フィツジェラルドの作品をはじめて読んだ。
表題作「ベンジャミン・バトン」について書く。
単なる私的な印象でしかないのか、ベンジャミンの母親の影が、非常に薄い。
冒頭から前面に登場するのは、父親ばかりだった気がする。父親は、生まれた子の心配ばかりで、妻の心配をしていない。怪しい。奇妙だ。母親の不在? 生まれた以上、母親はいる? 母はいるけれども、妻とは別人?
姿を現した時には、自分の父や祖父よりも年老い、年をとれば、自分の息子や孫よりも幼くなってしまう。――ベンジャミンは、彼の父と〈時〉という名の母との間に産み落とされた私生児だった。
煙草を吸うベンジャミンに注意する父親。姿は老人だから、喫煙しても問題ない気はする。戸籍上、法律上の、問題あり、というわけか。
若者ぶるな、と注意する息子。姿は若者なのだから、若者ぶるのではない。若さそのものを満喫しようとするのだが、戸籍上、ベンジャミンはいい年であり、問題があるらしい。
彼は自らの〈未来〉とともに姿を現し、〈過去〉の中へと消えていく。彼の肉体のなかだけは、〈時〉が逆行して流れていたのだ。まさに、――〈数奇な人生〉。
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (角川文庫) 文庫 – 2009/1/23
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歳を取るごとに若返り、0歳で生涯を終えた男の物語。
生まれたときは老人だったベンジャミン・バトン。彼は時間の経過と共に徐々に若返っていく。彼を最後に待つものは――(「ベンジャミン・バトン」)。フィツジェラルドの未訳の作品を厳選した傑作集。
生まれたときは老人だったベンジャミン・バトン。彼は時間の経過と共に徐々に若返っていく。彼を最後に待つものは――(「ベンジャミン・バトン」)。フィツジェラルドの未訳の作品を厳選した傑作集。
- ISBN-104042976034
- ISBN-13978-4042976035
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2009/1/23
- 言語日本語
- 寸法10.41 x 1.27 x 14.73 cm
- 本の長さ240ページ
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商品の説明
著者について
●フィツジェラルド:1896年、ミネソタ生まれ。ヘミングウェイとともに「失われた世代」の作家として知られる。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2009/1/23)
- 発売日 : 2009/1/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4042976034
- ISBN-13 : 978-4042976035
- 寸法 : 10.41 x 1.27 x 14.73 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 309,443位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2021年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画を観てから、原作を読みました。
あまりに短編でちょっとガッカリ。
でも、その他のお話が面白かったです。
あまりに短編でちょっとガッカリ。
でも、その他のお話が面白かったです。
2022年6月6日に日本でレビュー済み
文章が読みにくい。訳者があまり文にこなれた方ではないように思います。
訳が正確かどうかについては分かりませんが、日本語そのものに違和感を覚えるような文章がちらほらあります。
訳が正確かどうかについては分かりませんが、日本語そのものに違和感を覚えるような文章がちらほらあります。
2016年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ところどころ原文とは意味が違う誤訳があるように感じます。
それでも大方のあらすじはつかめるものの、原文ではわかりづらい部分の訳に限って間違っていたりするので、あまりおすすめしません。
正確な訳を求めるのなら、多少高くても単行本を買うことをおすすめします。
それでも大方のあらすじはつかめるものの、原文ではわかりづらい部分の訳に限って間違っていたりするので、あまりおすすめしません。
正確な訳を求めるのなら、多少高くても単行本を買うことをおすすめします。
2019年6月11日に日本でレビュー済み
"やがて真っ暗になり、白いベビーベッドも、頭上で動いていたぼんやりした大人たちの顔も、ミルクの温かく甘い香りも、すべてが闇のなかへと遠のいていった。"表題作を原作とする映画がアカデミー3部門を受賞した本書は、著者の中学生時代の作品など多彩な短編が収録されていて興味深い。
