謎解きや猟奇に傾いてしまうのが探偵小説というものですが、本作は文学的な味わいの深いものです。
事件が起こる前の旅行記の部分の描写も優れていて、ロマンがあります。
青年の恋愛に主軸を置いている作品です。これは他の作品ではなかなか味わえません。
殺人美少年・真珠郎が通俗物のように暗躍するバージョンがあれば、それはそれで読んでみたいかもしれません。
本作は本格推理の部分がしっかりしているのですが、戦前の作ゆえかまだ甘いところは否ません。
金田一が登場していませんが、主人公の名前は耕助です。
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真珠郎 (角川文庫 緑 304-16) 文庫 – 1974/10/1
横溝 正史
(著)
◆カバー表紙、裏表紙に薄いしみがあります ◆小口にしみ、経年による紙やけがあります ◆本文は経年による紙ヤケがあります。 しかし、折れ、書き込み等はありません。 ◆アルコール消毒すみです
- 本の長さ272ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1974/10/1
- ISBN-104041304164
- ISBN-13978-4041304167
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1974/10/1)
- 発売日 : 1974/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 272ページ
- ISBN-10 : 4041304164
- ISBN-13 : 978-4041304167
- Amazon 売れ筋ランキング: - 833,550位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
杉本一文の表紙絵が『真珠郎』謎解きのヒントとなっています。
2013年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと急いで展開をしてしまったという印象を受けました。
主人公は一応男女二人…なんだと思いますが
早く言えばどちらの行動も共感を覚えることは出来ませんでした。
恋は盲目と言いますか、主人公男は自分の感情で突っ走り、
主人公女は悲劇の主人公ぶってはいますが、
結局自分のために他人を不幸にすることを厭わず…とそんな感じです。
この中で最も不幸だったのは、タイトルの真珠郎なのでしょうね
死体が出た時に今後の展開を予想するのはたやすいです
特に横溝作品を読みなれた方であればそうだと思います
作品を読む順番にもよるとは思いますが、出来るならこの作品は最初に読んでおいた方が
がっかり感は少ないと思いました
主人公は一応男女二人…なんだと思いますが
早く言えばどちらの行動も共感を覚えることは出来ませんでした。
恋は盲目と言いますか、主人公男は自分の感情で突っ走り、
主人公女は悲劇の主人公ぶってはいますが、
結局自分のために他人を不幸にすることを厭わず…とそんな感じです。
この中で最も不幸だったのは、タイトルの真珠郎なのでしょうね
死体が出た時に今後の展開を予想するのはたやすいです
特に横溝作品を読みなれた方であればそうだと思います
作品を読む順番にもよるとは思いますが、出来るならこの作品は最初に読んでおいた方が
がっかり感は少ないと思いました
2016年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
TVの金田一シリーズが大好きな子供だったので、予告編を見てすぐ本屋さんに真珠朗を買いに行ったら無くて悲しかったのを今でも覚えてます。
手に入れたら表紙絵が女だったのが残念だと思いました。
美少年づくし雑誌JUNEに出逢う前に耽美という言葉を知ったのも横溝作品だったような。
実写化するなら納得の美形でと常々思っとります。
手に入れたら表紙絵が女だったのが残念だと思いました。
美少年づくし雑誌JUNEに出逢う前に耽美という言葉を知ったのも横溝作品だったような。
実写化するなら納得の美形でと常々思っとります。
