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女生徒 (角川文庫) 文庫 – 2009/5/23
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「幸福は一夜おくれて来る。幸福は――」多感な女子生徒の一日を描いた「女生徒」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、女性の告白体小説の手法で書かれた14篇を収録。
- ISBN-104041099153
- ISBN-13978-4041099155
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2009/5/23
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1.2 x 15 cm
- 本の長さ288ページ
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2009/5/23)
- 発売日 : 2009/5/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4041099153
- ISBN-13 : 978-4041099155
- 寸法 : 10.5 x 1.2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 9,250位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。
在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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わたしにはわたしの…
孫
他の作品は、まとめてレビュー。「女生徒」に限らず、女性の内面描写は、うまいなあ……、と思う。ただ、どの作品のヒロインにも、何か共通しているものがあるような気がしているのだが、それが時代のせいなのか、太宰の内面から来るものなのかが、私にはちょっとわからない。
もちろん、清らかで完全に無報酬の、奉仕の喜びを弁えた女性でありたいと思うのは、古い時代に多かったであろう女性の考えを取れていると思う。しかし、この主人公の最も取り上げたい、特徴的な部分はそれらの女性的な要素を多く持っていることより、そこに含まれがちな傷つきやすく、自分を傷つけやすいことである。
これは女性であるからというより思春期に起因する心理である。私は、主人公を馬鹿にしながら読んだが、それはこの主人公が傷つくだけ傷ついて、今後傷つかないようにする努力をしないからである。
だが、それは傷つく時にこの主人公は最大限落ち込んでしまい、それを一部で落ち込むから落ち込むんだと思う余裕がないほどに沈んでしまうからである。順当に行けば、この主人公も自分を批判することを何百時間と繰り返したところでその感情に慣れて、他のことを考える余裕も持てるようになって、落ち込まないように、自分に理想を押し付けないようにするか、理想に適うように努力するかしようと考え、行動し、傷つきやすい思春期を卒業できるだろう。
タイトルの"危険"というのは、これを女性に共通する心理だと思って読むと、主人公が斬新で、抜きん出ている芸術の目を持っていたり、ただ文章にすると、こんな馬鹿も美しく見えるため、女の繊細さまたは、子供の純粋さなど女性らしさに憧れる女性(一部男性も、芸術的な美しさ、思春期を良いものと考える場合、思春期らしさに憧れる可能性あり)などは特に、自らの女生徒である部分を率先的に肯定してしまう可能性がある点である。
自己嫌悪に浸る事が幸せで、それに使った時間を後で後悔しないのならそれも良いだろう。だが、傷ついてしまう事は大半の人にとって本来望まないことであるはずだ。思春期(傷つきやすいという意味で)の人が読むならこの少女の真似をしようと考えるべきではない。この少女は間違っている、この少女に憧れを持ってはその辛い思春期が続いてしまう、傷ついてしまうのは自ら傷つきにいってるからだと意識するべきである。思春期を脱した大人が過去の感情を思い出し、ノスタルジーに浸るのにはとても良い本だろう。さらに、思春期の子どもをもつ親にとっては、子どもの感情を理解できる(子どもがみんなここまで面倒とは限らないが傷つきやすいという感覚は理解できる)一つの方法になりうるかもしれない。
自分が繙いた頃に思いを馳せながら、思春期の子供と文学の関係も現代的な変容を余儀なくされていることを感じます。
このような可愛らしい表紙に惹かれて太宰を手に取る子供が増えたらいいなぁ。
生徒は喜んでくれました。
本当に全部、好きです。
共感できるものが多く癒されます。
小説の中で、今現在、私が最も好きな作品です。こんなにも、読んでいて、心が苦しくなる小説はありませんでした。この短編だけでも、多くの方に読んでもらいたいです。
また、多くの作品の中から、女性の告白体で書かれた短編集としてまとめたこと、素晴らしいと思います。
しかし、一点。
このカバー写真だけは、私は受け入れられません。
私のイメージでは、この短編集の中の、どの女性も、このカバー写真にあるような、ふわふわした雰囲気ではないんです。
自分の嫌なところ、汚いところから目を離したい。でも、その弱みを見つめて、必死に、もがいて、生きているような、そんなイメージで私は読みました。それこそ、このカバー写真の真反対な人物像です。ですので、この写真は、作品のイメージを、かなり損ねているのではと思います。また、カバーに惹かれて、「太宰作品は暗いの多いけど、なんとなく、この作品は明るそうだから、読んでみるか」と読み進めた新規の方を、騙してしまっているのでは、とも思います。
写真自体は素晴らしいと思うのです。女の子二人、とてもかわいいですよね。魅力的に写っています。
でも、この短編集に、この写真は・・・・・・と、思わずにはいられないので、★は一つ減らして評価しました。