昔の風習や祭事において、女性の役割は何だったかということなどを様々な例から考察した本です。
教科書的な歴史の本は、戦関連やそれにまつわる男性の風習・活躍が中心に書かれているものが多い印象なので、
その裏で女性がどのような役割を担っていたかを理解・想像することができて面白かったです。
また祭りや祭祀についても書かれており、当時の宗教文化の一端を伺うことができて、そちらも興味深かったです。
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妹の力 (角川文庫 名著コレクション 34) 文庫 – 1984/7/1
柳田 国男
(著)
- 本の長さ335ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日1984/7/1
- ISBN-104043083106
- ISBN-13978-4043083107
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (1984/7/1)
- 発売日 : 1984/7/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 335ページ
- ISBN-10 : 4043083106
- ISBN-13 : 978-4043083107
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,259,626位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年11月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
角川ソフィア文庫の刊行している柳田国男さんの作品を集めているので、本作も買いました。
タイトルは『妹の力』となっていますが、中身は、表題作を含む12本の評論から成っています。以下、そのタイトルです。
1・妹の力
2・玉衣彦の問題
3・玉衣姫考
4・雷神信仰の変遷
5・日を招く話
6・松王健児の物語
7・人柱と松浦佐用姫
8・老女化石譚
9・念仏水由来
10・うつぼ舟の話
11・小野於通
12・稗田阿礼
冒頭の『妹の力』は古代の女性の担っていたと推論される、シャーマンの話。
『玉衣彦』と『玉衣姫』は、田植え女と巫女の同一性をその呼び名であるヲナリから導く話。
『雷神信仰』は菅原道真の怨霊がどのような巫術の手続きで天神に祀られたのかの話。
『日を招く話』は、田植え女と水の神の関連を探った話で、『松王健児』と『松浦佐用姫』は人柱伝説の話。
『老女化石譚』は巫女と比丘尼の石化伝説の逸話で、『念仏水』は死んだ子を追って入水した姥(乳母)が怨霊となり、それを神に祀ったという話。
『うつぼ舟』はあの有名な、UFO型の舟が浜に打ち上げられたというエピソードから、それ以外の箱型の舟の伝承を通して、震旦(中国)から姫と子供が流れてきたという神話を紹介し、箱や瓢箪が魂の入れ物であったと分析する話。
『小野』と『稗田』は共に、その一族の受け継いだ語り部の役割と衰退の話。
一貫して、古代~近世日本で女性の担った霊的役割が扱われていますが、古代シャーマニズム一本の評論集ではないので、カバーのタイトルと中身に少しズレはあるかも。
でも、おもしろい内容なので、読んで良かったです。
個人的にはレヴィ=ストロースの人類学・神話分析や、南米の作家、中上健次さんの小説が好きなので、一種の神話・文学批評としても楽しめました。
(ちなみに柳田国男さんの著作で抜群の切れ味だと思うのは『日本の祭』なので、未読の方はぜひ読んでみてください)
ところで、『うつぼ舟』の、海から箱に乗って地上に現れるという伝説は、そのまま箱舟神話や、山口昌男さんの著作にも見られる(たしかニューギニア辺りの民族の儀式の)胎児の出産のメタファーに類似するものがあるのではないでしょうか。
やはり、本作も興味が尽きませんでした。
タイトルは『妹の力』となっていますが、中身は、表題作を含む12本の評論から成っています。以下、そのタイトルです。
1・妹の力
2・玉衣彦の問題
3・玉衣姫考
4・雷神信仰の変遷
5・日を招く話
6・松王健児の物語
7・人柱と松浦佐用姫
8・老女化石譚
9・念仏水由来
10・うつぼ舟の話
11・小野於通
12・稗田阿礼
冒頭の『妹の力』は古代の女性の担っていたと推論される、シャーマンの話。
『玉衣彦』と『玉衣姫』は、田植え女と巫女の同一性をその呼び名であるヲナリから導く話。
『雷神信仰』は菅原道真の怨霊がどのような巫術の手続きで天神に祀られたのかの話。
『日を招く話』は、田植え女と水の神の関連を探った話で、『松王健児』と『松浦佐用姫』は人柱伝説の話。
『老女化石譚』は巫女と比丘尼の石化伝説の逸話で、『念仏水』は死んだ子を追って入水した姥(乳母)が怨霊となり、それを神に祀ったという話。
『うつぼ舟』はあの有名な、UFO型の舟が浜に打ち上げられたというエピソードから、それ以外の箱型の舟の伝承を通して、震旦(中国)から姫と子供が流れてきたという神話を紹介し、箱や瓢箪が魂の入れ物であったと分析する話。
『小野』と『稗田』は共に、その一族の受け継いだ語り部の役割と衰退の話。
一貫して、古代~近世日本で女性の担った霊的役割が扱われていますが、古代シャーマニズム一本の評論集ではないので、カバーのタイトルと中身に少しズレはあるかも。
でも、おもしろい内容なので、読んで良かったです。
個人的にはレヴィ=ストロースの人類学・神話分析や、南米の作家、中上健次さんの小説が好きなので、一種の神話・文学批評としても楽しめました。
(ちなみに柳田国男さんの著作で抜群の切れ味だと思うのは『日本の祭』なので、未読の方はぜひ読んでみてください)
ところで、『うつぼ舟』の、海から箱に乗って地上に現れるという伝説は、そのまま箱舟神話や、山口昌男さんの著作にも見られる(たしかニューギニア辺りの民族の儀式の)胎児の出産のメタファーに類似するものがあるのではないでしょうか。
やはり、本作も興味が尽きませんでした。
2015年6月23日に日本でレビュー済み
連載していた媒体ゆえ、女性に対する賞賛がちりばめられているのかな、とうがった見方もしてしまいましたが、基本的に民俗学をやると日本の母系社会ってところに突っ込んでいかないといけなくなるから、現代以上に女性の重要性を感じるのかもしれません。
のちの賢明なる女性研究者がよりくわしく研究してくれることを願う一文なんかからも、わりと女性にたいするスタンスがわかっておもしろかったり。
個人的には、小野於通からの「小野」姓の物語る力への考察が面白かったです。
小野姓の小説家を思い出したりして。
のちの賢明なる女性研究者がよりくわしく研究してくれることを願う一文なんかからも、わりと女性にたいするスタンスがわかっておもしろかったり。
個人的には、小野於通からの「小野」姓の物語る力への考察が面白かったです。
小野姓の小説家を思い出したりして。