および、“Rebuild the Wall.”の使用が、「時代のどこにも認められない均衡を回復する為の精神の冒険」を伴う概念であったと思っています。たしか、後者については、最初に耳にしたのは、Radio Sakamoto、のなかであったように記憶しています。
本書のうちわけは、
WHAT'S MICHAEL?
KAMAKURA
MONOSHIGOTO
A SEEDER
FLOWER LIGHTS
8-BIT
GNYOTAI NO SHINPI
JIYU GEKIJO
NOT GOOD,BUT GREAT
CITIES IN THE PUZZLE
NEW YORK,NEW YORK
AS BEAUTIFUL AS POSSIBLE
です。幼少時の振る舞いから、本書発表当時(1989年10月)までの個人の歴史を語ります。ただし、その関心の対象は、音楽および世の中の変化であって、別の題材がポイントであったら、また別の歴史の叙述となったことでしょう。高校生のころから学生運動の現場に出入りしていたり、芸大生時代にアルバイトで参加した演奏体験をもっていたり、かなり珍しい種類の個人の経験もあわせて語られています。
本書にあるものは、1981年以降著者が関与した「サウンドストリート」、「サウンドビジュアート」、「プレミア3」、今世紀にはいってからは、「RADIO SAKAMOTO」といったラジオ番組のなかでもリスナーに対して提供されてきた、著者のそれぞれの時期の「近況」を理解するうえで、とても参考になる内容です。
当方の一番印象に残った記述は、pp.32-33
「……(略)……ぼくの脳はカキノタネなんです。カキノタネって一つ一つは非常にちっちゃいでしょ。カキノタネの缶ってのは、ちっちゃいのがいっぱいつまっているじゃない。ぼくの脳はそうなのね。で、一個に関しては容量が少ししかないわけ。だけど、ばらばらにいっぱいあるわけ。それがぴっぴって出てくるんだね、それぞれ。だから、すごく一つ一つは単純なんです。ぼくは、いいか悪いかは別として、そのぐらいしかないの。絶対、いっぱい入らないの。……(略)……」
この自覚が、どのように創作行為につながるのか、知りたいなあと思います。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
Seldom‐illegal―時には、違法 文庫 – 1991/12/1
坂本 龍一
(著)
- 本の長さ207ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1991/12/1
- ISBN-104041812011
- ISBN-13978-4041812013
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1991/12/1)
- 発売日 : 1991/12/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 207ページ
- ISBN-10 : 4041812011
- ISBN-13 : 978-4041812013
- Amazon 売れ筋ランキング: - 556,035位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,667位角川文庫
- - 24,991位楽譜・スコア・音楽書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
15グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年1月2日に日本でレビュー済み
2018年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
YMOの頃は興味が他の方に行っていた。最近映画音楽の素晴らしさを再発見して人となりを知りたくなって購入しました。
あんなに繊細で哀愁を帯びた音楽を作る人ってどういう背景があるのかなとも思って。
youtubeなどのインタビュを漁っていたのと、DJなどで聞いたような軽い口語体の文章から、読み出すといきなり彼の声が語りだした。
