やめられないとまらない。完全アタマがトリップ+スパーク。
歌野晶午ってすごゥィでそ。
・・あぁまずい、絵夢に乗り移られる!!!
女王様と私、という意味深なタイトルにひっかかった人に、
歌野晶午初心者にはことさら声を大きくして言いたい。
心して、読め。
主人公は44歳の引きこもり・・とはいえ本人にはその認識はなく、週一で吉牛にも行くし
アキバに月一でも行くから自分は引きこもりではないと断じている。
今日は妹・絵夢を連れて、日暮里(!)でデート。
そこでいきなり黒い帽子に全身黒づくめの洋服の攻撃的なXXからいちゃもんを付けられ・・!
絵夢のしゃべる独特な言い回し、メールの女子高生チックな表現方法、
時おり挟まれる主人公のおたく口調の蘊蓄。
ちょっと見イマドキのストーリー展開で、
おたく中年が女王様に振り回されるのを読者は高みから見物することになる。
ところがいきなり、物語は急転する。
詳しく書くとネタばれ一直線なので避けるが、最初の女王様の出会いの軽いジャブ、
女王様との主従関係の転換でボディーに衝撃、女王様に迫る魔の手のあたりでフック、
とどめにテンプルにストレートをもらった後に、中空でもう一度アッパーをもらう羽目になる。
で、気がついたら観客席にいた自分の目の前に降ってきたのはずだぼろの自分、という感じだろうか。
この、いつの間にか立場が反転しているというか、
いつしか自分の見ていたものが目の前で変化する感覚は、すげえぞ。と、言いたい。
以下、ミステリとかこの手の話が好きな人にはネタばれの可能性あり。
自称・ミステリマニアは読まない方がいいかもしれない。
・クラインの壷(井上夢人)
・イニシエーション・ラブ(乾くるみ)
・慟哭(貫井徳郎)
・ハサミ男(殊能将之)
あたりと同じ芸風。
一気にGを感じたいなら勧めないが、あえて併せて一気ヨミし、
作者の思惑通りにだまされるカイカンを味わいつくすのもまたよし。
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女王様と私 (角川文庫 う 14-6) 文庫 – 2009/9/25
歌野 晶午
(著)
さえないオタクの真藤数馬は、無職でもちろん独身。女王様との出会いが、めくるめく悪夢の第一歩だった……。ミステリ界の偉才が放つ、超絶エンタテインメント!
- 本の長さ494ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2009/9/25
- 寸法10.5 x 2 x 15 cm
- ISBN-104043595069
- ISBN-13978-4043595068
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商品の説明
著者について
1961年千葉県生まれ。東京農工大学卒。88年『長い家の殺人』でデビュー。2003年に刊行された『葉桜の季節に君を想うということ』が「このミステリがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の第1位に選ばれ、また第57回日本推理作家協会賞を受賞し、ベストセラーとなる。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング); 一般文庫版 (2009/9/25)
- 発売日 : 2009/9/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 494ページ
- ISBN-10 : 4043595069
- ISBN-13 : 978-4043595068
- 寸法 : 10.5 x 2 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 641,726位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年8月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「葉桜-」を踏まえてからの今作という視点で、序盤から種明かしが連発されるのはむしろ本格ミステリというジャンル小説というよりストーリーを読んでほしいという作者のアナウンスだろう。
魅力的な登場人物を作家一人が生み出せる数はそんなに多くないと思うが、歌野晶午はそのトップクラスの一人だろう。
ミステリのサプライズより人物造形で大いに楽しめる作品だと思うが、油断していると最後に投げ飛ばされることもあるかもしれない。
繰り返しになるが、サプライズだけではなく物語でも読ませる作品。
※悪質なネタバレレビューがあるのでそんなものを見るくらいなら読んだ方が確実に損が無いと断言
魅力的な登場人物を作家一人が生み出せる数はそんなに多くないと思うが、歌野晶午はそのトップクラスの一人だろう。
ミステリのサプライズより人物造形で大いに楽しめる作品だと思うが、油断していると最後に投げ飛ばされることもあるかもしれない。
繰り返しになるが、サプライズだけではなく物語でも読ませる作品。
※悪質なネタバレレビューがあるのでそんなものを見るくらいなら読んだ方が確実に損が無いと断言
2016年9月21日に日本でレビュー済み
『葉桜』レベルの腰の抜けるような大どんでん返しはないが、歌野の魅力はそれだけではないと思う
(といいつつ似たような叙述トリックが使われている。
