作者の書く女の子は、小学生から奥さんまで幅が広い。
日本のロリの源流の一つを作った作者のことだから重心はもちろん若い方にある。
従って当然のことながらここでのモチーフは「女子校生」だ。
本作は2008年6月からの一年間の日記だ。このころから作者はデッサン教室に通いだした。
画歴はすでに50年の大ベテランがなんでまたと思う。
そのためか本作の女子校生達の肢体は以前の作品のそれとは違う。
かつては手塚治虫を思わせる思い切りの良いシンプルな線でしていた。
ここでは関節から関節までを慎重に選んだ線で構成されている。
少々、作者らしさが失われて残念な気がする。
かつて、手塚治虫が画力が低下したことを嘆いたことがある。
昔なら一筆でアトムの輪郭が描けたのに、今は頬、顎、首と意識しないと描けなくなったからだ。
そのことを連想させる。アル中の影響か、失踪時のブランクが響いているのか、でもそんな時期は過ぎたはず。
ただ、よくよく見ると丸顔、太目、足首なしの三原則は健在なのでほっとする。
つまり、作者はデッサンは学ぶがそれで作画の根本を変えてはいない。
画力が衰えたのではなく単なる試行錯誤なのだろう。
30年ほど前はふたりと五人や不条理日記を枕元に置いていた。
先だってまでは失踪日記と本作を置いていた。
先日、失踪日記2が上梓されたが、枕元に置いているのはやはり本作だ。
アル中からの再起は険しい道のりだ。
かつて作者は、可愛い女の子を描くために漫画を描いていると喝破した。
漫画を好きに書かせてもらえない時代の不満が吐かせた言葉だろう。
しかし可愛い女の子を描く、その舞台としての漫画は作者を現世に繋ぎ止めた。
本作からは作者の生きることへの意志がにじみでているように感じる。
自殺を考えている人にも読んでもらいたい。
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ぶらぶらひでお絵日記 (単行本コミックス) コミック – 2012/2/25
吾妻 ひでお
(著)
朝起きて、仕事らしきものをして、午後からは街をうろつきJK(女子高生)ウォッチング。2008年6月~2009年8月の日常を淡々と綴った世界一女子高生が登場する絵日記。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2012/2/25
- 寸法13 x 2.1 x 18.3 cm
- ISBN-104041201152
- ISBN-13978-4041201152
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商品の説明
著者について
1950年生まれ。漫画家。主な作品に『失踪日記』『うつうつひでお日記』『地を這う魚』ほか。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012/2/25)
- 発売日 : 2012/2/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 240ページ
- ISBN-10 : 4041201152
- ISBN-13 : 978-4041201152
- 寸法 : 13 x 2.1 x 18.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 78,853位ノンフィクション (本)
- - 268,536位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本、コミックと明記されていますが、間違いです。表紙にも書いてあるではないですか、「絵日記」と。これは吾妻ひでお先生と先生の描く女の子が大好きという人の為の本です。それ以外の人は不可。とにかく可愛い少女(女子高生)を描くのに非凡な才能を持つ先生の平凡な日々を綴った絵日記です。
2013年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吾妻さんのファンでもなんでもないんですが、なんか買っちゃいました。日記で取り上げられている本とかにもぜんぜん興味がないし、女子高生にも関心ないんですが、……なんかこれ、おもしろいです。もう何度も読み返してますよ。
日常のひとコマを、いろいろマンガにしてくれていて、たいしたネタじゃないんだけど、そういうのがギッシリ詰まっているのが、飽きなくてヨイです。
あと、女子高生のイラストがたくさん入っていて、最初は興味なかったんですが、何度か見返しているうちに、おもしろくなってきました。
『失踪日記』は数年前に買って、すごくおもしろくて読み返していたんですが、この「絵日記」も、おなじように何度も読み返しています。比類のない密度の濃さが、飽きない理由かな?
ほかのひとがどう思うか分からないので勧めにくいんですが、吾妻さんという芸術家が身を削って、芸を見せてくれている感じが好きです。
絵のタッチも、この本のがいちばん好きです。マンガのなかの吾妻さんも愛嬌があって楽しいし、マンガのなかのアシスタントAさんもいい感じ。
日常のひとコマを、いろいろマンガにしてくれていて、たいしたネタじゃないんだけど、そういうのがギッシリ詰まっているのが、飽きなくてヨイです。
あと、女子高生のイラストがたくさん入っていて、最初は興味なかったんですが、何度か見返しているうちに、おもしろくなってきました。
『失踪日記』は数年前に買って、すごくおもしろくて読み返していたんですが、この「絵日記」も、おなじように何度も読み返しています。比類のない密度の濃さが、飽きない理由かな?
