ワーカーズダイジェストや
ウエストウィングなど、
前作までは、雨、帰れない、などの
モチーフがよく描かれていましたが、
今作を読み終えるにつれて、
その雨音や止み、通りには人通りが見え、
重たい雲間から日差しがさしてくることを
実感するでしょう。
2話収録されており、
どちらも、読み始め3−4pは
そのリズムに慣れるまでに苦労するかもしれません。
次作ポースケが好きで、
前作までの暗いイメージが嫌いな人には、
その心象の変化を体験できる1冊です。
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これからお祈りにいきます 単行本 – 2013/6/28
津村 記久子
(著)
人型のはりぼてに神様にとられたくない物をめいめいが工作して入れるという奇祭の風習がある町に生まれ育ったシゲル。祭嫌いの彼が、誰かのために祈る――。不器用な私たちのまっすぐな祈りの物語。
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2013/6/28
- ISBN-104041104696
- ISBN-13978-4041104699
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2013/6/28)
- 発売日 : 2013/6/28
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 221ページ
- ISBN-10 : 4041104696
- ISBN-13 : 978-4041104699
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,222,952位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語のラスト、シゲルに訪れた脱力気味のキセキに泣き笑いの混濁した感動が湧きました。
「祈り」に対するスタンスが心地良い物語です。
「祈り」に対するスタンスが心地良い物語です。
2017年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「祈り」をテーマとした2編(タイトルは表題とは異なる)が収録されています。
1つ目は家族や大切な人のために毎年の儀式で祈る町の人々、そして願いを叶えてくれるが代償を取る神様。
よく考えたら怖い話ではありますが、代償を受け入れつつも日々を前向きに生きる登場人物たちが皆魅力的でした。
2つ目はもう少し軽いお話で、地震を過度に心配する主人公と、遠い異国のメール友達の女の子との交流が描かれます。
どちらも自分にとっての幸せや、祈りとは何かと考えさせられますが、爽やかな終わり方で読後感がとても良かったです。
1つ目は家族や大切な人のために毎年の儀式で祈る町の人々、そして願いを叶えてくれるが代償を取る神様。
よく考えたら怖い話ではありますが、代償を受け入れつつも日々を前向きに生きる登場人物たちが皆魅力的でした。
2つ目はもう少し軽いお話で、地震を過度に心配する主人公と、遠い異国のメール友達の女の子との交流が描かれます。
どちらも自分にとっての幸せや、祈りとは何かと考えさせられますが、爽やかな終わり方で読後感がとても良かったです。
2013年10月6日に日本でレビュー済み
不器用でちょっと非力な神様「サイガサマ」に守られた小さな町のお話。「こぶとりじいさん」がモチーフになっている。超常現象が日常の中に溶け込み、町の人たちはサイガサマの祭りを中心に、ゆるやかに支え合っている。
シゲルのイライラは、壊れかかった家庭を主原因に煮詰まっていく。不倫をして家にいつかない父、不登校の弟、現実から目を背けて見当はずれな言動に終始する母。幼なじみのセキヅカも家族のことで困っているし、バイト先の小山係長は厭味である。
だけど、天を呪っても幸せにはならないのだ。サイガサマの奇祭の巫女役を、シゲルはやがて継承する予兆がきざしている。ウィッカーマンとは、人身御供に使われる人型の供物入れのこと。
併録の「バイアブランカの地層と少女」は、もっと現実的だがもっと奇妙。昔の憧れの少女と食事デートの約束をしたとき、えっ?なんでそんな選択肢が出てくるの?
それに、それは偶然だから。君のお祈りのせいじゃないから。
…でも、私たちが大きな厄災や運命に対してできることは、祈ることだけなのかもしれない。
シゲルのイライラは、壊れかかった家庭を主原因に煮詰まっていく。不倫をして家にいつかない父、不登校の弟、現実から目を背けて見当はずれな言動に終始する母。幼なじみのセキヅカも家族のことで困っているし、バイト先の小山係長は厭味である。
だけど、天を呪っても幸せにはならないのだ。サイガサマの奇祭の巫女役を、シゲルはやがて継承する予兆がきざしている。ウィッカーマンとは、人身御供に使われる人型の供物入れのこと。
併録の「バイアブランカの地層と少女」は、もっと現実的だがもっと奇妙。昔の憧れの少女と食事デートの約束をしたとき、えっ?なんでそんな選択肢が出てくるの?
