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ハルビン・カフェ (角川文庫) 文庫 – 2005/7/23
打海 文三
(著)
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第5回大藪春彦賞受賞作。
裏切り、嫉妬、権力への欲望。男は、粛清の名のもとに血を流し、女は、愛のために決断をする……各紙誌で絶賛され、第5回大藪春彦賞を受賞した、打海文三が真価を発揮した最高傑作!
裏切り、嫉妬、権力への欲望。男は、粛清の名のもとに血を流し、女は、愛のために決断をする……各紙誌で絶賛され、第5回大藪春彦賞を受賞した、打海文三が真価を発揮した最高傑作!
- 本の長さ608ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2005/7/23
- ISBN-104043615027
- ISBN-13978-4043615025
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商品の説明
著者について
●打海 文三:作家。1948年生まれ。早稲田大学政経学部卒。93年『灰姫 鏡の国のスパイ』で横溝賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : 角川書店; 一般文庫版 (2005/7/23)
- 発売日 : 2005/7/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 608ページ
- ISBN-10 : 4043615027
- ISBN-13 : 978-4043615025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 615,243位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年5月3日に日本でレビュー済み
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錯綜する登場人物によって複雑になりながらも、すっきり解決。映画化したら見たいです。
2005年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の最高傑作のひとつに数えられ、「このミス」2003年版では五位にランクインした作品。なので、この著者に興味のある方はこの作品から入門してはいかがでしょうか。
ハードボイルドとして高い評価受けた感じがありますが、時系列を含め目まぐるしく変わる三人称多人数視点で、私としてはいまいち話にのめりこめませんでした。高村薫の退屈な部分を馳星周の骨組みに貼り付けた印象があり、原りょうや大沢在昌作品のようなキャラクターやストーリーテリングに期待する私のような《にわかハードボイルドファン》はちょっと注意が必要かもしれません。
ハードボイルドとして高い評価受けた感じがありますが、時系列を含め目まぐるしく変わる三人称多人数視点で、私としてはいまいち話にのめりこめませんでした。高村薫の退屈な部分を馳星周の骨組みに貼り付けた印象があり、原りょうや大沢在昌作品のようなキャラクターやストーリーテリングに期待する私のような《にわかハードボイルドファン》はちょっと注意が必要かもしれません。
2015年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
よくあるぬるいハードボイルドや警察小説等とは完全に一線を画す、ヘビーでスリリングで緊張感あふれる小説。
非常に複雑な作品なので、万人には勧められないが、読解力・理解力に自信があれば、一度は読んでみてほしい。
非常に複雑な作品なので、万人には勧められないが、読解力・理解力に自信があれば、一度は読んでみてほしい。
2005年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ただし著書の表現の仕方に慣れていない人には、少々読見づらいのが難点。
2018年2月10日に日本でレビュー済み
週刊文春の別刷エンタメで、恩田陸氏ら三名が選んだここ十年間のベストミステリーが、葉桜の季節に君を思うということ(歌野昌午)、ミステリ・オペラ(山田正紀)、そしてこのハルビン・カフェでした。
個人的に,
ミステリーオペラ(恩田陸氏が激賞)はタイムトリップもしくはパラレルワールドを時系列を崩して表現して高度な文章であると思いましたが、ご都合主義の連続で読後、読むのに費やした時間を返してほしいと思いました。
しかし、このハルビン・カフェは違います。
確かに、登場人物も多く、またその人物たちが複雑に絡み合うためわかりにくい。でも、なんかミステリーオペラと違う周波数を感じて、半分ほど読んだ時点で、もう一度最初に戻り、人物をリストアップし日本の俳優にあてはめ(ちなみに布施隆三はウッチャンナンチャンの内村、石川ルカは剛力彩芽)、起こった事件を”殉教者たちp170”の石川ルカの成長と比較した年表を参考に整理し、最後まで読みました。
凄い、の一言です。
おそらく、途中で読むことを挫折した人や、どなたかが書かれていたような難解だからとのことで評価が低いというのも理解できます。
しかし
以下、ネタバレ注意
