チュニジアの1人の青年の絶望がきっかけではじまったというアラブの春の冒頭から引き込まれるようなおもしろい内容でした。アラブ諸国それぞれの事情、それに関わる外国勢力の利己的な思惑が入り翻弄される状況がわかりました。
イスラム教にアラウィ派という派があることを知りませんでした。アルジャジーラという衛星放送が果たす役割、この放送局のスタンスなども勉強になりました。
日本の政治家が未だに太平洋戦争の侵略を肯定するような発言をしている、というちょっと?と思うような表現もありましたが、いろんな視点から考えたほうがいいので、そういう意味でも読んでおくといい内容でした。
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「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命 (角川oneテーマ21) 新書 – 2012/10/10
重信 メイ
(著)
中東に訪れた「民主化」の波。独裁政権崩壊という同じような状況に見えて、その内実は大きく異なる。なぜNATO軍はリビアにのみ軍事介入したのか?天然資源取引における基軸通貨戦争とは。欧米の、資本の原理が潜む。
- 本の長さ232ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2012/10/10
- 寸法11 x 1.2 x 17.6 cm
- ISBN-104041103290
- ISBN-13978-4041103296
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出版社より
商品の説明
著者について
中東問題専門家・中東メディア博士。1973年、レバノン生まれ。97年、ベイルートのアメリカン大学を卒業後、同国際政治学科大学院へ。来日後はアラブ関連のジャーナリストとして活躍。著書に『秘密―パレスチナから桜の国へ 母と私の28年』(講談社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/10/10)
- 発売日 : 2012/10/10
- 言語 : 日本語
- 新書 : 232ページ
- ISBN-10 : 4041103290
- ISBN-13 : 978-4041103296
- 寸法 : 11 x 1.2 x 17.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 115,442位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 296位角川新書
- - 857位その他の歴史関連書籍
- - 1,796位政治 (本)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年5月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人として人間らしい生活をしたい、その思いは誰にでもあると思います。著者が言うように、アラブ諸国の話は宗教対立が起因となっていて、日本人には理解が難しいと、思い込んでいるところがありますが、実際は日々の生活を守りたい、という人間の問題という指摘にはっとしました。
地理的にも遠方にあることから、一般的に日本人はアラブ諸国問題に無関心と感じていますが、今や世界と関わらずには生活成り立たない日本に置いて、アラブの問題、欧米との関係を理解し、広い視野を持つことは非常に重要なことだと改めて認識しました。分かりやすい解説でアラブのことを知る本として良書と思います。
地理的にも遠方にあることから、一般的に日本人はアラブ諸国問題に無関心と感じていますが、今や世界と関わらずには生活成り立たない日本に置いて、アラブの問題、欧米との関係を理解し、広い視野を持つことは非常に重要なことだと改めて認識しました。分かりやすい解説でアラブのことを知る本として良書と思います。
2022年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現地の感情が伝わるいい作品です
2018年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本には、アラブについての怪しげなニュースしか入ってきませんが、重信さんは、生い立ちからして、皮膚感覚でアラブの実態を知り、また、多くの勉強を重ねていらっしゃるので、いわば、歴史の証人としての存在価値があると思い、世界歴史を考える上での必需品として買いました。今後も、どんどん発信をしてほしいです。
2023年12月12日に日本でレビュー済み
リベラルリベラルと連呼していて、まるでリベラルが正しいことみたいに言ってるのが、多くの理解を得られないところだと思う。
いろいろとわかってほしい伝えたいことがあるようだが、わかってくれるのは左派リベラルだけ、という図式から脱しないと結局は裕福な人たちの知的教養本になってしまう。
面白かったというか役に立ったのは第5章と第6章
民主化革命という美名のもと、実はその国の人々の為ではなく、外国勢力(恐らくUS)による干渉支配が行われている
糸を引いてるのはUSであり、USこそが世界中を思いのままにしようとしているのである
それは別に中東に限らず中南米やアジアでも昔からそう
今著者が学ばなければならないのは、左派リベラルとはUS以上の害悪であるということだ。そういう人たちこそが外国に利用され内戦までもっていかされるのだ。素直で愚かな学生や市民など特に。
読み始めてp81に、日本のアジアの支配とか、現在もアジアの国々から見たときに日本は差別的排他的なナショナリズムを持ち続けている、等と書いてるが、ここでげんなりする。
メディア戦争とかUSやCIAの干渉、工作、世論誘導に自ら言及しておきながら、なぜこれがCIAの工作だとわからないのであろうか
著者自身もこうしてUSに洗脳されてるのである。
p195~196にシリアはイランと国境を接するとか隣国とか書いてあるが、念のため地図を見直したが、国境は接してないように思えるがどうであろう?
