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畏悦録: 水木しげるの世界 (角川文庫 み 18-52 怪BOOKS) 文庫 – 2007/7/1

4.1 5つ星のうち4.1 36個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川書店 (2007/7/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/7/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 361ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4041929253
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041929254
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 36個の評価

著者について

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水木 しげる
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1922年、鳥取県生まれ。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」など著書多数。1991年、紫綬褒章受章。妖怪と精霊を求めて全世界を旅する。1996年 に郷里の境港市に「水木しげるロード」を設立し、「世界妖怪協会」の会長に就任、「世界妖怪会議」を開催する。2003年、旭日小綬章受章(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『姑娘』(ISBN-10:406276735X)が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
5つのうち4.1つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2021年7月30日に日本でレビュー済み
漫画『畏悦録――水木しげるの世界』(水木しげる著、角川文庫)は、水木しげるの選りすぐりの怪奇譚、狂気譚、幻想譚13篇を収録した短篇集です。

とりわけ印象に残るのは、『終電車の女』です。

売れない漫画かき・山本が、終電車が去ってしまった駅で、若く美しい女に出会います。二人は恋に落ちるが、山本以外の人間には女の姿は見えず、声も聞こえません。心霊研究で有名な椿博士によれば、霊界からやって来た女だというのです。椿博士は女に、「生存者と死者がいっしょになったって不幸になるばかりだ。死者は死者の国にゆくのが、この自然界の掟です。あなたはそれを勝手に破って、生者の世界にさまよっているのです。早くかえりなさい。あなたの魂の安らぎを得る場所は死者の国だけです」と諭すが、女は言うことを聞きません。

「小さな家だったが、二人は誰にも邪魔されることもなく、幸せな毎日だった・・・。だがそれもつかの間のできごとにすぎなかった」。

椿博士が霊媒を通じて頼んだ12、3人の僧たちが一斉に念力を込めて唱えた呪文によって、「彼女は悲鳴と共に星空の彼方に消えて行った・・・」。

「山本にとってこの一年内に起こった数々の不思議なできごと――彼女との出会い、彼女にまつわる不思議な事件、そして彼女とすごした幸福な日々や悲しい別離、それらはまるで夢の中のことのようにしか思われなかった」。

「終電車の駅をあるいてみるのだった。しかし彼女の姿は二度とみることができなかった・・・」と、結ばれています。

上質な短篇小説を思わせる作品です。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラストの、「最初の米」が読みたいばかりに購入。やはり、この独特の味はこの作者でないと出せない。
2020年6月17日に日本でレビュー済み
水木さん独特の風刺や哲学が満載の怪奇漫画集。「終電車の女」「霊形手術」「コケカキイキイ」「最初の米」などが特に好きです。
2021年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
水木さんの作品って、暗くて陰々滅々としてたんだなと、この本を読んでよく分かった。
楳図かずおも真っ青な、人間の怨念がこもったようなものが、持ち味だったんだねえ。
海外ホラーのラヴクラフトみたいなものを、目指していたのかな。そのあたりに水木さんの作家魂があったのかもしれませんね。
ブレイクした鬼太郎シリーズを描くにあたって、「子ども向けの可愛い表現に苦労した」と言っていたけど、この作品集を見るかぎり、さもあらん、という感じ。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2004年9月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
**[血太郎奇談]より**
自分の子供が猫の皮を手で剥ぐ姿を見て、父親は淡々と注意する。
「ネコの皮ははぐもんじゃないよ。ネコは食べるもんじゃないんだから」
自分の周りで起こる異常な出来事に対して無感情な人々。
そんな人々がこちらの世界にもじわじわと浸透してきています。
彼らと彼らの世界を異常だと思うのなら、たぶんあなたは
正常な方なのでしょう。
あなたはどうですか・・。
「異常」な事、していませんか・・。
「正常」な世界に住んでいますか・・。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年10月14日に日本でレビュー済み
 過去に刊行された本のリニューアル版。
本の目次内容は、すでに他のレビューで詳しく書かれているのでそちらにゆずるとして、
この本は水木しげるワールドで描かれた良質な短編集であるということです。

漫画の中に時々出てくる、人生を達観したようなセリフには、思わず納得するものもあります。

水木ファンなら面白いと思う作品が詰まっていますし、水木ファン以外でも気軽に楽しめる長さの
作品ばかりなのでお勧めです。

水木さんは、鬼太郎だけじゃないと気づくはずです。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こちらの本を新品を購入したのですが、日焼けがもの凄く、まわりに傷が沢山あって、中身のあちらこちらにシミがあり、表紙にシールの剥がした跡があり粘って汚い、とても新品とは思えないほどボロボロに痛んだ本が送られてきました。
即刻返品させてもらいます。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2005年6月18日に日本でレビュー済み
本書はちくま文庫の「妖怪ワンダーランドシリーズ」とダブらないように編集されてい
て、たいへん好感をもてます(重複は「最初の米」だけ)。しかしのちに出版された「異
界への旅」(中公文庫)と、嶋中書店の「妖怪パラダイス」の収録作品と半分近く重複す
る結果となってしまいました。本書に責任はありませんがもったいないと思います。
とはいうものの本巻に収録されている怪奇物--猫又、墓守虫、血太郎奇談、暑い日、霊
形手術、木枯し--は『妖猫夜話』収録の「猫又」をのぞくと、本書以外では現在入手不
可となっています。しかも、全編が不安な調子で描かれている「血太郎奇談」をはじめ、
作品もみごとな出来映えですので、お読みになっていない方には、やはりお勧めです(
2005年6月現在)。なお「霊形手術」はテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(カラー版)
の原作となっています。
「終電車の女」
「猫又」
「墓守虫」
「血太郎奇談」
「大人物」
「一番病」
「暑い日」
「霊形手術」
「木枯し」
「天国」
「ヘンラヘラヘラ」
「コケカキイキイ」
「最初の米」
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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