遠くまで来たら、更にその先に行きたくなる気持ち
見慣れない行き先表示や駅名の看板に心躍る感じ
今も昔も、電車好き(俗に言う乗り鉄)のメンタリティはなんら変わっていないことが驚きだった。
それにしても、いつ爆弾が降ってくるかわからない戦時中にあっても、「不要不急の旅行」に興じる「私」に対し、コロナ禍の現代人は何を思うか。。。
自粛ムードに包まれた今だからこそ、読みたい作品だと思う。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
増補版 時刻表昭和史 (角川文庫 み 9-7) 文庫 – 2001/6/22
二・二六事件の朝も電車を乗り継いで小学校に通い、戦時下も、終戦の日も汽車に乗っていた……鉄道紀行の第一人者が、激動の時代の家族の風景と青春の日々を時刻表に重ねて振り返る、感動の体験的昭和史!
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2001/6/22
- ISBN-104041598087
- ISBN-13978-4041598085
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2001/6/22)
- 発売日 : 2001/6/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 336ページ
- ISBN-10 : 4041598087
- ISBN-13 : 978-4041598085
- Amazon 売れ筋ランキング: - 720,778位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
26グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年7月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新品同様のものがすぐに届けられ大変満足。図書館で借りて読んで内容とてもよく手元に愛蔵用。古い本につき入手しづらいので嬉しいです。
2010年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦前の昭和が、どんな時代だったのか。
人々はどんな生活をし、どんなことを考えていたのか。
昭和を知る、絶好の資料。
鉄道マニアでなくとも、楽しめます。
ただ、増補分は明らかに蛇足でした。
同じテンションで、増補分の時代を書いてほしかった。
人々はどんな生活をし、どんなことを考えていたのか。
昭和を知る、絶好の資料。
鉄道マニアでなくとも、楽しめます。
ただ、増補分は明らかに蛇足でした。
同じテンションで、増補分の時代を書いてほしかった。
2016年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鉄道を通して描かれた、良き私小説であり家族史かつ、昭和史です。
2012年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦前、戦中の人々の暮らしや世相を庶民目線で知りたくて、お年寄りに直接話を聞いたりしていました。
しかし、何処か不確かで物足りない。そんな気持ちを引きずっていた時この本に出合いました。
表題から最初は期待していませんでしたが、読み始めるとまるで自分がその時代に居るかのような錯覚に落ちました。この内容で550円とは信じられないと思います。昭和初期に興味がある方にとっては、まさに貴重な逸品ではないでしょうか。
しかし、何処か不確かで物足りない。そんな気持ちを引きずっていた時この本に出合いました。
表題から最初は期待していませんでしたが、読み始めるとまるで自分がその時代に居るかのような錯覚に落ちました。この内容で550円とは信じられないと思います。昭和初期に興味がある方にとっては、まさに貴重な逸品ではないでしょうか。