2018年2月28日に日本でレビュー済み
本格的な推理モノとしても楽しめますが、登場人物の心理や風景の描写が素晴らしい。特に主人公(?)のヒロインを思う気持ちが切なく表現されています。おどろおどろしい内容でも、全体的に美しさが感じられ、後味の悪さがありません。
個人的には、横溝作品の中で五指に入る作品だと思います。
個人的には、横溝作品の中で五指に入る作品だと思います。
2012年9月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大好きな作品『真珠郎』。作品もさることながら、杉本一文氏の表紙の真珠郎に魅せられました。今年(2012年)は横溝正史生誕百十年記念ということで、角川書店さんが期間限定でかつての杉本一文氏の表紙カバーをつけて、横溝正史作品を出版されてますが、横溝正史生誕百十年記念ついでにこの『真珠郎』も復刊してほしいなあ…としみじみ思います。もちろん杉本一文氏のこの表紙絵で。扶桑社から『真珠郎』復刊されてましたが、それも現在は入手しにくくなっているため、是非とも復刊を望みます。この戦前の傑作というべき魅力的な作品『真珠郎』が、杉本一文氏の表紙絵とともにもっと幅広く知られてほしいと思います。
2016年1月25日に日本でレビュー済み
横溝作品を数多く読んできたが、個人的には作者のベスト5に入る優れたミステリーだと感じた。
最後の方で、由利先生が椎名に対して「あなたは絶対に、御自分の眼で見られたこと以外には、信用してはならない」と語る場面がある。そのとおりで、真相を知ると、事件の様相ががらりと変わり、驚かされる。
この真相に持ち込むためのストーリーの組み立て方に作者の力量を感じた。
悪魔の心を持った美少年、真珠郎の存在が、幻想的で幻惑的な雰囲気を醸し出している。
短編の「孔雀屏風」は、二つに分け隔てられた屏風をめぐる美しくも悲しい物語で、こちらもすばらしい。
(真珠郎のネタバレ)
複雑な構図を持つ犯罪計画であり、犯人の告白を読むまでは、真相の全貌がわからなかった。
見事な首なしトリックで、それを実現させるための人物配置が巧妙。
第二の殺人事件以降に、乙骨が真珠郎の翳におびえる場面があるが、乙骨は真珠郎の正体を知っているわけであり、おびえる必要はなく、不自然ではないだろうか。
最後の方で、由利先生が椎名に対して「あなたは絶対に、御自分の眼で見られたこと以外には、信用してはならない」と語る場面がある。そのとおりで、真相を知ると、事件の様相ががらりと変わり、驚かされる。
この真相に持ち込むためのストーリーの組み立て方に作者の力量を感じた。
悪魔の心を持った美少年、真珠郎の存在が、幻想的で幻惑的な雰囲気を醸し出している。
短編の「孔雀屏風」は、二つに分け隔てられた屏風をめぐる美しくも悲しい物語で、こちらもすばらしい。
(真珠郎のネタバレ)
複雑な構図を持つ犯罪計画であり、犯人の告白を読むまでは、真相の全貌がわからなかった。
見事な首なしトリックで、それを実現させるための人物配置が巧妙。
第二の殺人事件以降に、乙骨が真珠郎の翳におびえる場面があるが、乙骨は真珠郎の正体を知っているわけであり、おびえる必要はなく、不自然ではないだろうか。
2009年1月19日に日本でレビュー済み
「真珠郎」と「孔雀屏風」の2篇が収められている。
「真珠郎」は戦前の横溝作品のなかでも傑作のひとつとして有名。由利先生もの。
登場人物の造形、意外な真相、ひとひねりあるプロット、叙情性とグロテスクさと、非常に完成度が高い。読後感も素晴らしい。
途中で何となく真相が見えるような気がするのだが、最後にあっとうならされる。良く考えられたストーリーだ。忘れてはならない作品だろう。
「孔雀屏風」は、戦時中という色彩が濃い小篇。結末には何だかガッカリ。
「真珠郎」は戦前の横溝作品のなかでも傑作のひとつとして有名。由利先生もの。
登場人物の造形、意外な真相、ひとひねりあるプロット、叙情性とグロテスクさと、非常に完成度が高い。読後感も素晴らしい。
途中で何となく真相が見えるような気がするのだが、最後にあっとうならされる。良く考えられたストーリーだ。忘れてはならない作品だろう。
「孔雀屏風」は、戦時中という色彩が濃い小篇。結末には何だかガッカリ。