最後、脱原発というとこに反感を覚えた。脱原発を唱えてるのはごく少数(左翼リベラル)だと知るべき。
いろいろとわかってほしい伝えたいことがあるようだが、わかってくれるのは左派リベラルだけ、という図式から脱しないと結局は裕福な人たちの知的教養本になってしまう。
面白かったというか役に立ったのは第5章と第6章
民主化革命という美名のもと、実はその国の人々の為ではなく、外国勢力(恐らくUS)による干渉支配が行われている
糸を引いてるのはUSであり、USこそが世界中を思いのままにしようとしているのである
それは別に中東に限らず中南米やアジアでも昔からそう
今著者が学ばなければならないのは、左派リベラルとはUS以上の害悪であるということだ。そういう人たちこそが外国に利用され内戦までもっていかされるのだ。素直で愚かな学生や市民など特に。
読み始めてp81に、日本のアジアの支配とか、現在もアジアの国々から見たときに日本は差別的排他的なナショナリズムを持ち続けている、等と書いてるが、ここでげんなりする。
メディア戦争とかUSやCIAの干渉、工作、世論誘導に自ら言及しておきながら、なぜこれがCIAの工作だとわからないのであろうか
著者自身もこうしてUSに洗脳されてるのである。
p195~196にシリアはイランと国境を接するとか隣国とか書いてあるが、念のため地図を見直したが、国境は接してないように思えるがどうであろう?
最後、脱原発というとこに反感を覚えた。脱原発を唱えてるのはごく少数(左翼リベラル)だと知るべき。
2013年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の本はこれで三冊目を読みました。
やっと本領発揮。
「アラブの春」を軸にチェニジア、エジプト、リビア、イエメン、モロッコ
イラク、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール
オマーン、イラン、シリア、トルコと現地の人々の目線で語ってくれます。
平易な日本語で中東を語る人は他に見あたりません。
カタールのハマド首長が私財136,000,000ドルを投じてアルジャジーラを
設立したとのことですが、年間20,000,000ドルの予算を与えていると
記述した数頁後に、年間30,000,000ドルの補助金を出しているという
どう理解して良いものか、誤解を招きかねない乱暴な記述があります。
これを差し引いても、ブックレットを読むように簡素にまとめられた
中東入門書です。
しかしふと我に返ると日本も大差はないかなと考えてしまう本でした。
著者にはもっともっと本を出してほしいと思います。
やっと本領発揮。
「アラブの春」を軸にチェニジア、エジプト、リビア、イエメン、モロッコ
イラク、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール
オマーン、イラン、シリア、トルコと現地の人々の目線で語ってくれます。
平易な日本語で中東を語る人は他に見あたりません。
カタールのハマド首長が私財136,000,000ドルを投じてアルジャジーラを
設立したとのことですが、年間20,000,000ドルの予算を与えていると
記述した数頁後に、年間30,000,000ドルの補助金を出しているという
どう理解して良いものか、誤解を招きかねない乱暴な記述があります。
これを差し引いても、ブックレットを読むように簡素にまとめられた
中東入門書です。
しかしふと我に返ると日本も大差はないかなと考えてしまう本でした。
著者にはもっともっと本を出してほしいと思います。
2012年10月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年から始まった「アラブの春」についての、重信メイという独自の個性だからこそ書き得た総括とも言える本である。この本はアラブ世界の日本人が持っているイメージを衝撃的に変える本である。その中には私たち日本人の認識が微妙にずれてしまっているものも含まれる。たとえば、アルカィーダやイスラム同胞団という組織など。
彼女の伝える「アラブの春」は我々日本人が西側の報道機関を通じて知るものとはかなり違っている。どうやら西側の報道機関はプロパガンダ機関に成り下がってしまっていたようだ。アルジャジーラもまた今回の「アラブの春」の報道では今まで築き上げたブランドをすっかり台無しにしてしまったと重信メイはいう。
