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うたかた,サンクチュアリ (角川文庫 よ 11-6) 文庫 – 1997/12/1
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1997/12/1
- ISBN-104041800064
- ISBN-13978-4041800065
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1997/12/1)
- 発売日 : 1997/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 168ページ
- ISBN-10 : 4041800064
- ISBN-13 : 978-4041800065
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,148,459位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
1964年、東京生まれ。
詩人・思想家の吉本隆明の次女。日本大学芸術学部文藝学科卒業。
87年小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞、同年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、89年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)を受賞。
著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで、93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞の三賞を受賞している。他の著作に『アルゼンチンババア』『王国』シリーズ『デッドエンドの思い出』『イルカ』『ひとかげ』『まぼろしハワイ』『サウスポイント』『彼女について』『アナザー・ワールド 王国その4』など多数がある。
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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私生児なのに心がまっすぐな人魚さん。母親から捨てられ赤の他人かもしれない男に育てられた嵐君。2人とも良い子に育った。一番ろくでなしなのは、父親なのかもしれない。ついお母さんにも、感情移入してしまった。
そんな2人が、偶然出会い、どうなるのだろう。・・・・・・一気読みしてしまった。
みたいなことを述べており、更に
著者自身、読み返してみて
『失敗した/自分の言葉ではない』
と自ら評価を下した作品が、この2編
確かに、キッチンと比較しても
フワッとした何が言いたいのか掴めない作品になってるけど
僕は、これはこれで好きみたい
というのも、うたかたで
母親が包丁を握っていたシーンでは
思わず涙を流しちゃったから
だって、感情的に泣けたってのが
理屈よりも、より素直な意見でしょ?
全体を通して、とにかく温かい作品
これまた著者の意見と、くい違うのですが
僕は、これらの登場人物もかなり好きですよ 笑
レビューはファンの愛情表現のみの場ではないので、
アンチの意見も言わせて頂きます。
両短編共に、登場人物らの異様な勘と運の良さにうんざりさせられる。
「私にはわかった」「なんだかいやな予感がするんだよ」
「なぜこんなに彼女のことがよくわかるのだろう」「智明くんじゃないですか」
と、妙に直観に頼った描写が多いのが頂けない。
現実的にこんなことはあり得ないからおかしいというのではないが、
そこまで多くのことがなんとなく分かってしまうのであれば、
人の言葉や行動をわざわざ描く必要もないのではないか、と思ってしまう。
つまりはご都合主義が過ぎるのだ。
以前は「キッチン」を読み、
一ヶ月ほど前にこの「うたかた/サンクチュアリ」を読んだ。
何故だか分からないけれど、印象に残らない。
唯一面白いなと思ったのは、「“百匹分延々と続く描写の繰り返し”の話」についてだろうか。アイディアはすごく良いと思う。
ただ、話の本筋に関してはいたって凡庸で、ストーリーの展開に取り立てて衝撃も受けない。作者からのメッセージ性もそれほど無いように思う。
詰まらなかった訳ではなく、さらりと読めた。
でも本当にこんな恋愛もあり得る。
そう思いました。
恋をしている時に読んでも、
恋をしていない時に読んでも、
とにかく強く誰かを愛したくなるような、
とにかく誰かに『好き!』と言いたくなるような、
そんな本です。
サンクチュアリは、ばななさんの「とかげ」という短編集のように、絶望の淵にいる人たちが、何とかして、お互いに、希望を取り戻す瞬間を描いています。その美しさ。読んだあと ほっと優しい気持ちになって、そしてすこし、前を向けるんじゃないかと思います。
夜の海でひとり泣きじゃくる馨の姿に、智明は目を奪われた。
自分の内に秘めた悲しみを誰にも打ち明けられず、泣くこともできなかった彼が、一目もはばからず異様なまでに純粋な「泣く」という作業に没頭する馨の姿に強く惹かれたのは、自分にできないことを一心不乱にやってのけているその姿が神聖なものに映ったからかもしれない。自分の中の「泣きたい」という叶わぬ願望が浄化されていくような気持ちを覚えたからかもしれない。
馨もまた、絶望を経験したひとりだった。
出会ったときから、彼女の中に大きな悲しみが潜んでいることを悟っていた智明と同じように、彼女も智明が悲しみに耐えていることを感じていた。
2人の心は、出会ったときから共鳴していたのだろう。
異世界での出来事のような旅先での出会いから戻り、現実に引き戻された智明は、再び馨と出会った。
海で見た彼女とは別人のように平和な笑顔を見せる彼女が、これまでにどんな人生を歩んできたのかを知る。
もう二度と訪れることはないだろうと思えるような幸せな時間を過ごしたこと、その後、「どうして彼女にそんなことが起こるはずがあるのか」と思うほどの大きな絶望と悲しみが降りかかってきたこと。
それでも、それを乗り越えて隣で微笑む彼女は、「平凡」な日常を、死にものぐるいで取り戻したのだ。
そのしたたかさに、智明はどれほど救われたことだろう。
私は絶望を味わったこともないし、そこから日常を取り戻すのがどれほど苦しいことなのかも、わからない。
それでも、馨のしたたかさは、同情を許さないほどの、崇高な姿だと思う。
人は、ドラマチックな人生に憧れを抱く。私だってそうだ。
でも、今こうして平凡に生きる人びとの中に、全身全霊をかけて時間を刻んできた人がいるのであれば、私はもっとこの退屈な日々を大事にしなければならないと思った。
読んでいて、いい言葉だなぁという日本語の使い回しや、きめ細かな描写というのが感じられませんでした。彼女の最近の作品ばかり読んでいるせいか、少し物足りなさも感じます。
吉本ばななの成長を垣間見るには、いい作品かもしれません。
というわけで、★が5つになる余地を残しての、★2個にしました。