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絵のタッチも、この本のがいちばん好きです。マンガのなかの吾妻さんも愛嬌があって楽しいし、マンガのなかのアシスタントAさんもいい感じ。
2016年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容が良い悪い以前に、読めない。
小さい字、コチョコチョと書かれた小さいイラスト。
売り物にしたかったら、この1.5倍くらいに拡大する必要があるのではないか?
小さい字、コチョコチョと書かれた小さいイラスト。
売り物にしたかったら、この1.5倍くらいに拡大する必要があるのではないか?
2012年7月3日に日本でレビュー済み
私は吾妻先生のファンです。
うつ病患者としての吾妻先生のファンです。なので先生の毎日の生活が気になります。だからこの本は楽しめました。
また、先生の書く、説明のないシュールなひとコマ漫画のファンでもあります。先生の書く、足が太く挑発的なポーズをとる女子高生も好きです。
しかし、だからこの本を読めたというところがあります。
この本は漫画ではありません。基本的には著者のホームページ掲載の日記の再録です。
構成は、短編日記(エッセイ)+女の子のイラスト+脈絡のない小漫画というものです。イラストについては、八割方女子高生のスケッチです。
なので「失踪日記」「うつうつひでお日記」と同じものを期待して買わない方がいいと思います。
つまり、先生の書く漫画そのものもさることながら、漫画家・吾妻ひでおにも興味がないと、合わないかもしれません。
できれば、この本と同じ構成の「うつうつひでお日記・その後」を読んでみて(立ち読みでもいいから)、肌にあうなと思ったら、こちらに手を出すといいかと思います。
ちなみに僕の中では、「うつうつひでお日記・その後」よりもこの本の方が読み応えがあると思います。
ご参考になれば。
(個人的には星五つなのですが)
うつ病患者としての吾妻先生のファンです。なので先生の毎日の生活が気になります。だからこの本は楽しめました。
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この本は漫画ではありません。基本的には著者のホームページ掲載の日記の再録です。
構成は、短編日記(エッセイ)+女の子のイラスト+脈絡のない小漫画というものです。イラストについては、八割方女子高生のスケッチです。
なので「失踪日記」「うつうつひでお日記」と同じものを期待して買わない方がいいと思います。
つまり、先生の書く漫画そのものもさることながら、漫画家・吾妻ひでおにも興味がないと、合わないかもしれません。
できれば、この本と同じ構成の「うつうつひでお日記・その後」を読んでみて(立ち読みでもいいから)、肌にあうなと思ったら、こちらに手を出すといいかと思います。
ちなみに僕の中では、「うつうつひでお日記・その後」よりもこの本の方が読み応えがあると思います。
ご参考になれば。
(個人的には星五つなのですが)
2015年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吾妻さんが何を食べるのか見るのと、内容とはほとんど関係ない女の子のイラストが可愛いので好きです。
何か殺伐としている事でも、オブラードで包んだ表現に落とし込めるのが、この作者のすごいところですね。
何か殺伐としている事でも、オブラードで包んだ表現に落とし込めるのが、この作者のすごいところですね。
2015年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近年、吾妻先生はカルチャー教室にデッサンの勉強に通われたそうですが、デッサンにおけるムーブマンを意識した斜線のタッチの多用が…うるさく感じられる部分が多々あり、(特に女の子のスカートやソックス、靴などの部分) 吾妻先生の持ち味である柔らかい、丸っこい絵の印象を損ねてしまっている……と、私には感じられる。所々、アミ状になった部分は汚ないとさえ感じる。動勢感と、柔らかさを引き換えにしてしまった様な…。キャリア的には、大家に属する先生なのに、まるでデッサンを習い始めた10代の若者みたいな事をするなあ…と思いました。(生意気言ってスイマセン。でも正直に思った通り書きました。)
2012年5月2日に日本でレビュー済み
失踪日記、うつうつひでお日記で著者のファンになった者です。本書はぶらぶらひでお『絵』日記ということで、うつうつ〜を期待すると肩透かしを食らいます。うつうつ〜ほどの丁寧さと緻密さはなく、一日の描写もかなり淡白です。そして内容も平凡そのもの。朝起きてちょっと仕事して、散歩して、コンビニ・図書館巡り、ドトールでアイスココア、読書、テレビ……ほとんどこの繰り返しで、クリスマスや元旦なども特別なことはなく、日々が過ぎていきます。
格闘技・お笑い・小説・女子高生。この四つが好きな人は買ってもいいかも。
最低限の生活でも好きなことをして生きる。そういう生き方もアリだな、と改めて感じさせられるかもしれません。
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