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走れメロス (角川文庫) 文庫 – 2007/6/23
太宰 治
(著)
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執筆活動の充実ぶりを示す、中期の佳作9篇
妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスめざして走りに走った。約束の日没までに暴虐の王の下に戻られねば、身代りの親友が殺される。メロスよ走れ! 命を賭けた友情の美を描く表題作など10篇を収録。
妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスめざして走りに走った。約束の日没までに暴虐の王の下に戻られねば、身代りの親友が殺される。メロスよ走れ! 命を賭けた友情の美を描く表題作など10篇を収録。
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2007/6/23
- 寸法11 x 1.2 x 15 cm
- ISBN-104041099137
- ISBN-13978-4041099131
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商品の説明
著者について
●太宰 治:1909年、青森県生まれ。本名・津島修治。1935年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年、処女作品集「晩年」を刊行。以後、「走れメロス」、「斜陽」など多くの佳作を執筆。1948年、玉川上水に入水し没。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 一般文庫版 (2007/6/23)
- 発売日 : 2007/6/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4041099137
- ISBN-13 : 978-4041099131
- 寸法 : 11 x 1.2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,571位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月24日に日本でレビュー済み
精神的安定を得た中期の傑作短編集として有名だが、その中に太宰治の地 (じ) が露骨に出ていて非常に面白かった。
『ダス・ゲマイネ』:「私」こと佐野次郎 (さのじろ) とあだ名された大学生をはじめ、音楽学校生の馬場数馬、画家の佐竹六郎、新人作家の太宰治 (‼) と、いずれ劣らぬ個性的すぎるキャラクターが出てくる青春ドタバタ悲喜劇。作中に、太宰治という作者自身のカリカチュア (!?) を登場させ、芸術論をたたかわせたあげく、馬場に「ばけもの!」と言って殴らせるあたりは痛快。1935年 作者26歳。横光利一、川端康成に代表される新感覚派という前衛文学末期の風潮を考慮しても、かなり攻めた作品。
『満 願』:わずか3ページの掌編ながら心温まる作品。しかも、そのうち6割は、ケガをして診察をうけた酒飲みの医師との交流譚。自転車を泥酔運転して足にケガをしひどく出血した主人公の「私」が、あわてて医院に駆け込んだところ、診察室に現れた西郷隆盛ばりの豪胆な医師も負けず劣らず泥酔していて、2人はその後仲良しになるというもの。そして残りのわずか4割が、ある小学校教諭の若妻の話。夫の教諭が3年前に肺を病んで (肺結核?) その薬を定期的にもらいに来ていた若奥様が「奥さま、もうすこしの辛抱ですよ」と、夫が完治するまで夫婦の営みを医師から固く禁じられていたのだが、ある日、とうとう医師から「おゆるし」が出て、帰り道、若奥様がさも嬉しそうに歩いて帰ったという何とも微笑ましい話。全部で43行、キモにになる話は後半のわずか18行という短さで、これだけ印象深い話の書ける作者はやはり天才か。
『富嶽百景』:〈富士には月見草がよく似合う〉という作中に出てくるフレーズで有名な作品で、読者の私も、太宰治といえばコレ!と言いたいくらい好きです。内容も、最晩年の「人間失格」や「ヴィヨンの妻」「桜桃」などの暗さと絶望感とは対照的な、明るく健康的な叙述に終始している。文学上の師である井伏鱒二の滞在する甲府の天下茶屋 (みやげもの屋 兼 旅館) に作者が身をよせ井伏の付き添いで地元の石原美知子と実家でお見合いし結婚を即決する、というのがメインテーマなのだが、終始洒脱な筆致で書かれたその前後のエピソードや考察も面白く、今回3度目の通読で太宰屈指の好短編という印象をよりいっそう強くした。
『女生徒』:意識の流れ風の手法による好編。14歳の女生徒の1日を独白体で切れ目なく書き綴っているところは、作者独特の弾みのある文体と相まって小気味よいが、途中14歳の少女がこんな難解な哲学的思弁を行い得るだろうか、という箇所があるのが玉に瑕か。