チュニジアで始まった「アラブの春」はアラブにとってどういう意味を持ったのか、彼女はアラブの国一つ一つについて語っていく。チュニジアやエジプトとリビアでは「アラブの春』と言っても意味は全く違うのだという。アラブの世界は本当に複雑だということがこの本からは伝わって来る。
エジプトの「アラブの春」は民衆革命であったが、いざ革命は成し遂げてみると出来た政権は民衆が求めていた政権からは遠く不満だけが残った。しかしそれでも今回の革命はエジプトにとって前進には違いない。しかしリビアはどうか。こちらは本当に民衆が求めた「アラブの春」だったのか。リビアにも「アラブの春」がなかったわけではない。カダフィーのリビアに問題がなかったわけではないからだ。しかしリビア政府の崩壊やカダフィーの暗殺は実際には「アラブの春」が利用され横取りされた内戦だったという。
シリアでは今も内戦が続いている。シリアに関する報道は反政府側に一方的に肩入れして報道機関自体がシリア政府の転覆を狙っているかのごとくである。そのこと自体最近徐々に知られるようになっては来たが、今も基本的にはその報道姿勢は変わっていない。レバノン生れの著者はそれが故の独自のネットワークで実際に起きている事実の真実を明かしている。彼女は友人、知人だけでなく政治犯として刑務所に入っている人間にまでインタビューする。貴重な第一級の情報だ。
私はぜひ一人でも多くこの本を読んでもらいたいと思っている。というのはアラブ世界の出来ごとは日本にとって無関係ではないからだ。それどころか世界の外交は中東をめぐって動いている言っても過言ではない。間違った情報を取り込んでしまうことは国家の命取りだ。そして情報は政府だけが知っていれば良いという話ではない。国民レベルで出来るだけ多くの人が正確な情報を得ることが重要なのである。
プロパガンダを信じてしまうこと、それはメディア戦争を一方的に仕掛けられ操られてしまうことを意味する。「アラブの春」にはメディア戦争の一面があった。
関連文献
シリア アサド政権の40年史 (平凡社新書)
中東のゲットーから (That’s Japan)
彼女の伝える「アラブの春」は我々日本人が西側の報道機関を通じて知るものとはかなり違っている。どうやら西側の報道機関はプロパガンダ機関に成り下がってしまっていたようだ。アルジャジーラもまた今回の「アラブの春」の報道では今まで築き上げたブランドをすっかり台無しにしてしまったと重信メイはいう。
チュニジアで始まった「アラブの春」はアラブにとってどういう意味を持ったのか、彼女はアラブの国一つ一つについて語っていく。チュニジアやエジプトとリビアでは「アラブの春』と言っても意味は全く違うのだという。アラブの世界は本当に複雑だということがこの本からは伝わって来る。
エジプトの「アラブの春」は民衆革命であったが、いざ革命は成し遂げてみると出来た政権は民衆が求めていた政権からは遠く不満だけが残った。しかしそれでも今回の革命はエジプトにとって前進には違いない。しかしリビアはどうか。こちらは本当に民衆が求めた「アラブの春」だったのか。リビアにも「アラブの春」がなかったわけではない。カダフィーのリビアに問題がなかったわけではないからだ。しかしリビア政府の崩壊やカダフィーの暗殺は実際には「アラブの春」が利用され横取りされた内戦だったという。
シリアでは今も内戦が続いている。シリアに関する報道は反政府側に一方的に肩入れして報道機関自体がシリア政府の転覆を狙っているかのごとくである。そのこと自体最近徐々に知られるようになっては来たが、今も基本的にはその報道姿勢は変わっていない。レバノン生れの著者はそれが故の独自のネットワークで実際に起きている事実の真実を明かしている。彼女は友人、知人だけでなく政治犯として刑務所に入っている人間にまでインタビューする。貴重な第一級の情報だ。
私はぜひ一人でも多くこの本を読んでもらいたいと思っている。というのはアラブ世界の出来ごとは日本にとって無関係ではないからだ。それどころか世界の外交は中東をめぐって動いている言っても過言ではない。間違った情報を取り込んでしまうことは国家の命取りだ。そして情報は政府だけが知っていれば良いという話ではない。国民レベルで出来るだけ多くの人が正確な情報を得ることが重要なのである。
プロパガンダを信じてしまうこと、それはメディア戦争を一方的に仕掛けられ操られてしまうことを意味する。「アラブの春」にはメディア戦争の一面があった。
関連文献
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