少し難解なホラーです。特にタイトルと中身に落差があるのでとても恐いと感じました。
新井素子さんの本の初心者という方にはあまりお勧めはしません。ベテランの方でも意見は別れると思います。けれど決して面白くないとかではないです。次の展開がまず読めません。斬新なスリルがあります。主人公の性格とかはつかみにくいけれど何回も読むと深いです。単なる復讐劇ではなく。あくまで個人の感想ですし、いろいろな意見も出てくると思いますが、おそらくそれすらも作品の魅力なのだと。
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ハッピー・バースディ (角川文庫) 文庫 – 2005/9/22
「いい気になるなよ」—−その一言があたしを殺す。
やさしい夫がいる幸せな家庭。そのうえ小説家としても成功し、何も不足のない日々をすごしてきたあきら。幸せいっぱいの日常が少しづつ、変わっていく。悪いのはあたしなのか、それとも——。待望の文庫化。
やさしい夫がいる幸せな家庭。そのうえ小説家としても成功し、何も不足のない日々をすごしてきたあきら。幸せいっぱいの日常が少しづつ、変わっていく。悪いのはあたしなのか、それとも——。待望の文庫化。
- 本の長さ383ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/9/22
- ISBN-10404160012X
- ISBN-13978-4041600122
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2005/9/22)
- 発売日 : 2005/9/22
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 383ページ
- ISBN-10 : 404160012X
- ISBN-13 : 978-4041600122
- Amazon 売れ筋ランキング: - 605,066位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ファン必読 小説をやめたかと思っていたらこんなすごいものをを書いていた
2005年11月9日に日本でレビュー済み
主人公はあきらと裕司。ほんのちょっとした偶然から起こる事件を, 加害者側と被害者側の二つの視点で描くホラー作品。
あきら 沢木明 32歳 女性。旦那に依存気味の売れっ子新人小説家。
裕司 市原裕司 18歳 男性。東京に負けたと思い込んでいる浪人生。
喫茶店でたまたま居合わせた二人。バシャバシャとシャッターを切るカメラマンに裕司は憤るが、インタビュー中のあきらはそれさえ知らない。そしてたまたまご近所さんだった。あきらは御町内問題マンション。裕司は裏の築ウン十年のアパート。
ほんのちょっとの偶然が・・・ほんのちょっとタイミングが悪かったばっかりに・・・恐怖に変わっていきます。そしてハッピーエンドと思いきや・・・そこは本領発揮。そうはいかない。人間が壊れてゆく様を淡々と描きます。
ひたひたひたひたひた・・・と何かが近づいてくる、そんな表現が当てはまる怖さです。「くますけと一緒に」以来の恐怖を感じました。新井素子らしい恐ろしく読後感の悪い一冊です。心理的恐怖を味わいたい(特に主婦)方にはオススメ。
あきら 沢木明 32歳 女性。旦那に依存気味の売れっ子新人小説家。
裕司 市原裕司 18歳 男性。東京に負けたと思い込んでいる浪人生。
喫茶店でたまたま居合わせた二人。バシャバシャとシャッターを切るカメラマンに裕司は憤るが、インタビュー中のあきらはそれさえ知らない。そしてたまたまご近所さんだった。あきらは御町内問題マンション。裕司は裏の築ウン十年のアパート。
ほんのちょっとの偶然が・・・ほんのちょっとタイミングが悪かったばっかりに・・・恐怖に変わっていきます。そしてハッピーエンドと思いきや・・・そこは本領発揮。そうはいかない。人間が壊れてゆく様を淡々と描きます。
ひたひたひたひたひた・・・と何かが近づいてくる、そんな表現が当てはまる怖さです。「くますけと一緒に」以来の恐怖を感じました。新井素子らしい恐ろしく読後感の悪い一冊です。心理的恐怖を味わいたい(特に主婦)方にはオススメ。
2002年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新井素子は中学生のころから好きで、出た順に片っ端から買っていて、片っ端からおもしろかった頃を夢見て今も買ってしまう作家なのですが、「チグリス・ユーフラテス」で彼女が作り上げたインナーワールドを感じられないと思い、今回はその思いにさらに拍車をかけた結果になりました。インナーワールドを感じられないというのは、主人公(もしくは物語自体)に引き込まれないというのと同じかもしれません。展開に対して、(あ、そう。)という薄い感想しか出ない。二度と読み返さない作品です。
2013年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
絶版品であり、書店では見つけられないものでした。品物も比較的美品であり、満足しています。
2013年8月19日に日本でレビュー済み
夫に依存的すぎる女性作家と,自尊心ばかり強い浪人生の不幸なめぐりあい.
前半は浪人生によるいやがらせが,後半は浪人生の目線から女性からの嫌がらせが描かれる.
まず,依存的すぎる女性というテーマは同じ作者の「おしまいの日」の二番煎じ.
本作だけ読んだとしても,浪人生のキャラクター造型の浅さや,
女性側の対策に徹底が足りないという印象は否めず
(しばらく実家に帰るとかホテル住まいするという手もあったはずなので)
なんだか子供向けのマンガのように感じる.
結末もなんだか独りよがりで,
作品としての出来は「おしまいの日」に遠く及ばない.
前半は浪人生によるいやがらせが,後半は浪人生の目線から女性からの嫌がらせが描かれる.