『駆け込み訴え』:イスカリオテのユダがキリストを裏切るにいたるまでの心理が描かれている。本作は作者が酒を飲みながら美知子奥様に全文口述筆記させて成った特異な作品として有名。モーツァルトが眠気覚ましに妻のコンスタンツェに笑い話をさせたりポンチ (カクテル) を作ってもらったりしながら、「ドン・ジョヴァンニ」序曲をひと晩 (‼) で書いたことを思い出さずにはいられないほどの天才ならではのエピソードだ。確かに、本作における作者の筆致はよどみなく流れるようだ。
『走れメロス』:あまりにも有名な作品なので付言することなし。これも『駆け込み訴え』みたいに、一気呵成に書いたんだろうなあと思わずにはいられない。中学時代からの愛読作です。
『東京八景』『帰去来』『故郷』:この3作は、それこそ〈破滅と再生の三部作〉と呼びたいような印象深い作品。要するに、1939年正月に29歳で結婚 (6月で30歳) し一家を構え生活も安定した太宰治が、懶惰と飲酒とパビナール中毒と自殺未遂に彩られた過去の人生を一度きっちり清算するために書いた問題作というか佳品。人生最後の傑作『人間失格』の習作との見方もできるが、こちらの三部作のほうが詳細かつ歴史的事実の部分も多く、私的にはこれはこれで完成された三部作の自画像だと思っています。
『ダス・ゲマイネ』:「私」こと佐野次郎 (さのじろ) とあだ名された大学生をはじめ、音楽学校生の馬場数馬、画家の佐竹六郎、新人作家の太宰治 (‼) と、いずれ劣らぬ個性的すぎるキャラクターが出てくる青春ドタバタ悲喜劇。作中に、太宰治という作者自身のカリカチュア (!?) を登場させ、芸術論をたたかわせたあげく、馬場に「ばけもの!」と言って殴らせるあたりは痛快。1935年 作者26歳。横光利一、川端康成に代表される新感覚派という前衛文学末期の風潮を考慮しても、かなり攻めた作品。
『満 願』:わずか3ページの掌編ながら心温まる作品。しかも、そのうち6割は、ケガをして診察をうけた酒飲みの医師との交流譚。自転車を泥酔運転して足にケガをしひどく出血した主人公の「私」が、あわてて医院に駆け込んだところ、診察室に現れた西郷隆盛ばりの豪胆な医師も負けず劣らず泥酔していて、2人はその後仲良しになるというもの。そして残りのわずか4割が、ある小学校教諭の若妻の話。夫の教諭が3年前に肺を病んで (肺結核?) その薬を定期的にもらいに来ていた若奥様が「奥さま、もうすこしの辛抱ですよ」と、夫が完治するまで夫婦の営みを医師から固く禁じられていたのだが、ある日、とうとう医師から「おゆるし」が出て、帰り道、若奥様がさも嬉しそうに歩いて帰ったという何とも微笑ましい話。全部で43行、キモにになる話は後半のわずか18行という短さで、これだけ印象深い話の書ける作者はやはり天才か。
『富嶽百景』:〈富士には月見草がよく似合う〉という作中に出てくるフレーズで有名な作品で、読者の私も、太宰治といえばコレ!と言いたいくらい好きです。内容も、最晩年の「人間失格」や「ヴィヨンの妻」「桜桃」などの暗さと絶望感とは対照的な、明るく健康的な叙述に終始している。文学上の師である井伏鱒二の滞在する甲府の天下茶屋 (みやげもの屋 兼 旅館) に作者が身をよせ井伏の付き添いで地元の石原美知子と実家でお見合いし結婚を即決する、というのがメインテーマなのだが、終始洒脱な筆致で書かれたその前後のエピソードや考察も面白く、今回3度目の通読で太宰屈指の好短編という印象をよりいっそう強くした。
『女生徒』:意識の流れ風の手法による好編。14歳の女生徒の1日を独白体で切れ目なく書き綴っているところは、作者独特の弾みのある文体と相まって小気味よいが、途中14歳の少女がこんな難解な哲学的思弁を行い得るだろうか、という箇所があるのが玉に瑕か。
『駆け込み訴え』:イスカリオテのユダがキリストを裏切るにいたるまでの心理が描かれている。本作は作者が酒を飲みながら美知子奥様に全文口述筆記させて成った特異な作品として有名。モーツァルトが眠気覚ましに妻のコンスタンツェに笑い話をさせたりポンチ (カクテル) を作ってもらったりしながら、「ドン・ジョヴァンニ」序曲をひと晩 (‼) で書いたことを思い出さずにはいられないほどの天才ならではのエピソードだ。確かに、本作における作者の筆致はよどみなく流れるようだ。
『走れメロス』:あまりにも有名な作品なので付言することなし。これも『駆け込み訴え』みたいに、一気呵成に書いたんだろうなあと思わずにはいられない。中学時代からの愛読作です。
『東京八景』『帰去来』『故郷』:この3作は、それこそ〈破滅と再生の三部作〉と呼びたいような印象深い作品。要するに、1939年正月に29歳で結婚 (6月で30歳) し一家を構え生活も安定した太宰治が、懶惰と飲酒とパビナール中毒と自殺未遂に彩られた過去の人生を一度きっちり清算するために書いた問題作というか佳品。人生最後の傑作『人間失格』の習作との見方もできるが、こちらの三部作のほうが詳細かつ歴史的事実の部分も多く、私的にはこれはこれで完成された三部作の自画像だと思っています。
2013年2月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
再度読みたいと思ってました。昔かって本は家にあるのですが、再度本を買う気はしませんでした。しかしこれなら、買えました。
2019年7月11日に日本でレビュー済み
2019年57冊目/7月4冊目/『走れメロス』(新潮文庫)/太宰 治/P.304/2005年/★3.3 #読了 #読了2019