雑誌の連載を本にしたものらしいので軽い。ちょっと危険な香りのタイトルの理由もなるほどそうでしたか。。。(笑)
非常に幸運な人で、またチャンスをものにできる才能にあふれた人だということは判った。だからそれらをさらっと日常の光景のように語っている。
匿名の存在でありたかったのに、期せずして有名になった大きな戸惑いも語られているが、語りおとしのためか、チラッと言葉だけ出て来た
生みの苦しみ等の苦悩については語られていない。
まだ尖んがりの取れていない彼がそこにいる。
もう一冊、「音楽は自由にする」は自らペンを取ったものらしいので読むのを楽しみにしている。
あんなに繊細で哀愁を帯びた音楽を作る人ってどういう背景があるのかなとも思って。
youtubeなどのインタビュを漁っていたのと、DJなどで聞いたような軽い口語体の文章から、読み出すといきなり彼の声が語りだした。
雑誌の連載を本にしたものらしいので軽い。ちょっと危険な香りのタイトルの理由もなるほどそうでしたか。。。(笑)
非常に幸運な人で、またチャンスをものにできる才能にあふれた人だということは判った。だからそれらをさらっと日常の光景のように語っている。
匿名の存在でありたかったのに、期せずして有名になった大きな戸惑いも語られているが、語りおとしのためか、チラッと言葉だけ出て来た
生みの苦しみ等の苦悩については語られていない。
まだ尖んがりの取れていない彼がそこにいる。
もう一冊、「音楽は自由にする」は自らペンを取ったものらしいので読むのを楽しみにしている。
2023年9月18日に日本でレビュー済み
1988-89年、37歳の時の連続インタビュー。『ラストエンペラー』公開の翌年にあたる。ロスやNYでの活動の話が中心だが、いま読み返すと、学生時代のエピソードも印象的だ。
中学生の時に知らない女子中学生からラブレターをもらい、母親が代わって、まだ早いと断りの手紙を書いたという。30歳を過ぎて有名になってから、その時の中学生がコンタクトしてきた。彼女はフィンランド語の翻訳家になっていた。(そういえば、稲垣晴美さんのエッセイ集『フィンランド語は猫の言葉』には「坂本君」の話が出てきたような。)
高校時代には、Sという親友とよくつるみ、一緒に学生運動もした。それから20年、Sは愛媛で政治家(自民党の!)の卵になっていた。その応援にいかざるをえなくなるエピソードがおもしろい。(Sはその後内閣官房長官や厚労大臣を歴任。)
中学生の時に知らない女子中学生からラブレターをもらい、母親が代わって、まだ早いと断りの手紙を書いたという。30歳を過ぎて有名になってから、その時の中学生がコンタクトしてきた。彼女はフィンランド語の翻訳家になっていた。(そういえば、稲垣晴美さんのエッセイ集『フィンランド語は猫の言葉』には「坂本君」の話が出てきたような。)
高校時代には、Sという親友とよくつるみ、一緒に学生運動もした。それから20年、Sは愛媛で政治家(自民党の!)の卵になっていた。その応援にいかざるをえなくなるエピソードがおもしろい。(Sはその後内閣官房長官や厚労大臣を歴任。)
2012年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近、坂本さんの音楽を聴くようになって、そのバックグランドなどが気になり、
読んでみました。エッセイというのもありますが、軽いタッチでさらさらと弾かれた
ピアノみたいな感じで、小気味良く感じます。トーンダウンした当時のことも含め、
自分の過去も素直に、フラットな感じでさらさらと書かれています。
氏の広範なネットワーク、さりげないが光る知性、あまり束縛されたことが無い
ような半生、そしてYMOの前夜、その後などがわかります。
普通の家庭に育ったような表現をされていますが、親の知人、自身の学生時代の
友人の名前を拝見しますと、非常にインテリ、ハイソな印象を受けました。
意外だったのは、幼少からはやってはいるが、音楽の英才教育を受けるでもなく、
一時は、バスケットに走ったり、学生運動をアジテートするなど。生粋の文系の
ヒトと思っていたが、体育会系の面もあったというところ。
芸大もほとんど行かず、独学とか努力とかとは無縁?に歩み、あのような芸術性の
