私小説のベースとなった賢太の体験というか、生い立ちが書かれています。
中学時代から成人して、イカやタコの冷凍を抱っこする仕事、そして物書きになるまで。
半ば自叙伝的な内容です。
ここに書かれていることが八割本当なら、賢太氏は相当親不孝です。
中卒で家を出て一人暮らししてアルバイト生活を始める。
ここだけ読めば、未成年で独立して偉いと思っちゃいますが、実は親から金を出してもらうは、家賃は踏み倒すわ、仕事しないわ、金が必要になれば実家に戻って親にせびるは、しまいには暴力も振るいます。
全然偉くない。
で、この辺りの経験が、賢太氏の私小説のベースになっていると思われ、本書の内容が小説にもチラホラ現れます。
まぁ、脚色もあるのでしょうが、、、なかなかゲスだなあ。
読んでて自分の目にやたら目立ったのは、苦役列車の映画を随分気に入っていないんだなということ。
原作を改悪しなければ好きなようにアレンジしてよいとのことで、監督にお任せしていたそう。
だけど、試写会で出来たものを見て出来が自分にとって悪いことに落胆し、二度と見ないとまで言っている。
結句、あきたりないのだそうです。
原作と映画は異なるもので、作る人も違うから、作者にとっては意にそわない解釈をされるのはもう仕方ないのでしょう。
あと、ここでも藤澤清造愛は出てますね。
清造の著書に関しては同じものを何冊も高い金出して購入し、パラフィン紙を付けて、ガラスの棚にいれてるとのこと。
清造も天国で大喜びでしょう。
自分の著書も綺麗なものを選んで家蔵しているそうです。
それこそ何冊も勝手その中から印刷状態の良いものを選んでいるとか。
変質的過ぎるけど、このキャラが小説にも出てていいんだなこれが。
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随筆集 一私小説書きの独語 (単行本) 単行本 – 2014/7/1
西村 賢太
(著)
新無頼派の第三エッセイ集
韓国の書店で受けた衝撃。地震から一年後の決意。敗北感を抱いた、同年の漫画家。私小説や藤澤清造への思い。溝正史原作の映画について。そして、自らの半生。静謐のなか、日々を綴った第三エッセイ集。
韓国の書店で受けた衝撃。地震から一年後の決意。敗北感を抱いた、同年の漫画家。私小説や藤澤清造への思い。溝正史原作の映画について。そして、自らの半生。静謐のなか、日々を綴った第三エッセイ集。
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川書店
- 発売日2014/7/1
- ISBN-104041106826
- ISBN-13978-4041106822
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川書店 (2014/7/1)
- 発売日 : 2014/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 236ページ
- ISBN-10 : 4041106826
- ISBN-13 : 978-4041106822
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,055,459位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 282,605位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2014年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
随筆集 一私小説書きの独語は
いろいろな内容があり大変おもしろかっです
いろいろな内容があり大変おもしろかっです
2016年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
随筆集。と言っても西村氏本人言うが如く『完全なごった煮』。個人的には氏の日記もののほうが氏の独特の文体を『ひねくって』読むのが心地よく、好き。本作では冒頭の実話、即ち貫多ではない賢太の生い立ち話が一番面白い。
2014年7月24日に日本でレビュー済み
恒例の随筆集。前半は未完の自らの半生を綴った随筆。他に日記や著書のあとがきや他の本の解説、アンケート回答、映画解説と批評など。著者の散文を収録している。知名度が出たためか政治のアンケートにマジメに返答している。今後はあぶなかっしいアウトローのポーズは封印なのか、ファンとしては残念な一冊。