本書は9つの短編からなる。『走れメロス』は約20ページなので一瞬で読める。セリヌンティウスが一つ返事でメロスを承諾するのは謎。『帰去来』『故郷』は、『津軽』を読んでいたので、話が繋がって彼の背景を深く知ることができる。温和でいい人なのに若くして自殺するのはなぜ。他にも、太宰治といえば男性一人称と思っていたが『女生徒』は、若い女性のピュアな日常を描いていて面白かった。全体的に、文章体が潜在的な二人称で書かれていて、いつの間にか読者に語りかけているような気なるのが彼の作品のすごいところだと思った。
本書は9つの短編からなる。『走れメロス』は約20ページなので一瞬で読める。セリヌンティウスが一つ返事でメロスを承諾するのは謎。『帰去来』『故郷』は、『津軽』を読んでいたので、話が繋がって彼の背景を深く知ることができる。温和でいい人なのに若くして自殺するのはなぜ。他にも、太宰治といえば男性一人称と思っていたが『女生徒』は、若い女性のピュアな日常を描いていて面白かった。全体的に、文章体が潜在的な二人称で書かれていて、いつの間にか読者に語りかけているような気なるのが彼の作品のすごいところだと思った。
2021年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子どもに読ませたくて購入
2020年7月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レポート提出で読みました。人間の内面をレポートに書くとなかなか難しい内容でしたね。
2019年12月16日に日本でレビュー済み
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今から10年ほど前の遣都くんが表紙、裏表紙になっています。巻頭グラビアはQRコードを管理する会社のサポートが終了したと言うことで、現在は見ることが出来ません。
ですが、ファンとしては表紙を飾っているだけでも嬉しいです。
若くてまだあどけなさが残る遣都くんが見れますよ♡オススメします。
ですが、ファンとしては表紙を飾っているだけでも嬉しいです。
若くてまだあどけなさが残る遣都くんが見れますよ♡オススメします。
2021年4月28日に日本でレビュー済み
戦時中に書けた小説と言えば、こんな程度の作品しかありません。
軍部の検閲が厳しく自由や権利、まして反抗をテーマにするのはご法度です。
それにしても、長らく中学校の教科書に載っている意義は何なのでしょうか。
道徳的な観点から学校という集団生活の中での個人の果たすべき美徳なのでしょう。
メロスやセリヌンティウスではなく、王様ディオニスに主眼を置くと
本作品を新たな見地で理解出来ます。
王様自身が何度も暗殺されそうになり、疑心暗鬼を生じ、人を信じることが出来ない。
当然の事です。メロスが幸運だったのは即座に処刑されなかったことです。
メロスの命を弄ぶ王様ディオニスは王座にいる神がかり的な人物なのです。
所詮、メロスが何をやっても、王様の手のひらの中にあるのです。
メロスの帰路で盗賊が待ち伏せている。もちろん王様ディオニスの差し金です。
最後の場面でメロスとセリヌンティウスが互いに抱擁する姿を見て、
私をも仲間に入れてくれと言いますが、解釈が違います。
「私をも仲間に入れて、やがて私の仲間になりなさい。」ということです。
権力者に歯向かう者はすべて抹殺される運命なのです。
王様ディオニスは民衆の前では、あのような寛大な態度をとりましたが、
腹の底はまったく違います。やはり王たる賢者であり悪徳者なのです。
これからメロスとセリヌンティウスをどう利用していくか。
二人の運命はすべて王様ディオニスの手の中にあります。
いつの世も権力者が弱者を虐げ、惨然たる状況へ陥れるのです。
戦時における太宰治の唯一の反骨精神のある作品です。
軍部の検閲が厳しく自由や権利、まして反抗をテーマにするのはご法度です。
それにしても、長らく中学校の教科書に載っている意義は何なのでしょうか。
道徳的な観点から学校という集団生活の中での個人の果たすべき美徳なのでしょう。
メロスやセリヌンティウスではなく、王様ディオニスに主眼を置くと
本作品を新たな見地で理解出来ます。
王様自身が何度も暗殺されそうになり、疑心暗鬼を生じ、人を信じることが出来ない。
当然の事です。メロスが幸運だったのは即座に処刑されなかったことです。
メロスの命を弄ぶ王様ディオニスは王座にいる神がかり的な人物なのです。
所詮、メロスが何をやっても、王様の手のひらの中にあるのです。
メロスの帰路で盗賊が待ち伏せている。もちろん王様ディオニスの差し金です。
最後の場面でメロスとセリヌンティウスが互いに抱擁する姿を見て、
私をも仲間に入れてくれと言いますが、解釈が違います。
「私をも仲間に入れて、やがて私の仲間になりなさい。」ということです。
権力者に歯向かう者はすべて抹殺される運命なのです。
王様ディオニスは民衆の前では、あのような寛大な態度をとりましたが、
腹の底はまったく違います。やはり王たる賢者であり悪徳者なのです。
これからメロスとセリヌンティウスをどう利用していくか。
二人の運命はすべて王様ディオニスの手の中にあります。
いつの世も権力者が弱者を虐げ、惨然たる状況へ陥れるのです。
戦時における太宰治の唯一の反骨精神のある作品です。