ワンパターンだと非難する声もあるが、それで結局騙されて興奮する私にとって、それはマイナス評価には繋がらない)
主人公のオタクが「妹」を連れてさまざまな場所に「赴く」様子はワクワクするものがある
大どんでん返しばかりを期待せずに純粋に登場人物の動向を見届けてみると、
ミステリという枠を超えて楽しめる作品ではなかろうか
(といいつつ似たような叙述トリックが使われている。
ワンパターンだと非難する声もあるが、それで結局騙されて興奮する私にとって、それはマイナス評価には繋がらない)
主人公のオタクが「妹」を連れてさまざまな場所に「赴く」様子はワクワクするものがある
大どんでん返しばかりを期待せずに純粋に登場人物の動向を見届けてみると、
ミステリという枠を超えて楽しめる作品ではなかろうか
2005年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
フィギュアを持ち歩く「オタク」が主人公。
わけのわからない話に頭がクラクラ。
そんなぁ、って思うような無理な展開があったりして、とってもヘンな話。
で、最後は納得。
途中、主人公の行動にパターンに飽きてダレるけれど、一気読みをお薦めします。
わけのわからない話に頭がクラクラ。
そんなぁ、って思うような無理な展開があったりして、とってもヘンな話。
で、最後は納得。
途中、主人公の行動にパターンに飽きてダレるけれど、一気読みをお薦めします。
2019年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「現在」→「妄想」→「現実」の3部作構成になっています。9割方が「妄想」部分であります。当然、この本の良し悪しは、この「妄想」部分の出来映え次第と云うことになります。
この部分でのロリコン中年男性と小学生6年生の女の子とのデートシーンは、まずまず面白かったでした。気弱で優しいデブ男と気の強いお嬢様のキャラとその絡みは、マッチしていて良かったです。
ただ、もっとしっくりくる殺害動機が欲しかったです。殺すほどまでの動機としては、弱い感じがします。話しに重みがなくなってしまったように感じられます。また、殺人トリックも奇抜さがなかったです。
「妄想」から「現実」に戻る最後のシーンでも、意外性が感じられませんでした。もうひと工夫が必要だと思います。
この部分でのロリコン中年男性と小学生6年生の女の子とのデートシーンは、まずまず面白かったでした。気弱で優しいデブ男と気の強いお嬢様のキャラとその絡みは、マッチしていて良かったです。
ただ、もっとしっくりくる殺害動機が欲しかったです。殺すほどまでの動機としては、弱い感じがします。話しに重みがなくなってしまったように感じられます。また、殺人トリックも奇抜さがなかったです。
「妄想」から「現実」に戻る最後のシーンでも、意外性が感じられませんでした。もうひと工夫が必要だと思います。
2015年1月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
会話部分のギャル語(?)の、この上ない読みにくさにイライラしながらも、歌野作品だし、そのうちに面白くなるんだろうと思い我慢して読みましたが、最後まで面白くなかったです。
2005年12月15日に日本でレビュー済み
今回の作品は読者を選ぶ終わりかただなー、と思いました。私としては面白かったです。
真藤数馬44歳、無職、そしてオタク(でもなんのオタクかは分からない)。妹と絵夢という人形とともに外出先で女王様と出会う。罵倒されながらもその状況に喜びを感じる数馬。そして物語はすでに始まっていた。
歌野作品は何をやっても本格魂を見せてくれるところが好き。次は何で本格を見せてくれるのか楽しみだったりします。
個人的に、絵夢欲しいなーと思ってしまった。女王様に対しては、私は無理、途中で、というかすぐに切れてしまいそう。
真藤数馬44歳、無職、そしてオタク(でもなんのオタクかは分からない)。妹と絵夢という人形とともに外出先で女王様と出会う。罵倒されながらもその状況に喜びを感じる数馬。そして物語はすでに始まっていた。
歌野作品は何をやっても本格魂を見せてくれるところが好き。次は何で本格を見せてくれるのか楽しみだったりします。
個人的に、絵夢欲しいなーと思ってしまった。女王様に対しては、私は無理、途中で、というかすぐに切れてしまいそう。
2021年3月17日に日本でレビュー済み
ギャル言葉とかネット、オタクの言葉が出てくる本は苦手なのに
数ページで慣れ、引き込まれ、面白くなった
やっぱりちゃんとした作家の人が書くギャル語は絶妙だと思った
主人公も妹も女王様も好きになってきて
このままずっと取り留めないデートの話が続くんでもかまわないと思ってたら
突然に、事件が起こりミステリーになった
最終的に、主人公もギャルも最低の人間だったんですっごくガッカリ
外観はどうあれ心根の優しい人はいるよね、
なんて肩入れしていたんで、しょーうもない結末にに凹んだ。
数ページで慣れ、引き込まれ、面白くなった
やっぱりちゃんとした作家の人が書くギャル語は絶妙だと思った
主人公も妹も女王様も好きになってきて
このままずっと取り留めないデートの話が続くんでもかまわないと思ってたら
突然に、事件が起こりミステリーになった
最終的に、主人公もギャルも最低の人間だったんですっごくガッカリ
外観はどうあれ心根の優しい人はいるよね、
なんて肩入れしていたんで、しょーうもない結末にに凹んだ。