久し振りに筒井康隆を読み返した。やっぱり、この人は天才だと思った。おすすめは、『コレラ』と『断末魔酔狂地獄』。
『コレラ』はカミュの『ペスト』のパロディだが、思弁を排し、徹底的に具体的な描写にこだわった傑作。そして、徹底的に具体的な描写の果てに、「人間のからだというものが、たった一本の消化管―汚物がいっぱい詰め込まれた一本の空洞に左右される程度の存在でしかない」という認識に辿りつく。
『断末魔酔狂地獄』は、老人が元気な未来社会を描いたものだが、現代を予測していたかのようだ。
どの作品にも特異なキャラの登場人物が出てくるが、人間の深層心理をデフォルメしたり誇張したりしているので、つくりものの違和感はない。現実の延長線の彼方の世界に連れていってくれる感じ。私にとっては再読だったが、どの作品も古さを感じないし、楽しめた。
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如菩薩団: ピカレスク短篇集 (角川文庫 つ 2-18) 文庫 – 2006/8/1
筒井 康隆
(著)
上品で慎ましい主婦ばかりの盗賊団が高級住宅街のマダムから盗むものは?
上品でインテリだがつましい生活を強いられる団地の主婦たちが、連れだって高級住宅街にやって来た。そう、彼女たちこそ、最近世間を騒がせる女盗賊団だったのだ。悪逆非道な物語ばかりが並ぶとんでもない短篇集!
上品でインテリだがつましい生活を強いられる団地の主婦たちが、連れだって高級住宅街にやって来た。そう、彼女たちこそ、最近世間を騒がせる女盗賊団だったのだ。悪逆非道な物語ばかりが並ぶとんでもない短篇集!
- 本の長さ370ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2006/8/1
- ISBN-104041305233
- ISBN-13978-4041305232
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2006/8/1)
- 発売日 : 2006/8/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 370ページ
- ISBN-10 : 4041305233
- ISBN-13 : 978-4041305232
- Amazon 売れ筋ランキング: - 262,410位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。
1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月29日に日本でレビュー済み
2021年8月15日に日本でレビュー済み
短編が12編。
なかにはショートショートもいくつか。
著者の作品群の中では最高におもしろい一冊とはいいがたいが、十分読み応えある狂気の一冊。
『三人娘』がシンプルにおもしろかった。
なかにはショートショートもいくつか。
著者の作品群の中では最高におもしろい一冊とはいいがたいが、十分読み応えある狂気の一冊。
『三人娘』がシンプルにおもしろかった。
2014年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんな本は売れないだろうな、衝動買いしてしまったもう少しましかなと思った
2006年9月26日に日本でレビュー済み
面白い。
最近なんとなくコンスタントに読んでいる筒井康隆作品だが、
いろんな文庫から、
新装版とか、ジャンル別の短編アンソロジーとかが、最近次々に出ている。
だから目にとまりやすいという側面もあるのか。
未見ではあるが、『時をかける少女』はアニメとして公開され、
TVでは深田恭子の『富豪刑事』もあった。
『日本沈没』と前後して、『日本以外全部沈没』も公開されているらしいではないか。
(そういえば、『日本沈没・第2部』も売れているらしく、
新聞のインタビューでは、しわしわの小松左京が、第3部まで考想はある、とか言われてました。)
わははは、筒井の時代が再来するのだ。
解説に馳星周が書いているように、誰もが筒井康隆に多くのものを負っているに違いない。筒井康隆を知らないものまでが、きっと間接的に彼に多くのものを負っているのだ。私も、あなたも、見知らぬ誰かでさえも。公園の犬も、ブロック塀の猫も。クラミジアとか毛じらみでさえも。
これらの作品群は、読み進んでゆくうちに、もしかしたら何人たりとも、筒井康隆の視線から逃げて生きることなど出来ないのではないか、という、強迫観念さえ抱かせる。おお。
筒井の毒とロジックとその深遠にあるものを・・オレはちゃんと見ていたのか?
『村井長庵』とか『三人娘』とか、『死にかた』とか、
今でも発表されたままの形で出版されて、毒を放ち続けているというのがすごい。貴様ら地獄に落ちてもいや地獄に落ちるのは当然だなぜならオレは・・・泣け叫べわめけ、読め読め読め読めば読む時読むならばぁああああ。
鬼が、
哀しむでもない怒るでもない普通の顔をオレに向け、
次の瞬間、金棒がオレの延髄に突き刺さる。
最近なんとなくコンスタントに読んでいる筒井康隆作品だが、
いろんな文庫から、
新装版とか、ジャンル別の短編アンソロジーとかが、最近次々に出ている。
だから目にとまりやすいという側面もあるのか。
未見ではあるが、『時をかける少女』はアニメとして公開され、
TVでは深田恭子の『富豪刑事』もあった。
『日本沈没』と前後して、『日本以外全部沈没』も公開されているらしいではないか。
(そういえば、『日本沈没・第2部』も売れているらしく、
新聞のインタビューでは、しわしわの小松左京が、第3部まで考想はある、とか言われてました。)
わははは、筒井の時代が再来するのだ。
解説に馳星周が書いているように、誰もが筒井康隆に多くのものを負っているに違いない。筒井康隆を知らないものまでが、きっと間接的に彼に多くのものを負っているのだ。私も、あなたも、見知らぬ誰かでさえも。公園の犬も、ブロック塀の猫も。クラミジアとか毛じらみでさえも。
これらの作品群は、読み進んでゆくうちに、もしかしたら何人たりとも、筒井康隆の視線から逃げて生きることなど出来ないのではないか、という、強迫観念さえ抱かせる。おお。
筒井の毒とロジックとその深遠にあるものを・・オレはちゃんと見ていたのか?
『村井長庵』とか『三人娘』とか、『死にかた』とか、
今でも発表されたままの形で出版されて、毒を放ち続けているというのがすごい。貴様ら地獄に落ちてもいや地獄に落ちるのは当然だなぜならオレは・・・泣け叫べわめけ、読め読め読め読めば読む時読むならばぁああああ。
鬼が、
哀しむでもない怒るでもない普通の顔をオレに向け、
次の瞬間、金棒がオレの延髄に突き刺さる。
2009年4月29日に日本でレビュー済み
コレラ
神様と仏さま
死にかた
小説「私小説」
如菩薩団
傍観者
ケンタウルスの殺人
断末魔酔狂地獄
三人娘
ながい話
村井長庵
わが愛の税務署
神様と仏さま
死にかた
小説「私小説」
如菩薩団
傍観者
ケンタウルスの殺人
断末魔酔狂地獄
三人娘
ながい話
村井長庵
わが愛の税務署