布施隆三は極めてクレイジーな男性として描かれていますが、彼のこのドタバタ劇をおこした動機は、自らの手を汚してでも、国家権力による警察組織内の権力闘争の隠ぺい(これが実際にあるかどうかは別として)がマフィアの抗争に油を注いでいる負の連鎖を断ち切る、ということだったと思います。
公安(福井県警本部長の前園は公安出身の、実はノンキャリア)VSその他
市警察VS県警
北朝鮮マフィアVS中国マフィア
そして
ノンキャリアVSキャリア
この対立構図が、時系列が前後しまくり、かつ裏切りありとブラウン運動のように錯綜する。
これが、この小説のリーダビリティーに制限をかけていると思います。
しかし、打海先生も万人受けする小説を描こうと思っているとは全く考えられず、
むしろ警察組織という我々の英雄と思われている組織を舞台として、人間の本音(名誉欲、性欲、征服欲、しかし弱いものに対する優しさ)を描きたかったと想像します。
素晴らしい小説です、是非、読んでください、ではなく、チャレンジしてください。私ももう一度チャレンジしてみます。新しい発見があるはずです。
個人的に,
ミステリーオペラ(恩田陸氏が激賞)はタイムトリップもしくはパラレルワールドを時系列を崩して表現して高度な文章であると思いましたが、ご都合主義の連続で読後、読むのに費やした時間を返してほしいと思いました。
しかし、このハルビン・カフェは違います。
確かに、登場人物も多く、またその人物たちが複雑に絡み合うためわかりにくい。でも、なんかミステリーオペラと違う周波数を感じて、半分ほど読んだ時点で、もう一度最初に戻り、人物をリストアップし日本の俳優にあてはめ(ちなみに布施隆三はウッチャンナンチャンの内村、石川ルカは剛力彩芽)、起こった事件を”殉教者たちp170”の石川ルカの成長と比較した年表を参考に整理し、最後まで読みました。
凄い、の一言です。
おそらく、途中で読むことを挫折した人や、どなたかが書かれていたような難解だからとのことで評価が低いというのも理解できます。
しかし
以下、ネタバレ注意
布施隆三は極めてクレイジーな男性として描かれていますが、彼のこのドタバタ劇をおこした動機は、自らの手を汚してでも、国家権力による警察組織内の権力闘争の隠ぺい(これが実際にあるかどうかは別として)がマフィアの抗争に油を注いでいる負の連鎖を断ち切る、ということだったと思います。
公安(福井県警本部長の前園は公安出身の、実はノンキャリア)VSその他
市警察VS県警
北朝鮮マフィアVS中国マフィア
そして
ノンキャリアVSキャリア
この対立構図が、時系列が前後しまくり、かつ裏切りありとブラウン運動のように錯綜する。
これが、この小説のリーダビリティーに制限をかけていると思います。
しかし、打海先生も万人受けする小説を描こうと思っているとは全く考えられず、
むしろ警察組織という我々の英雄と思われている組織を舞台として、人間の本音(名誉欲、性欲、征服欲、しかし弱いものに対する優しさ)を描きたかったと想像します。
素晴らしい小説です、是非、読んでください、ではなく、チャレンジしてください。私ももう一度チャレンジしてみます。新しい発見があるはずです。
2018年4月26日に日本でレビュー済み
「あなたのような人間は存在します」
「そう言われると、なんとも反応に困る」
「理解を示すつもりは毛頭ありません」
「当然だ」
この小説は、あらすじに出てくるテロ組織「P」をめぐる一連の事件の記録である。多くの読書が言っておられるように非常に複雑で、多人数視点での描写もあって概要をつかむのは難しい。だが魅力を感じる人ならば、何度でも読み返せる至高の一冊になりうる。私自身、一読目は「なぜか凄まじくおもしろい」。二読目で時系列、人物をすべて把握でき、「やはりおもしろい」。三読目で「何回読んでもおもしろい」となった。ちなみに四度以上は数えていない。
この小説に入れ込むかの分かれ目は、「P]をめぐる事件の中心に位置する、ある個人への興味につきると思う。
上記のやりとりは、その人物と、もう一人の登場人物との会話である
その人間の行動は一言でいって「悪」である。個人の欲望を隠さず、あらゆる人間を裏切り、あらゆる組織を操り、裏切っている。だがその知性と手腕は多くの登場人物を惹きつけ、すべての悪を知る読者をも惹きつけてやまない。
その人間の内面は最後まで描写されない。その欲のかたち、動機を想像しても、自身が的外れなコメンテーターになったかのような違和感がつきまとう。だがその人物に惹かれる。
カリスマというものはこういうものか、と思う。
「そう言われると、なんとも反応に困る」
「理解を示すつもりは毛頭ありません」
「当然だ」
この小説は、あらすじに出てくるテロ組織「P」をめぐる一連の事件の記録である。多くの読書が言っておられるように非常に複雑で、多人数視点での描写もあって概要をつかむのは難しい。だが魅力を感じる人ならば、何度でも読み返せる至高の一冊になりうる。私自身、一読目は「なぜか凄まじくおもしろい」。二読目で時系列、人物をすべて把握でき、「やはりおもしろい」。三読目で「何回読んでもおもしろい」となった。ちなみに四度以上は数えていない。
この小説に入れ込むかの分かれ目は、「P]をめぐる事件の中心に位置する、ある個人への興味につきると思う。
上記のやりとりは、その人物と、もう一人の登場人物との会話である
その人間の行動は一言でいって「悪」である。個人の欲望を隠さず、あらゆる人間を裏切り、あらゆる組織を操り、裏切っている。だがその知性と手腕は多くの登場人物を惹きつけ、すべての悪を知る読者をも惹きつけてやまない。
その人間の内面は最後まで描写されない。その欲のかたち、動機を想像しても、自身が的外れなコメンテーターになったかのような違和感がつきまとう。だがその人物に惹かれる。