それに、それは偶然だから。君のお祈りのせいじゃないから。
…でも、私たちが大きな厄災や運命に対してできることは、祈ることだけなのかもしれない。
2017年5月16日に日本でレビュー済み
「サイガサマのウィッカーマン」という中編と「バイアブランカの地層と少女」という短編の2つの作品を収めたもの。私は主にOLの応援歌である作者の"お仕事小説"を愛好して来たが、本作は作者のもう1つの路線である青春小説の一環であり、両編の題名の"意味不明さ"が示唆する通り、作者の自由闊達な想像力を堪能出来る秀作である。
内容を説明すると面白さが半減するので、主に題名の意味だけ述べると、「サイガサマ」とは高校生の主人公が住む街に特有の神様の一種であり、「ウィッカーマン」とは人身御供の事である。この風変わりな街で、家の事情で金欠の主人公がバイトに励む姿をユーモア豊かに描いて(あっ、やっぱり"お仕事小説"か)、常の如く共感を呼ぶ。作者らしく、音楽や"初恋"模様も織り込んでるが、「サイガサマ」が街外から「"はつ"神様」と呼ばれている所以を語れない点が残念である(読んでのお楽しみ)。主人公が「サイガサマ」に対して感じる、「解決する力も大してないのに、困っている人を見過ごせない何か」、という言辞が本作の主旋律なのだろう(作者の信条だとも思う)。ラストで提示される主人公の「ウィッカーマン」は本当に可笑しく、作者の物語構成の巧さを改めて感じた。
一方、「バイアブランカ」とはアルゼンチンの地名。活断層が走っている点が日本と共通しているらしい。京都で外国人用の観光ガイドのバイトをしている大学生の主人公の失恋とアルゼンチン女性とのネット上での新たな出会いを描いたものだが、最初、「祈って」いただけの主人公が、アルゼンチンに飛びそうになる辺りは「浮遊霊ブラジル」の原型に映った。
私は「浮遊霊ブラジル」で作者は新境地を開いたと思っているが、本作はその萌芽とも呼べる"翔んだ"作品で、作者のファンの方にとっては見逃せない秀作だと思う。
内容を説明すると面白さが半減するので、主に題名の意味だけ述べると、「サイガサマ」とは高校生の主人公が住む街に特有の神様の一種であり、「ウィッカーマン」とは人身御供の事である。この風変わりな街で、家の事情で金欠の主人公がバイトに励む姿をユーモア豊かに描いて(あっ、やっぱり"お仕事小説"か)、常の如く共感を呼ぶ。作者らしく、音楽や"初恋"模様も織り込んでるが、「サイガサマ」が街外から「"はつ"神様」と呼ばれている所以を語れない点が残念である(読んでのお楽しみ)。主人公が「サイガサマ」に対して感じる、「解決する力も大してないのに、困っている人を見過ごせない何か」、という言辞が本作の主旋律なのだろう(作者の信条だとも思う)。ラストで提示される主人公の「ウィッカーマン」は本当に可笑しく、作者の物語構成の巧さを改めて感じた。
一方、「バイアブランカ」とはアルゼンチンの地名。活断層が走っている点が日本と共通しているらしい。京都で外国人用の観光ガイドのバイトをしている大学生の主人公の失恋とアルゼンチン女性とのネット上での新たな出会いを描いたものだが、最初、「祈って」いただけの主人公が、アルゼンチンに飛びそうになる辺りは「浮遊霊ブラジル」の原型に映った。
私は「浮遊霊ブラジル」で作者は新境地を開いたと思っているが、本作はその萌芽とも呼べる"翔んだ"作品で、作者のファンの方にとっては見逃せない秀作だと思う。
2013年8月7日に日本でレビュー済み
最後まで話に入っていくことが出来ず、
消化不良といった感じで読み終えました。
消化不良といった感じで読み終えました。
2015年11月23日に日本でレビュー済み
架空の「できない子」な神様であるサイガサマを祭る小さな町の
いくつかの小さな奇跡の話です。
主人公が、サイガサマの絡む話に気づいていく過程が面白いです。
それはただの偶然かもしれないけれど、ほんとに、そうだとしたら、
自分の身体の一部を犠牲にしても、誰かを助けたいという気持ちを
誰かが、ひっそりともって、それをひけらかさずに、
その欠落とともに生きていく強さに静かに感動します。
私は、この話の登場人物では、ヤシロさんが一番好きですが、
隣の家の奥さんや高江垣先生も、セキヅカのお父さんもいいですね。
なお、もう一つの話「バイアブランカの地層と少女」の主人公については
いい人すぎるやろ、と思いました。
いくつかの小さな奇跡の話です。
主人公が、サイガサマの絡む話に気づいていく過程が面白いです。
それはただの偶然かもしれないけれど、ほんとに、そうだとしたら、
自分の身体の一部を犠牲にしても、誰かを助けたいという気持ちを
誰かが、ひっそりともって、それをひけらかさずに、
その欠落とともに生きていく強さに静かに感動します。
私は、この話の登場人物では、ヤシロさんが一番好きですが、
隣の家の奥さんや高江垣先生も、セキヅカのお父さんもいいですね。
なお、もう一つの話「バイアブランカの地層と少女」の主人公については
いい人すぎるやろ、と思いました。
2014年9月29日に日本でレビュー済み
不思議な話、結局は、なんだけど、ありそう。そして、あってほしいとおもうところもある。