まず,依存的すぎる女性というテーマは同じ作者の「おしまいの日」の二番煎じ.
本作だけ読んだとしても,浪人生のキャラクター造型の浅さや,
女性側の対策に徹底が足りないという印象は否めず
(しばらく実家に帰るとかホテル住まいするという手もあったはずなので)
なんだか子供向けのマンガのように感じる.
結末もなんだか独りよがりで,
作品としての出来は「おしまいの日」に遠く及ばない.
2008年4月12日に日本でレビュー済み
ハッピー・バースディと聞くと普通はすごく幸せな連想をするでしょう。色とりどりのろうそくがささったケーキ。ラッピングされたプレゼント。ちょっとした「おめでとう」の言葉。暖かい部屋。お祝いメール。花束。プレゼントの包みをあけるときのわくわく。誰かのバースディプレゼントを選ぶときのわくわく。そういうものを思い浮かべるでしょう。もちろん、あの有名なハッピー・バースディのメロディも思い浮かべるでしょう。中には、電気グルーブのほうを思い浮かべる方もいるかも知れません。ともあれ、楽しいイメージを思い浮かべることでしょう。
しかし、この小説はそれらのイメージを覆します。ハッピー・バースディという楽しいうきうきるようなタイトルとは対極のかなり思い詰めた小説です。下手に書き込むとネタバレしてしまうし興趣を削いでしまうタイプの小説なので敢えて内容には触れませんが、かなり重いし苦しいです。特に前半から中盤にかけてはかなり気持ち悪い展開をします。強いてキーワードを挙げれば「電話」がその主役になりますが、かなり苦しい気持ちになります。いつもはのほほんとした文体の新井素子さんですが、同じのほほんでここまで気持ち悪いことが出来るのはこれこそ芸なのでしょう。
ともあれ、先日取り上げた「グリーン・レクイエム」「緑幻想」や「新婚物語」などを彼女の陽の作品とするならば、これは陰のほうの代表作といってもいいでしょう。
しかし、この小説はそれらのイメージを覆します。ハッピー・バースディという楽しいうきうきるようなタイトルとは対極のかなり思い詰めた小説です。下手に書き込むとネタバレしてしまうし興趣を削いでしまうタイプの小説なので敢えて内容には触れませんが、かなり重いし苦しいです。特に前半から中盤にかけてはかなり気持ち悪い展開をします。強いてキーワードを挙げれば「電話」がその主役になりますが、かなり苦しい気持ちになります。いつもはのほほんとした文体の新井素子さんですが、同じのほほんでここまで気持ち悪いことが出来るのはこれこそ芸なのでしょう。
ともあれ、先日取り上げた「グリーン・レクイエム」「緑幻想」や「新婚物語」などを彼女の陽の作品とするならば、これは陰のほうの代表作といってもいいでしょう。
2005年8月8日に日本でレビュー済み
よくも悪くもユニークな作家さんなので好き嫌いはかなり別れるのじゃないかと。文章も話も視点も変わってる。こんだけ文章に癖があると普通読みにくいはずなんですが、事実読みやすくはないのですが、それでも読ませます。
主人公はの女性は本当にぴかぴかに幸せで、何の苦労もしていなくて現実世界に地に足ついてません。話のなかではショックなことが起こってなおのこと現実に対応しなくなります。
だけどそもそも、きっかけなんかなくったってヒロインは最初からおかしかったのです。で、壊れた彼女は己の不幸の要因を作った人に復讐します。大変陰湿な復讐で、何よりもその微妙な気の使い方がキショク悪い。ぞわぞわしました。
ヒロインは普通に変な人でしたが、ヒロインと似ていると語られる女性が別にいまして、その「似てる」人は普通です。狂ってもいない。だけどある意味では普通に狂ってる。誰しもが狂気をかかえて、それでも知らぬ顔をして生きている。夢と現実のはざまで、何度でも生まれることができる。ハッピー・バースディ、わたしもあなたも。…という話でした。
ボリュームはいまひとつかなぁ。苦労したんだな、ということは後半になんだかわかりました。もっと、あの方の話ってすらすらしてるんですが、途中で少々もたつく感じ。怖さは中程度、かな。
主人公はの女性は本当にぴかぴかに幸せで、何の苦労もしていなくて現実世界に地に足ついてません。話のなかではショックなことが起こってなおのこと現実に対応しなくなります。
だけどそもそも、きっかけなんかなくったってヒロインは最初からおかしかったのです。で、壊れた彼女は己の不幸の要因を作った人に復讐します。大変陰湿な復讐で、何よりもその微妙な気の使い方がキショク悪い。ぞわぞわしました。
ヒロインは普通に変な人でしたが、ヒロインと似ていると語られる女性が別にいまして、その「似てる」人は普通です。狂ってもいない。だけどある意味では普通に狂ってる。誰しもが狂気をかかえて、それでも知らぬ顔をして生きている。夢と現実のはざまで、何度でも生まれることができる。ハッピー・バースディ、わたしもあなたも。…という話でした。
ボリュームはいまひとつかなぁ。苦労したんだな、ということは後半になんだかわかりました。もっと、あの方の話ってすらすらしてるんですが、途中で少々もたつく感じ。怖さは中程度、かな。