カリスマというものはこういうものか、と思う。
2006年9月25日に日本でレビュー済み
この作品を凄い、かっこいい、最高だ、と手放しで賞賛できれば格好いいのですが、
初読でそこまで理解できる素養は私にはありませんでした。
例えば、馳星周や新堂冬樹などに代表される、現代的で、ある意味身近な恐怖の対象
であるノワール、大沢在昌や垣根涼介のようにキャラクターやストーリーテリングで
引っ張る、ある意味ヒーローもののハードボイルドを期待していると、ページをめくる
手が重くなっていくでしょう。
この独特の世界観と重厚な雰囲気に魅せられて、早く先が読みたいと思わせる気持ちと、
登場人物の多さと複雑なプロットによって、なかなかストーリーを読み進めていけない
というジレンマは多くの人が感じるのではないでしょうか。
本当は、もう一度最初から読んでから書きたかったのですが、他にも読みたい本が山ほど
あるのでいつ読めるかわからず、やむなく解釈も中途半端なままレビューさせて頂きます。
2度読むか一気読みするかしなければ、理解することは難しい作品である気がします。
初読でそこまで理解できる素養は私にはありませんでした。
例えば、馳星周や新堂冬樹などに代表される、現代的で、ある意味身近な恐怖の対象
であるノワール、大沢在昌や垣根涼介のようにキャラクターやストーリーテリングで
引っ張る、ある意味ヒーローもののハードボイルドを期待していると、ページをめくる
手が重くなっていくでしょう。
この独特の世界観と重厚な雰囲気に魅せられて、早く先が読みたいと思わせる気持ちと、
登場人物の多さと複雑なプロットによって、なかなかストーリーを読み進めていけない
というジレンマは多くの人が感じるのではないでしょうか。
本当は、もう一度最初から読んでから書きたかったのですが、他にも読みたい本が山ほど
あるのでいつ読めるかわからず、やむなく解釈も中途半端なままレビューさせて頂きます。
2度読むか一気読みするかしなければ、理解することは難しい作品である気がします。
2005年11月20日に日本でレビュー済み
文庫版の「ハルビン・カフェ」を書店の平積で見て始めて見ました。
装丁とタイトルがすごく良かったのでジャケ買い(^^)しました。
パラパラッとめくると、最初に地図があります。
地図がある本はわたしにとって「買い」
さかのぼれば、20年前、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「指輪物語」の頃から、
最近では「サブリエル」など、あまりはずれたことはありません。
さて、内容は「クライムノベル」なんですが、
このレベルのものを、同時代に同じ国の人が書いた文章で
(つまり翻訳のバイアス無しで)読めるのは大変シアワセなことだと思いました。
とにかく、タイトルの持つ雰囲気と導入部に期待を膨らまして読み始めます。
場面転換が多く、説明が食い足りない分、読んでいて振り回される感じがします。
ちょっとイライラしたり、謎の主人公の男の正体が思ったより早く分かったり、少し不満にも思いましたが、
語り口や雰囲気になじんでくるラストに到る頃には、そんなことはあまり気にならなくなっています。
結局、架空の都市、多民族、キャラクター、プロット、など、材料の選び方も好きですが、腕の方に納得しました。
一読後、雰囲気を楽しむために何度か読み直したりしました。
よほど気に入った本でしかしないことですが。
文字がぴっちり詰まっていて、内容も複雑なので、「濃密な読書時間」という本読みの醍醐味を充分味わえます。
ただ、すいすい読める本ではないので、そこは注意してください。
ストーリーを楽しみたい方は「裸者と裸者」を読んだほうが良いです。
こちらの方が早く読めます。
それと、ハードカバー版も見ましたが、文庫本の方が装丁文字組が気に入りました。
装丁とタイトルがすごく良かったのでジャケ買い(^^)しました。
パラパラッとめくると、最初に地図があります。
地図がある本はわたしにとって「買い」
さかのぼれば、20年前、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「指輪物語」の頃から、
最近では「サブリエル」など、あまりはずれたことはありません。
さて、内容は「クライムノベル」なんですが、
このレベルのものを、同時代に同じ国の人が書いた文章で
(つまり翻訳のバイアス無しで)読めるのは大変シアワセなことだと思いました。
とにかく、タイトルの持つ雰囲気と導入部に期待を膨らまして読み始めます。
場面転換が多く、説明が食い足りない分、読んでいて振り回される感じがします。
ちょっとイライラしたり、謎の主人公の男の正体が思ったより早く分かったり、少し不満にも思いましたが、
語り口や雰囲気になじんでくるラストに到る頃には、そんなことはあまり気にならなくなっています。
結局、架空の都市、多民族、キャラクター、プロット、など、材料の選び方も好きですが、腕の方に納得しました。
一読後、雰囲気を楽しむために何度か読み直したりしました。
よほど気に入った本でしかしないことですが。
文字がぴっちり詰まっていて、内容も複雑なので、「濃密な読書時間」という本読みの醍醐味を充分味わえます。
ただ、すいすい読める本ではないので、そこは注意してください。
ストーリーを楽しみたい方は「裸者と裸者」を読んだほうが良いです。
こちらの方が早く読めます。
それと、ハードカバー版も見ましたが、文庫本の方が装丁文字組が気に入りました。