2016年1月28日に日本でレビュー済み
「時刻表」にも愛読者がいる。鉄道紀行作家・宮脇俊三を決定づけた名著『時刻表2万キロ』の冒頭だ。「時刻表」は列車やバス、飛行機、船を運転する側にも利用する側にも必要不可欠なものであり、これら交通機関を利用したければ運行会社側に運賃を払って、時刻表に記載されている前までに駅なり、バス停なり、空港なり、港なりに行けばいいことだ。ダイヤが改正になったり、運賃が改定になれば時刻表はその役割を終えるが、歴史資料的な価値を持ってくる。交通機関が運行される時刻を表記するから、ウソを書けばとんでもないことになる。歴史はウソを平気で書く。勝者の論理で書かれることが多いから、当然勝者にとって都合の悪い事実は書かれなかったり、捻じ曲げられることになる。今の状況を見ればあきらかだ。
この本は「鉄道時刻表」を基軸に、著者の幼年期から青年期までをたどった回顧録である。似た本に『私の途中下車人生』というものがあるが、あちらは幼少期から鉄道紀行作家になるまでをインタビュー形式で書き留めたものである。同じ角川文庫から出版されているが、ページ数もさほど多くない。あちらの方が収録年代が多いが、トピックは浅い。話し言葉を収録したのと、著者による「書き言葉」を収録したのとの差であろう。
大正15年(昭和元年でもあるが、昭和元年は12月25日から)に生まれた著者は、日本が軍国主義化し、満州事変に始まる「十五年戦争」に突入していく「戦前の日本」と運命を供にする。戦前というと白黒に塗りつぶされた暗黒の時代を連想されるが、今よりもかなりおおらかな時代だったようだ。「富士」や「櫻」、「燕」といった特急列車が運転され、外国へ航路のために港まで運転される臨時列車の様子が網羅されているからだ。丹那トンネルが開通したことで、東海道線は御殿場まわりから熱海まわりとなって、綴り方(作文)を読んだ父に「これじゃダンナさんだ」なんてからかわれているシーンなんかほほえましい。
しかし、戦争は徐々に市民生活を脅かしていく。第六章からのトピックは鉄道輸送が「戦時体制」突入し、相次ぐ減便や物資不足による生活の困窮ぶり、市民の疲弊ぶりがこと細かに記されている。その象徴的なものとして、実父の経験談を『日本の歴史』という、著者が中央公論社時代に編纂に携わった文献から引用していることからでもわかる。国家総動員法案の審議中に法案の必要性を演説し始めた佐藤賢了中佐がヤジに対して「黙れ!」と一喝した。そのヤジを飛ばしたのは著者の父親である宮脇長吉で、佐藤中佐の元上司にあたる人間である。父親が国会議員であることや、しかも軍部が政治に口出しすることを好しとしない考えの持ち主であれば、配属将校からすれば当然「恰好の標的」となる。学校での軍事教練中に配属将校に辛く当たられたことを報告すると激高し、まるで自分が怒られているようだったと回想したり、北海道行きの旅行で居合わせた将校に対し「近頃の軍人は増長しとる」と叱責し、車窓を眺めるために別の場所に行こうとする著者を「ここにいておくれ」というトピックをさりげなく加えるあたり、人間なんて所詮弱い生き物なんだなと痛感させられた。「翼賛選挙」で議員バッジをはぎ取られ、来客も減り、家が没落していく様子が子供心に身に染みていたのだろう。
1980年の初版時は今泉駅前で玉音放送を聴取するシーンで終わっているが、その辺のいきさつは増補版のあとがきに記してある。それまで「日本は勝つ」と信じてやってきた人間が、天皇の声で日本が戦争に負けたことを知らされ、時間の観念が吹っ飛んでしまうほどのショックの大きさは計り知れない。増補は必要ないという人もいるかもしれないが、戦前戦後を区分けするために、昭和20年8月15日は都合よく使用されるが、鉄道に限っていえば、昭和23年7月改正のダイヤが「戦前戦後」を区分けするのではないかという著者の持論に従うことにする。
書店や駅の売店で恭しく山積みにされている時刻表を見ると、新幹線や優等列車などがこと細かに印刷され、どこか旅心を掻き立ててくれる。しかし、著者が経験した「戦前戦後」があったからこそ、華々しい現在は存在しえないのだと痛感させられた。こんな時代は二度と遭遇したくない。安保法制が成立したから、余計そう思う。
