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愛しき者はすべて去りゆく (角川文庫 レ 6-4) 文庫 – 2001/9/21
- 本の長さ567ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2001/9/21
- ISBN-104042791042
- ISBN-13978-4042791041
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商品の説明
商品説明
寝室から突然消えたアマンダ・マックリーディの捜索を依頼してきたアマンダの叔母ビアトリスが明かすアマンダの暮らしは、とても幸せとはいえなかった。母親のヘリーンは麻薬とアルコール中毒で定職もない。娘の失踪にも本気で心配するどころか、テレビの取材に娘の無事を訴える自らの演技に夢中になっている始末。
満ち足りた幼年期を送ったとはいえないパトリックは、この事件で傷つくのが怖い。しかし、これまで補佐役に徹していたアンジーがこの事件に異様な執着をみせることで2人の気分がすれ違ったまま依頼を受けることになる。
警察との良好な協力関係によって捜査は進み、アマンダ奪回のための映画ばりのハデなアクションシーンまで物語は一気にのぼりつめる。しかし中盤で、まるでエンストをおこした車のように物語は停滞する。これは単純な幼児誘拐事件ではないらしい。麻薬取引と取引の途中で盗まれた20万ドル、組織の仲間割れなどが絡んで事件の真相がいっこうに見えてこない。見えたと思ったら裏があり、その裏にはさらに裏がある。
複雑な展開が最後まで飽きさせない。これほどの長編を引っ張っておきながら、なんとも後味の悪いエンディングを用意するところなどは、レヘインの真骨頂といったところか。この答えでほんとうによかったのか。パトリックと共に迷い悩みながら、読者はひたすらに続編を待ち望むことになるだろう。(木村朗子)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2001/9/21)
- 発売日 : 2001/9/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 567ページ
- ISBN-10 : 4042791042
- ISBN-13 : 978-4042791041
- Amazon 売れ筋ランキング: - 181,629位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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以下はネタに触れるので未読の方は読まないでください。
ここで使われている低年齢の人に対する性的な虐待や被害は欧米の推理小説にはもうありきたりの感がありますが、それでもそういう事をするサディスティックで自分の快楽の為なら何でもやる異常な人間や虐待や異常性欲の殺人犯に対するに対する憎しみや憤りが行間から立ち込めてくる、著者の語りたい衝迫を感じました。このシリーズで敢えてありきたりのネタを使った事でミステリとして質が劣ると批判される覚悟で書いた熱気と意気込みを感じました。なので、ネタはありきたりですし、異常心理ものとしてはありきたりで部分的には表層的な感じもしましたが、強い読み応えを覚えました。
暴力シーンもこの手の小説ではカタルシスを感じる物が多いですが、この作品では暗い衝動としての暴力を感じて、その熱気にむせかえる様な物を思いました。
また、シリーズとしても佳境に入った感があり、この後の展開が気になるシリーズ物としての面白さも兼ね備えた、良く出来た作品だと思いました。著者も丁度脂の乗り切った成熟さを得たのかもしれませんね。
次回が楽しみな第4作。是非シリーズ順に。
って登場人物を理解するに少々難儀しながら、
最後の結末にやりきれない思いがドッと押し寄せてきました。
この国の幼児虐待と言うものがこれほど酷いものなのか、その酷さに付いていけない。
日常的にあるならば、いや他の本を読んでもあるのだから日常的なのだろう。
ヘリーンとアンジー同じ女性でありながら何処を越えたら対極にいる人間になるんだろう。
何が人間を狂わせたらここまでの犯罪が生まれるんだろうか?
ヒーローが出てきてちゃっちゃと解決するわけではない内容です。
でも良いか悪いかは別として憤りを感じた警察官が
「おれは護り、仕えるために雇われてる」と言う言葉が、この物語の趣旨なのかと・・
最後にアンジェが取ろうとした行動。
読み手にそうなって欲しいという期待を裏切ってくれた本でした。
それ故にやり切れないものが残った作品だと思う。
言えない家庭から連れ去られた少女を街を挙げての捜索が開始される。
パトリック&アンジーはいやいやながらもこの事件を引き受けることになる、という
物語の最初はごくごく普通の展開だが、その後のストーリー展開は
読者を心地よく裏切ってくれます。
私はかねてからレヘインのパトリック&アンジーシリーズ(本作は
第四弾)は、第1作から順番に読むべきだとお勧めして来ましたが、
本作を読んで初めて、その必要もそれほどではないなと思いました。
レヘインはちゃんと途中から読んだ最近の読者も
置いてけぼりを食わせないように配慮してくれています。
この探偵小説の良さは、本当はスーパーヒーローなんても
どこにもいない現実社会の中で、ほんの一瞬脚光を浴びてしまうときの
人間の弱い心を誰もが持っていることがよくわかることでしょう。
「ミスティックリバー」でレヘインを知った方にも、本当のレヘインの
良さはパトリック&アンジーシリーズだということを知って欲しいです。
行方不明の子供をとりまく大人たちの人物描写は見事。
また、シリアスなストーリイ進行の中で彼らのセリフがほっと息抜きさせてくれたりするのもありがたい。
子供の虐待は大きな社会問題となっているけれど、それを突きつけられた感じで読み終えたあとも深く心に残るものがあります。
パトリックとアンジーの関係も男女という枠を超えたもののような気がします。
ノンストップサスペンスとして一級のエンタテイメントであり、かつ人間の物語としても読み応えがあります。
ジェフリー・ディーバー以来なかなか読み応えのある作品に出会えなかったのですが、しっかりルヘインファンになりました。
麻薬とアルコール中毒で定職もない母親が目を離した隙に、私生児の4才の少女アマンダが消えた。事件が起きてから3日が過ぎても、彼女の行方はいっこうに知れなかった。パトリックとアンジーに事件を持ち込んだのは、アマンダの伯父夫婦だった。夫妻の執拗な依頼に、きわめて見込みの薄いこの事件をやむなく引き受ける。
やがて少ない手がかりから、ふたりは、アマンダの母親が麻薬の売人の手伝いをして、その売上金の20万ドルを着服し、アマンダは金を盗られた売人に誘拐されたのではないかとギャングがらみの怪しげな人間関係を突き止める。しかし、警察を巻き込んでの大掛かりな捕り物も大物ギャングは殺されるは、20万ドルは無くすはと失敗に終わり、捜査は振り出しに戻ってしまう。
月日は流れ、それから約半年後、警察の腐敗と結びついたボストンの深い闇が姿を現わし、再び事件が動き出す。そして意表をつく真相が・・・。
レヘインのストーリー・テリングは、決して短くないこの作品を一分の隙もなく、ぐいぐいと惹きつけて離さず最後の最後まで“読ませる”。そして運命はまたしても主役ふたりに過酷な試練を与える。本書はシリーズ最長ながら圧倒的なリーダビリティーを持った最大の問題作である。
破局へと向かっていくのが感じられながらも、物語は意外な展開へ突き進んでいきます。そして、事件はパトリックとアンジー、二人の関係にも影響を及ぼしていきます。
はやくこの続きが読めることを切に願います。