知らない人間が座ってくれる感触を楽しむと言うのは、十分にエロティックな想像力をかき立てられる。椅子の所有者は変わってゆき、最後に座る女性作家のもとに、この男から変態行為を告白する手紙が届き・・・と言うオチも見事に決まる好短編だと思った。素人作家の私が書いてる人間家具は、身動き取れず家具扱いされるM奴隷女性を性的に陵辱するゲスなアイディアだけど、そんなのを想像してたのは失礼だった。
短かめのミステリーっぽいものには消化不良も見られたが、幻想小説風のものは見事な出来ばかり。中でも世評高いらしい「押絵と旅する男」はすがに圧巻で、これを読むだけでも購入の価値があった。
共通して、子供っぽく変な性癖を持つ男と、そういう男を翻弄する世知辛く狡猾な女と言う図式が目立った。確かに椅子に入り込むとか、狭い場所が病的に好きなのはいかにも男らしく、母胎回帰願望を表しているように思う。実は私自身実家にいる頃は押し入れの中で寝るのが好きで、よく親に呆れられたものだ。
賢い女に翻弄されるバカな男、と言うのも我が家の構図。たぶん江戸川乱歩はちょっと屈折した変態性癖のある男性にこそ、真価が理解される作家なんじゃないだろうか?
http://blog.livedoor.jp/nattolove-002/archives/12539033.html
短編集ですが一つ一つの作品がどれも外れなくおもしろすぎる。
世にも不思議な物語でやってほしいものもあります。
どれも長編にまで広げられそうな内容なのに短くまとめる才能もすばらしい。
令和の今でも多くの人を惹きつけるのは、万人に共通する人間心理の深層を突いているからでしょうか。
リアリティーを感じさせる描写に
感情が揺さぶられる
椅子に入ってしまう発想で変態なのに、終わり方も変態だと思いました(笑)
凄く好きな小説です٩꒰๑╹ω╹๑ ꒱۶
しかし人間椅子のこの奇抜なアイデアったら!!!
最後に大槻ケンジがコメントしていたみたいに、こんなむちゃくちゃなアイデアをこんな風に小説にできるのが江戸川乱歩のすごさなんだろうなーーー
この人間椅子はもっと長くしてもらって長編で読んでみたかった!!
このほかの作品だと
「お勢登場」「鏡地獄」「押絵と旅する男」
が特に面白かった。
ただ、何度も言うようだけど、短編だと消化不良な感じで(あくまで個人的理由)物足りない気がするので評価は低くしました。
奇妙で、不可解で、理不尽で、非現実的で、そして何より美しい。
古さよりも品を感じる文言、艶めかしく香る台詞、悲哀と喜劇。
絶えず新装版で刷り直されるだけの魅力を、改めて感じた。
(特に今回の装丁は、暗色が多い乱歩作品に珍しく薄い色彩で意表を突かれた)
世界名作全集の類しか読んでいなかった私に、乱歩作品は衝撃だった。
乱歩は「正義=善=美」と思っていた私に、新しい世界を見せた。
歪んでいるのに何故か美しい、滑稽なのに悲しい風景だ。
退廃的で仄暗い情欲の描写に、後ろめたささえ感じつつ、
幻想怪奇小説ばかりを読み漁った。 探偵物には行かなかった。
私のそれからの美的感覚には、乱歩世界が大きく影響した。
高校時代に大槻ケンヂ氏の詩に出会った時、ふと懐かしさを感じ、
彼が乱歩ファンだと知った時には、大いに納得したものだ。
どこか不健全な乱歩作品は、不完全を自覚する人間を虜にするのかも知れない。
耽溺という言葉が似合う世界観を持つ作者だと思う。