読んだ印象は『
フィールド・オブ・ドリームス
』。野球が大好きという国民性もあるのかもしれないけど、キャッチボールという行為が、あちら側とこちら側を繋ぐメタファーになっている。しかし、『フィールド・オブ・ドリームス』にとってグラウンドは一種の天国なんだけど、この作品では煉獄のような存在なんだよね。だから、死んだ弟との心温まる交流も、実は、お互いを縛り付けている残酷な鎖ということが分かってくる。
一方、もう一つ登場するスポーツがヨット。これは、チャーリーを墓地に縛り付けているのとは対照的に自由の象徴になっている。しかし、それと同時に、海=彼岸という古典的な世界観も示している。
様々な縛めがある中、一見、チャーリーが救われる作品に思えるけど、実は彼の選択が境界線上を漂う三人を救うことになる。
また、霊と話せる物語だから、ハートウォーミングな内容なのに最後までキャラクターの安否がスリリングに持続する(笑)
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きみがくれた未来 (角川文庫 シ 28-1) 文庫 – 2010/11/25
自分が運転中の事故で最愛の弟サムを失ったチャーリー。彼は弟が眠る墓地の管理人となり、夕方になると弟の幻とキャッチボールを続ける。そんなある日、チャーリーは美しい女性テスと出会うが--。
- 本の長さ350ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2010/11/25
- ISBN-104042982107
- ISBN-13978-4042982104
商品の説明
著者について
ハーヴァード大卒。2000年に奇想天外な愛の物語『ボクは747を食べてる人を知っています』で作家デビュー。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/11/25)
- 発売日 : 2010/11/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 350ページ
- ISBN-10 : 4042982107
- ISBN-13 : 978-4042982104
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,889,323位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,077位角川文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年7月14日に日本でレビュー済み
2010年12月2日に日本でレビュー済み
ここ最近、英米を中心にパラノーマル・ロマンスなるジャンルの小説が、注目を集めるケールが増えている。パラノーマル・ロマンスとは、SFやホラーなど超常現象的できごとが組み込まれた恋愛小説のことだ。
短篇では、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」などがそれだ。
長篇は、最近の日本に於いても人気を博している。たとえば、ヴァンパイアなどが登場する長篇『トワイライト』サーガなどもそれである。
わたしがこの長篇を好きなのは、恋愛一辺倒の小説ではないからだ。
恋愛一辺倒だと、疲れる。臭い科白が多いとなるとなおのこと。しかし、小説では恋愛は欠かせられない要素のひとつではないかなと思う。この小説は、臭い科白などないし、テンポもいい。恋愛のみならず、兄弟愛もしっかりと面白く書かれているところも、好感が持てる。
終始、単調なストーリーではなく、後半の壮絶な展開を迎える前に、サプライズが仕掛けられている。
普通の作家が書いたなら、コメディにもなりかねない展開を、そうは持っていかず、リアリティ溢れる展開に運ぶところに作者の力量がうかがえる。本書は後半に突入したのなら、もう後戻りはできない。サスペンスフルな展開にがっちりと、とらわれてしまうのだから。
サプライズとはいっても、それを知ってしまったからといって、つまらなくなるわけではない。なぜならそれはほんのオマケ程度であり、当然ながら、本書の本当の読みどころは、別の部分にあるのだ。
また、本書のラストはあたかもニコラス・スパークス『きみと選ぶ道』なる長篇恋愛小説そのものだが、発表年代はこちらが先であり、本書をそのスパークスが絶賛していることから、スパークスが影響を受けたことがわかる。けして、本書がマネをしたわけではないのである。
短篇では、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」などがそれだ。
長篇は、最近の日本に於いても人気を博している。たとえば、ヴァンパイアなどが登場する長篇『トワイライト』サーガなどもそれである。
わたしがこの長篇を好きなのは、恋愛一辺倒の小説ではないからだ。
恋愛一辺倒だと、疲れる。臭い科白が多いとなるとなおのこと。しかし、小説では恋愛は欠かせられない要素のひとつではないかなと思う。この小説は、臭い科白などないし、テンポもいい。恋愛のみならず、兄弟愛もしっかりと面白く書かれているところも、好感が持てる。
終始、単調なストーリーではなく、後半の壮絶な展開を迎える前に、サプライズが仕掛けられている。
普通の作家が書いたなら、コメディにもなりかねない展開を、そうは持っていかず、リアリティ溢れる展開に運ぶところに作者の力量がうかがえる。本書は後半に突入したのなら、もう後戻りはできない。サスペンスフルな展開にがっちりと、とらわれてしまうのだから。
サプライズとはいっても、それを知ってしまったからといって、つまらなくなるわけではない。なぜならそれはほんのオマケ程度であり、当然ながら、本書の本当の読みどころは、別の部分にあるのだ。
また、本書のラストはあたかもニコラス・スパークス『きみと選ぶ道』なる長篇恋愛小説そのものだが、発表年代はこちらが先であり、本書をそのスパークスが絶賛していることから、スパークスが影響を受けたことがわかる。けして、本書がマネをしたわけではないのである。