個人的には、著者の作品と言えば『グレート・ギャツビー』以外は実は未読であった事から本書を手にとったのですが。実質的な処女作とも言える13歳の時に校内誌で発表した探偵小説(!)『レイモンドの謎』モコモコ犬の一人称視点で書かれた『モコモコの朝』そして、著者と妻であるゼルダとの関係性を思わせる『異邦人』など、本書では著者の幅広く多面的な作風を知ることが出来て新鮮でした。
また表題作の『ベンジャミン・バトン』が映画では2時間超で人生について深く考えさせられる温かく優しい作品になっているにも関わらず、原作となる短編では、何ともこちらは淡々と書かれていて、率直に言って【原作より、映画の方がよく出来ている】そんな割と珍しい感想を持ったりしました。
【重要とされる作品以外の】著者の魅力を感じたい誰かに、また短編好きな誰かにオススメ。
個人的には、著者の作品と言えば『グレート・ギャツビー』以外は実は未読であった事から本書を手にとったのですが。実質的な処女作とも言える13歳の時に校内誌で発表した探偵小説(!)『レイモンドの謎』モコモコ犬の一人称視点で書かれた『モコモコの朝』そして、著者と妻であるゼルダとの関係性を思わせる『異邦人』など、本書では著者の幅広く多面的な作風を知ることが出来て新鮮でした。
また表題作の『ベンジャミン・バトン』が映画では2時間超で人生について深く考えさせられる温かく優しい作品になっているにも関わらず、原作となる短編では、何ともこちらは淡々と書かれていて、率直に言って【原作より、映画の方がよく出来ている】そんな割と珍しい感想を持ったりしました。
【重要とされる作品以外の】著者の魅力を感じたい誰かに、また短編好きな誰かにオススメ。
2018年4月1日に日本でレビュー済み
映画の公開がきっかけであれフィツジェラルドの未訳の小説を読むことができることは、私にとってこれ以上ない喜びである。ただこの本の一番の問題は、小説の内容ではなく翻訳である。私は永山篤一という翻訳家を知らない。また原文と照らし合わせて読んだわけではない。しかしあきらかに日本語としてこなれていない文章を読むにつけなぜこの人に依頼をしたのか、角川書店の決定には大きな疑問符が付く。特に「ダンス・パーティの惨劇」では語尾の不一致を初めとして下手な日本語に読んでいて文章がすんなり頭に入ってこないし、「家具工房の外で」におけるフランス語会話に点けられている変なルビも気になってしまう。即刻村上春樹にでも再翻訳をお願いしたいところだ。フィツジェラルド素晴らしさを再認識するにつれ、自分の語学力を棚にあげて原書で読んでみようと本気で思った。
2016年7月2日に日本でレビュー済み
スコット・フィツジェラルドの未訳の短編の作品中心の短編集。映画化された「ベンジャミン・バトン」、米国南部の奔放な美人アイリーが魅力的な「最後の美女」、人生には華やかな一時があり、それは残念ながら長くは続かないと感じてしまう「異邦人」、人生に少し疲れた男が即効のファンタジーで娘の相手をするというアイデアが素晴らしい「家具工房の外で」などが特に傑作だと思います。
エドワード・ホッパーの作品を使ったカバーもオシャレで気に入っています。少し残念なのは、翻訳の日本語。文末の表現が若干統一されていなかったり、会話の一人称がなんとなくストーリーにマッチしていなかったりしている気がして、この辺りは一度気になり始めてしまうと、読みながらどうしても気になってしまいました。そのため、2つ減点して3点にしています。
エドワード・ホッパーの作品を使ったカバーもオシャレで気に入っています。少し残念なのは、翻訳の日本語。文末の表現が若干統一されていなかったり、会話の一人称がなんとなくストーリーにマッチしていなかったりしている気がして、この辺りは一度気になり始めてしまうと、読みながらどうしても気になってしまいました。そのため、2つ減点して3点にしています。
2009年3月27日に日本でレビュー済み
この文庫はベンジャミンバトンと他の合わせて7つの短編集である。
ここにのっているベンジャミンバトンは映画「ベンジャミンバトン 数奇な人生」とは
大幅に違う。
ネタばれ注意
一つめ 父がベンジャミンを捨てない
二つ目 映画では生まれたとき体は老人、心は赤ん坊だったが
この本のベンジャミンは心も老人からである
三つめ 映画は主に恋愛を中心にしてある
このほかにも違う点はいっぱいある。
まぁ映画が違うのだが
だから全く違うといっても過言ではない。
ただ一つの共通点は数奇で切ない人生であることだ。
また短編なので映画の方が逆に長いのである。
しかしコンセプトとして、小説版として
面白い部分は多々あるので読んでみるといいかも。
ここにのっているベンジャミンバトンは映画「ベンジャミンバトン 数奇な人生」とは
大幅に違う。
ネタばれ注意
一つめ 父がベンジャミンを捨てない
二つ目 映画では生まれたとき体は老人、心は赤ん坊だったが
この本のベンジャミンは心も老人からである
三つめ 映画は主に恋愛を中心にしてある
このほかにも違う点はいっぱいある。
まぁ映画が違うのだが
だから全く違うといっても過言ではない。
ただ一つの共通点は数奇で切ない人生であることだ。
また短編なので映画の方が逆に長いのである。
しかしコンセプトとして、小説版として
面白い部分は多々あるので読んでみるといいかも。