この本は「鉄道時刻表」を基軸に、著者の幼年期から青年期までをたどった回顧録である。似た本に『私の途中下車人生』というものがあるが、あちらは幼少期から鉄道紀行作家になるまでをインタビュー形式で書き留めたものである。同じ角川文庫から出版されているが、ページ数もさほど多くない。あちらの方が収録年代が多いが、トピックは浅い。話し言葉を収録したのと、著者による「書き言葉」を収録したのとの差であろう。
大正15年(昭和元年でもあるが、昭和元年は12月25日から)に生まれた著者は、日本が軍国主義化し、満州事変に始まる「十五年戦争」に突入していく「戦前の日本」と運命を供にする。戦前というと白黒に塗りつぶされた暗黒の時代を連想されるが、今よりもかなりおおらかな時代だったようだ。「富士」や「櫻」、「燕」といった特急列車が運転され、外国へ航路のために港まで運転される臨時列車の様子が網羅されているからだ。丹那トンネルが開通したことで、東海道線は御殿場まわりから熱海まわりとなって、綴り方(作文)を読んだ父に「これじゃダンナさんだ」なんてからかわれているシーンなんかほほえましい。
しかし、戦争は徐々に市民生活を脅かしていく。第六章からのトピックは鉄道輸送が「戦時体制」突入し、相次ぐ減便や物資不足による生活の困窮ぶり、市民の疲弊ぶりがこと細かに記されている。その象徴的なものとして、実父の経験談を『日本の歴史』という、著者が中央公論社時代に編纂に携わった文献から引用していることからでもわかる。国家総動員法案の審議中に法案の必要性を演説し始めた佐藤賢了中佐がヤジに対して「黙れ!」と一喝した。そのヤジを飛ばしたのは著者の父親である宮脇長吉で、佐藤中佐の元上司にあたる人間である。父親が国会議員であることや、しかも軍部が政治に口出しすることを好しとしない考えの持ち主であれば、配属将校からすれば当然「恰好の標的」となる。学校での軍事教練中に配属将校に辛く当たられたことを報告すると激高し、まるで自分が怒られているようだったと回想したり、北海道行きの旅行で居合わせた将校に対し「近頃の軍人は増長しとる」と叱責し、車窓を眺めるために別の場所に行こうとする著者を「ここにいておくれ」というトピックをさりげなく加えるあたり、人間なんて所詮弱い生き物なんだなと痛感させられた。「翼賛選挙」で議員バッジをはぎ取られ、来客も減り、家が没落していく様子が子供心に身に染みていたのだろう。
1980年の初版時は今泉駅前で玉音放送を聴取するシーンで終わっているが、その辺のいきさつは増補版のあとがきに記してある。それまで「日本は勝つ」と信じてやってきた人間が、天皇の声で日本が戦争に負けたことを知らされ、時間の観念が吹っ飛んでしまうほどのショックの大きさは計り知れない。増補は必要ないという人もいるかもしれないが、戦前戦後を区分けするために、昭和20年8月15日は都合よく使用されるが、鉄道に限っていえば、昭和23年7月改正のダイヤが「戦前戦後」を区分けするのではないかという著者の持論に従うことにする。
書店や駅の売店で恭しく山積みにされている時刻表を見ると、新幹線や優等列車などがこと細かに印刷され、どこか旅心を掻き立ててくれる。しかし、著者が経験した「戦前戦後」があったからこそ、華々しい現在は存在しえないのだと痛感させられた。こんな時代は二度と遭遇したくない。安保法制が成立したから、余計そう思う。
2005年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は昭和8年から昭和23年、すなわち「昭和前期」の「鉄道」・「旅行」・「社会情勢」・「作者の家庭事情」などを書いたものである。