、もしくは先端性の高い音楽作品を生み出していくところに才能を感じます。
また、自ら海外のプロモーター等との契約をまとめるため、英語のスキルアップを
し、創作活動への束縛を無くすなどビジネスのセンスも高いと感じます。
エッセイとは言え、音楽作品同様、文章表現・内容に高い知能・知性を感じさせます。
今、”音楽は自由にする”も並行して読んでおりますが、こちらもお勧めできます。
読んでみました。エッセイというのもありますが、軽いタッチでさらさらと弾かれた
ピアノみたいな感じで、小気味良く感じます。トーンダウンした当時のことも含め、
自分の過去も素直に、フラットな感じでさらさらと書かれています。
氏の広範なネットワーク、さりげないが光る知性、あまり束縛されたことが無い
ような半生、そしてYMOの前夜、その後などがわかります。
普通の家庭に育ったような表現をされていますが、親の知人、自身の学生時代の
友人の名前を拝見しますと、非常にインテリ、ハイソな印象を受けました。
意外だったのは、幼少からはやってはいるが、音楽の英才教育を受けるでもなく、
一時は、バスケットに走ったり、学生運動をアジテートするなど。生粋の文系の
ヒトと思っていたが、体育会系の面もあったというところ。
芸大もほとんど行かず、独学とか努力とかとは無縁?に歩み、あのような芸術性の
、もしくは先端性の高い音楽作品を生み出していくところに才能を感じます。
また、自ら海外のプロモーター等との契約をまとめるため、英語のスキルアップを
し、創作活動への束縛を無くすなどビジネスのセンスも高いと感じます。
エッセイとは言え、音楽作品同様、文章表現・内容に高い知能・知性を感じさせます。
今、”音楽は自由にする”も並行して読んでおりますが、こちらもお勧めできます。
2008年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
子ども時代、高校紛争体験、アルバイトや演劇にかかわった芸大時代から、YMOを経て国際的な活動をするまでに至る坂本龍一の足跡が、本人の語りおろしで辿れる一冊。
サロンピアニスト、バックバンドメンバーから少しずつ音楽活動を広げていく様子、世間に顔が知られるようになる過程でのひきこもり体験、アメリカに生活拠点を移す過程での英会話レッスンなどが語られ、意外に地味な道を通って、一歩一歩坂本龍一が形成されていったことを知ることができる。
ただ本の制作当時は活動の拡大期であったからか、世界的有名人との交流やハリウッドの仕事について手放しに喜んでいる雰囲気が話の基調にある。
911以降の視点、また人生経験を積み重ねた現在の坂本氏なら、語り口が少し別のものになるのではないかと思う。
最近話題にするようになった子どもについてなどは、本書では言及がない。
サロンピアニスト、バックバンドメンバーから少しずつ音楽活動を広げていく様子、世間に顔が知られるようになる過程でのひきこもり体験、アメリカに生活拠点を移す過程での英会話レッスンなどが語られ、意外に地味な道を通って、一歩一歩坂本龍一が形成されていったことを知ることができる。
ただ本の制作当時は活動の拡大期であったからか、世界的有名人との交流やハリウッドの仕事について手放しに喜んでいる雰囲気が話の基調にある。
911以降の視点、また人生経験を積み重ねた現在の坂本氏なら、語り口が少し別のものになるのではないかと思う。
最近話題にするようになった子どもについてなどは、本書では言及がない。
2013年9月6日に日本でレビュー済み
平成3年、文庫化されたときにすぐに購入した本。語り口調なのと、日常生活のことや過去のこと(学生時代から社会人になるまで)や仕事の話が中心で、むずかしい思想的なことはあまり語られていないので、話に入りやすい。
印象深い話はいろいろあるが、やはりYMO結成時の話。あとは「MONOSHIGOTO」(喪の仕事)という章の、当時の東大の松浪医師との対談も印象的。
印象深い話はいろいろあるが、やはりYMO結成時の話。あとは「MONOSHIGOTO」(喪の仕事)という章の、当時の東大の松浪医師との対談も印象的。
2018年3月7日に日本でレビュー済み
