鷺沢萠さんがこれを書いたのがまだ22歳。
いろいろな経験をしてそのすべてを本能的に選んだ言葉で物語を編んでいく。
文庫で若き日の北方謙三さんが解説で「嫉妬する」と打ち明けている。
「注意深く選ばれた言葉で書かれた文章はそれだけで読むに値する」とも。
小説が好きな人ならこの本は絶対好きになると思う。
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愛してる (角川文庫 さ 24-2) 文庫 – 1994/11/1
鷺沢 萠
(著)
いつだって吐瀉物の臭いのする店“ファッサード”に夜毎集まる仲間たち。彼らは皆、酔うことにも、愛することにも、いつだって熱かった。夜の喧噪と真昼の沈黙をとどめた作品集。(北方謙三)
- 本の長さ227ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1994/11/1
- ISBN-104041853028
- ISBN-13978-4041853023
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1994/11/1)
- 発売日 : 1994/11/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 227ページ
- ISBN-10 : 4041853028
- ISBN-13 : 978-4041853023
- Amazon 売れ筋ランキング: - 800,839位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年5月24日に日本でレビュー済み
表紙の絵がよいので手に取りました。
短編だったので,気軽に読めました。
「思ったり感じたりした者の勝ちだ。」
1行だけの伝言
最初は「真夜中のタクシー」
著者が何を感じたかが分かる。
短編だったので,気軽に読めました。
「思ったり感じたりした者の勝ちだ。」
1行だけの伝言
最初は「真夜中のタクシー」
著者が何を感じたかが分かる。
2007年12月23日に日本でレビュー済み
あとがきには1990年3月から2年間にわたって書き始めたとかかれている。16編の短編による連作小説集。
ステージはファッサードという若者向けのナイトクラブ。出演者はDJや従業員たち、常連の「わたし」や女の子たち。米軍基地が近くにあるためか、ハーフも多い。10ページくらいの長さで、とても読みやすい。
人間たちが雑然としていて、みだらな部分もありそうな感じがするが、まったくない。そこが鷺沢文学の大きな特徴だ。「白い紙をレイプする煙草の先を凝視した。(「Nothing Will Be It Was」)」というようなトゲのある表現もたまにはあるだけだ。ベッドシーンなどひとかけらもない。
クラブの常連になって、一歩踏み込んで知り合いになった人たちのスケッチといえるのだろうか。なぜなら、「わたし」は登場人物たちの誰からも名前を呼びかけられないだ。どこまで読んでも「わたし」なのだ。つまりどこまでいってもお客としての一線が微妙に残っている。それがゆえにセックスの場面までは至らず、「知り合い」のスタンスから踏み込めていないのだろう。寂しいけれど、好奇心があるけれど、ベタつくようなのはウザイ、深入りして縛られるのはイヤ、だから程々のところにいる。その代わり、批評と比喩の巧みさで小説は構成される。
解説を北方謙三が請け負っているが、そのタイトルが「小説の言葉」。まさにレトリックで勝負しているという指摘だ。「無国籍の青年群像」を巧みに「小説の言葉」で構成する作家を「この作家の、今後は気になる」として「やりきれないほどの切なさを抱えたままほほえんでいる」「後姿の孤独」を見て取っている。踏み込めない青年たち、そして作家自身。彼らに北方は戸惑ってみせているが、作家の将来をこの時点ですでに予測し、案じたのではなかっただろうか。
ステージはファッサードという若者向けのナイトクラブ。出演者はDJや従業員たち、常連の「わたし」や女の子たち。米軍基地が近くにあるためか、ハーフも多い。10ページくらいの長さで、とても読みやすい。