今や若者の街となった「渋谷」の昭和8年当時の様子に始まり、開業間もない「丹那トンネル」と特急「富士」・「燕」見物の旅、四国旅行、開業6年目の清水トンネル、御殿場線、黒部峡谷鉄道、北海道旅行、関門トンネル・・・・・ 戦前から戦中・戦後にかけての「日本の鉄道の様子」が垣間見え、「歴史的資料」としても価値が高いように思う。宮脇俊三氏の作品には、そういった「付属的価値」がいろいろついてくるところが、まず評価できる。
そして、青春が「戦争」と重なった作者の成長の様子・・・・・、終戦の日も鉄道で移動し、駅で「玉音放送」を迎えた・・・・・など、「作者がなぜ紀行作家となったのか?」という質問にもある程度答えてくれ、さらに「日本の鉄道の凄さ」をつづる内容の部分では心に何か衝撃を受けるなど、各所で素晴らしい描写がされていたように感じた。
「時刻表2万キロ」・「最長片道切符の旅」とは若干ジャンルが異なるものの、内容としては前2作に劣らず、いや遥かに上回る部分も感じられる本のように感じた。「宮脇俊三」という人物について知りたい人、「昭和前期の鉄道」に興味のある人は、ぜひ読んでもらいたい。
今や若者の街となった「渋谷」の昭和8年当時の様子に始まり、開業間もない「丹那トンネル」と特急「富士」・「燕」見物の旅、四国旅行、開業6年目の清水トンネル、御殿場線、黒部峡谷鉄道、北海道旅行、関門トンネル・・・・・ 戦前から戦中・戦後にかけての「日本の鉄道の様子」が垣間見え、「歴史的資料」としても価値が高いように思う。宮脇俊三氏の作品には、そういった「付属的価値」がいろいろついてくるところが、まず評価できる。
そして、青春が「戦争」と重なった作者の成長の様子・・・・・、終戦の日も鉄道で移動し、駅で「玉音放送」を迎えた・・・・・など、「作者がなぜ紀行作家となったのか?」という質問にもある程度答えてくれ、さらに「日本の鉄道の凄さ」をつづる内容の部分では心に何か衝撃を受けるなど、各所で素晴らしい描写がされていたように感じた。
「時刻表2万キロ」・「最長片道切符の旅」とは若干ジャンルが異なるものの、内容としては前2作に劣らず、いや遥かに上回る部分も感じられる本のように感じた。「宮脇俊三」という人物について知りたい人、「昭和前期の鉄道」に興味のある人は、ぜひ読んでもらいたい。
2004年10月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近ごろ懐古の眼差しをもって語られることの多くなった昭和時代。その戦前、戦中の生活、社会、文化を鉄道と時刻表を通して見事に描いた不朽の名作です。
作品は自伝的な色合いが濃いのですが、人一倍多感な宮脇少年が見たもの、感じたものは同時代の日本人が共有していた感覚を表していると言ってよいでしょう。臨場感あふれる描写はどれも秀逸です。さらにその構成の鮮やかさ。平和で文化的な生活が徐々に、そしてあるときから急に戦争に押しつぶされてゆく。そしてついに玉音放送で日本人は敗戦を受け容れる。しかしその瞬間にも列車は超然と動いていた。何という圧巻の幕引き。この感動と鮮やかさは何度読み返しても色褪せません。
戦後日本の鉄道は交通の主役から解放され、車や飛行機といった強敵に押され、平成になっても地位は下がり続けているようです。しかし宮脇氏の見た偉大なる昭和の鉄道はこの作品によっていつの日にも私の眼前にリアルに再現されることでしょう。「昭和、未だ朽ちず」です。
作品は自伝的な色合いが濃いのですが、人一倍多感な宮脇少年が見たもの、感じたものは同時代の日本人が共有していた感覚を表していると言ってよいでしょう。臨場感あふれる描写はどれも秀逸です。さらにその構成の鮮やかさ。平和で文化的な生活が徐々に、そしてあるときから急に戦争に押しつぶされてゆく。そしてついに玉音放送で日本人は敗戦を受け容れる。しかしその瞬間にも列車は超然と動いていた。何という圧巻の幕引き。この感動と鮮やかさは何度読み返しても色褪せません。
戦後日本の鉄道は交通の主役から解放され、車や飛行機といった強敵に押され、平成になっても地位は下がり続けているようです。しかし宮脇氏の見た偉大なる昭和の鉄道はこの作品によっていつの日にも私の眼前にリアルに再現されることでしょう。「昭和、未だ朽ちず」です。