1988年から89年にかけての1年間に執筆した連載をまとめた内容です。その時々に感じた事などが綴られたエッセイ形式であり、坂本氏の人となりを知る事ができる内容です。
リアルタイムで当時を知らない人には新鮮に感じる事が多いと思います。現在にかけてデジタル機器やそれらを使ったサービスの発展は目覚ましく、坂本氏はもちろん音楽業界全体で多くの変化を強いられ、方向性が定まらず右往左往してきた時代です。しかし、現在とそれほど変わらぬ仕事ぶりに影響が大きかったのはビジネス側であって、制作はそれほど変わらないんだなと思いました。それよりもバブルの余波が十分に感じられる余裕を随所に感じました。
本書から感じた人物像は、普通の人が一生かけても手に入れない様な物を当たり前の様に持ってる人だなと思いました。盛ってる部分もあるとは思いますが、凡人からすれば信じられない事の連続です。それらを漠然と通り過ぎず、自分の糧にしているようです。
ネームバリューが極端に大きくなってしまったと思いますが、成功の後に押し寄せる誘惑の波に飲み込まれる事なく直向きに音楽に向き合ってると思います。
リアルタイムで当時を知らない人には新鮮に感じる事が多いと思います。現在にかけてデジタル機器やそれらを使ったサービスの発展は目覚ましく、坂本氏はもちろん音楽業界全体で多くの変化を強いられ、方向性が定まらず右往左往してきた時代です。しかし、現在とそれほど変わらぬ仕事ぶりに影響が大きかったのはビジネス側であって、制作はそれほど変わらないんだなと思いました。それよりもバブルの余波が十分に感じられる余裕を随所に感じました。
本書から感じた人物像は、普通の人が一生かけても手に入れない様な物を当たり前の様に持ってる人だなと思いました。盛ってる部分もあるとは思いますが、凡人からすれば信じられない事の連続です。それらを漠然と通り過ぎず、自分の糧にしているようです。
ネームバリューが極端に大きくなってしまったと思いますが、成功の後に押し寄せる誘惑の波に飲み込まれる事なく直向きに音楽に向き合ってると思います。
2005年12月25日に日本でレビュー済み
ソロピアノコンサートに行ったのがきっかけで、久しぶりに読んでみました。
「月刊カドカワ」の1988年10月号〜1989年9月号に連載されたものを纏めたものです。
(速記者のクレジットがあるので、語り下ろしと思われます。)
アルバムでいえば「Beauty」のリリース前であり、そのため、アルバム「Beauty」のレコーディング当時の様子や、
その「Beauty」の曲が使われたビールのテレビCM撮影秘話(?)等が喋り言葉で書かれているので、非常に読みやすいです。
そのほかにも、中高生時代の思い出や、高校〜大学時代にかけて関わった学生運動の思い出と絡めて、
連載当時、世界を揺るがせた天安門事件について語るところなどは、音楽家以外の側面を垣間見ることが出来て、親しみを覚えました。
又、「戦場のメリークリスマス」の音楽を担当することになった経緯や、そのことが「ラストエンペラー」に繋がり、
結果的にアカデミー賞受賞という、正に「世界のサカモト」へとステップアップしていくところは、
ビジネス面からみたアーティストとしてのシビアさとして興味深く読めました。
「月刊カドカワ」の1988年10月号〜1989年9月号に連載されたものを纏めたものです。
(速記者のクレジットがあるので、語り下ろしと思われます。)
アルバムでいえば「Beauty」のリリース前であり、そのため、アルバム「Beauty」のレコーディング当時の様子や、
その「Beauty」の曲が使われたビールのテレビCM撮影秘話(?)等が喋り言葉で書かれているので、非常に読みやすいです。
そのほかにも、中高生時代の思い出や、高校〜大学時代にかけて関わった学生運動の思い出と絡めて、
連載当時、世界を揺るがせた天安門事件について語るところなどは、音楽家以外の側面を垣間見ることが出来て、親しみを覚えました。
又、「戦場のメリークリスマス」の音楽を担当することになった経緯や、そのことが「ラストエンペラー」に繋がり、
結果的にアカデミー賞受賞という、正に「世界のサカモト」へとステップアップしていくところは、
ビジネス面からみたアーティストとしてのシビアさとして興味深く読めました。