1969年、週刊「アサヒ芸能」に連載された作品。大藪の傑作「蘇える金狼」を踏襲するようなストーリー展開。昼はしがないサラリーマンの主人公が、実は裏の顔は非情な犯罪者であるという設定。
若林誠、29歳。会社勤めのセールスマンである彼には誰にも知られてはいけない裏の顔がある。常に己の身体を鍛え、射撃も腕を磨きながら胸に大いなる野望を秘めていた。莫大な金を手に入れ、一生自由に派手に遊ぶ生活を手に入れたい。その野望実現の為に、現金輸送車を襲い警備員を殺した。さらに資産家の脱税金を強奪、自分の犯行を隠す為の殺人も繰り返していく。銀行の現金輸送車を強襲して約30億円の現金を手にした若林だったが、この時四人の男達が接触してきた。彼らも犯罪者グループで、自分達だけのユートピアを作ること目的としていた。若林は彼らの仲間に加わり、さらに大規模な強奪犯罪を実行していく。
「蘇える金狼」のあの面白さを再び味わえると思ったら、それは間違いである。確かに途中まではその方向性で物語は進んでいった。しかし、四人の男達が現れて主人公が単独犯でなく犯罪者集団の仲間になった時点から、物語は最初のリアルな展開からどんどんかけ離れていき、例のトンデモ話へと変貌していく。強奪した億単位の金で孤島を買い取りそこに誘拐した美女を何百人も住まわせてハーレム(緑島)を作ってしまう。自衛隊から大量の武器弾薬や航空機を奪い、その大型ヘリや重機関銃を使って最後の獲物である日本銀行の大金庫室から現金四百三十億円を奪ってしまう。
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唇に微笑心に拳銃 前編 改版 (角川文庫 REVIVAL COLLECTION お 1-1) 文庫 – 1997/1/1
大薮 春彦
(著)
秩序を否定し、太く短く生きようとする若林誠の野望を描く。(前)数億円を強奪した若林の次の目標は三十億円の現ナマだった。男たちの野望が交錯する。(後)大薮春彦のアクション巨編!!(権田萬治)
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1997/1/1
- ISBN-104041362121
- ISBN-13978-4041362129
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1997/1/1)
- 発売日 : 1997/1/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 280ページ
- ISBN-10 : 4041362121
- ISBN-13 : 978-4041362129
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