人間たちが雑然としていて、みだらな部分もありそうな感じがするが、まったくない。そこが鷺沢文学の大きな特徴だ。「白い紙をレイプする煙草の先を凝視した。(「Nothing Will Be It Was」)」というようなトゲのある表現もたまにはあるだけだ。ベッドシーンなどひとかけらもない。
クラブの常連になって、一歩踏み込んで知り合いになった人たちのスケッチといえるのだろうか。なぜなら、「わたし」は登場人物たちの誰からも名前を呼びかけられないだ。どこまで読んでも「わたし」なのだ。つまりどこまでいってもお客としての一線が微妙に残っている。それがゆえにセックスの場面までは至らず、「知り合い」のスタンスから踏み込めていないのだろう。寂しいけれど、好奇心があるけれど、ベタつくようなのはウザイ、深入りして縛られるのはイヤ、だから程々のところにいる。その代わり、批評と比喩の巧みさで小説は構成される。
解説を北方謙三が請け負っているが、そのタイトルが「小説の言葉」。まさにレトリックで勝負しているという指摘だ。「無国籍の青年群像」を巧みに「小説の言葉」で構成する作家を「この作家の、今後は気になる」として「やりきれないほどの切なさを抱えたままほほえんでいる」「後姿の孤独」を見て取っている。踏み込めない青年たち、そして作家自身。彼らに北方は戸惑ってみせているが、作家の将来をこの時点ですでに予測し、案じたのではなかっただろうか。
2012年9月14日に日本でレビュー済み
若かりし鷺沢萠が映像として浮かぶ。
まるで、彼女が主人公で当時を回想しながら言葉を紡いでいるように見えてしまう。
行きつけの店“ファッサード”には愛すべき人たちがたくさんいる。
バカ騒ぎして友達の家に押しかけたり、夜中突然電話を寄こしたり、正体不明になるまで酔い潰れて介抱してもらったり…。
そんなの全然ダメじゃんって思うかもしれないけど、すごく理解できて共感できて泣きたいような気持ちになる。
どんなにつらくても、どんなに苦しくても、そして生きづらくても、愛してる人たちがいるだけで、なんとかなる。
そんな気持ちにさせられるのだ。
まるで、彼女が主人公で当時を回想しながら言葉を紡いでいるように見えてしまう。
行きつけの店“ファッサード”には愛すべき人たちがたくさんいる。
バカ騒ぎして友達の家に押しかけたり、夜中突然電話を寄こしたり、正体不明になるまで酔い潰れて介抱してもらったり…。
そんなの全然ダメじゃんって思うかもしれないけど、すごく理解できて共感できて泣きたいような気持ちになる。
どんなにつらくても、どんなに苦しくても、そして生きづらくても、愛してる人たちがいるだけで、なんとかなる。
そんな気持ちにさせられるのだ。
2005年12月12日に日本でレビュー済み
いやいや、素晴らしい作品です。
ファっサードという名前の店とそこに集うものたちの人間模様を書いた連作短編。
ファッサードが人々の拠り所となっているて、そこに集う人たちはやっぱりどこか退廃的であるのだが、それでも前を向いて生きているというか、生きているその一瞬、突然に感じる苦い痛みだとか孤独だとかを絶妙な筆致で丁寧に書き出していくことに成功している。
お勧め。
ファっサードという名前の店とそこに集うものたちの人間模様を書いた連作短編。
ファッサードが人々の拠り所となっているて、そこに集う人たちはやっぱりどこか退廃的であるのだが、それでも前を向いて生きているというか、生きているその一瞬、突然に感じる苦い痛みだとか孤独だとかを絶妙な筆致で丁寧に書き出していくことに成功している。
お勧め。
2005年6月11日に日本でレビュー済み
「ファッサード」という酒場に集う仲間たちの物語。いろんな男、いろんな女がいて、それぞれの物語がさらりとした湿度で描かれている。皆に共通しているのが「やさしさ」。喪失感を抱えながらも時に痛々しく、切なくなるほどのやさしさ。
日常でついやりきれなくて空を仰いでしまう人、自分の居場所を模索している人、世間との距離を感じてしまう人に読んでほしい本です。あったかくて、ホロリときますよ。
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