このシリーズは最初はこんな軽さでいいの?と思うところもあったけど、戦争状態が日常なら、そこには食べること、排泄すること、セックスすること、生き残ること、楽しむこと、それぞれがあって当たり前か、とも感じた。とても印象深く大好きな本。
女の子のパワーが気持ちいい。
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愚者と愚者 (上) 野蛮な飢えた神々の叛乱 (角川文庫 う 15-5) 文庫 – 2008/6/25
打海 文三
(著)
応化十六年。内戦下の日本。佐々木海人大佐は孤児部隊の二十歳の司令官。いつのまにか押し出されて、ふと背後を振り返ると、自分に忠誠を誓う三千五百人の孤児兵が隊列を組んでいた。
- 本の長さ367ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/6/25
- ISBN-104043615051
- ISBN-13978-4043615056
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商品の説明
著者について
1948年生まれ。早稲田大学政経学部卒。93年、『灰姫 鏡の国のスパイ』が第13回横溝賞優秀作となる。受賞第1作の『時には懺悔を』が各方面で絶賛される。『ハルビン・カフェ』で第5回大藪春彦賞受賞。2007年10月、逝去。
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/6/25)
- 発売日 : 2008/6/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 367ページ
- ISBN-10 : 4043615051
- ISBN-13 : 978-4043615056
- Amazon 売れ筋ランキング: - 477,589位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年3月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
暴力、犯罪、経済、戦争、差別、政治、宗教、性。
「応化三部作」はあらゆる要素が盛り込まれた重厚で緻密な世界観を持つ。
これだけの世界観を構築すること自体が、非常な才能であると思う。
しかしそんな世界観を背景にしつつも、物語そのものは「セックス&バイオレンス」を基調としたハードかつシンプルな展開を見せる。
「文学者」であれば眉を顰めるような、王道的ハードボイルドと言って良い。
作者は自身の構築した世界観の緻密さ、重厚さに囚われてしまう失敗を冒すことなく、最高水準のエンタテインメントを書き上げつつあったのだ。
シリーズ完成を待たずに急逝してしまったことが無念でならない。
「応化三部作」はあらゆる要素が盛り込まれた重厚で緻密な世界観を持つ。
これだけの世界観を構築すること自体が、非常な才能であると思う。
しかしそんな世界観を背景にしつつも、物語そのものは「セックス&バイオレンス」を基調としたハードかつシンプルな展開を見せる。
「文学者」であれば眉を顰めるような、王道的ハードボイルドと言って良い。
作者は自身の構築した世界観の緻密さ、重厚さに囚われてしまう失敗を冒すことなく、最高水準のエンタテインメントを書き上げつつあったのだ。
シリーズ完成を待たずに急逝してしまったことが無念でならない。
2011年12月26日に日本でレビュー済み
裸者と裸者の続編です。
裸者と裸者を先に読んで下さい。でないと、内容が十分に理解できません。
この作品の半分は主人公カイトの成長譚です。三部作の中でも、今作の彼は、まだ子供であるにも関わらず否応なく大人になっていかなければいけない姿が描かれます。そこには、悲しみと絶望があります。しかし、彼はその悲しみや絶望に打ちひしがれることなく、愛する家族、恋人、仲間のために強く生き延びていきます。
また、パンプキンガールズと呼ばれる女の子たちの物語が半分を占めます。彼女たちは、カイトとは違う視点から描かれます。いわば、マイノリティーや弱者といった存在を虐げることが、いかに馬鹿げていて愚かなことかを、浮かび上がらせる存在です。ここには、筆者の社会に対する考えが含まれていると思います。
そして、全編を通して描かれるのは、力強く生きていく姿。そこには、凄惨な現実に向き合う人間の底力が描かれています。
深刻な調子で書きましたが、作品自体には、そういった暗さはありません。むしろ楽天的な明るさがあります。主人公はチャーミングだし、パンプキンガールズは破天荒な存在で、他の登場人物も、読んでいるとスキになっていきます。ぐいぐい読ませる作品なので、第一部をお読みの方は是非。また、第一部を読んでいない方は、そちらから読んで下さい。
裸者と裸者を先に読んで下さい。でないと、内容が十分に理解できません。
この作品の半分は主人公カイトの成長譚です。三部作の中でも、今作の彼は、まだ子供であるにも関わらず否応なく大人になっていかなければいけない姿が描かれます。そこには、悲しみと絶望があります。しかし、彼はその悲しみや絶望に打ちひしがれることなく、愛する家族、恋人、仲間のために強く生き延びていきます。
また、パンプキンガールズと呼ばれる女の子たちの物語が半分を占めます。彼女たちは、カイトとは違う視点から描かれます。いわば、マイノリティーや弱者といった存在を虐げることが、いかに馬鹿げていて愚かなことかを、浮かび上がらせる存在です。ここには、筆者の社会に対する考えが含まれていると思います。
そして、全編を通して描かれるのは、力強く生きていく姿。そこには、凄惨な現実に向き合う人間の底力が描かれています。
深刻な調子で書きましたが、作品自体には、そういった暗さはありません。むしろ楽天的な明るさがあります。主人公はチャーミングだし、パンプキンガールズは破天荒な存在で、他の登場人物も、読んでいるとスキになっていきます。ぐいぐい読ませる作品なので、第一部をお読みの方は是非。また、第一部を読んでいない方は、そちらから読んで下さい。
2006年11月6日に日本でレビュー済み
上巻は、海人を視点に、孤児部隊の戦いが描かれたボーイズ編、下巻は、月田姉(妹)らパンプキン・ガールズらが中心となった戦いが描かれたガールズ編とでもいうべき構成は、前作の『裸者と裸者』と同様です。それぞれ別個に読めなくもありませんが、戦乱下の日本という共通する舞台や、差別されるマイノリティー守る世界観は、前作に引き継ぐテーマでもあるので、できれば、前作から読み進めた方が、この作品のシリーズをより深く味わえると思います。今回は、守るべき対象が家族から、拡大し続ける部隊のトップの立場上、主人公海人の葛藤や苦労も大幅に増え、ラストで迫られる苦渋の決断は、戦争の非情さにやるせなさを感じさせます。政治的な駆け引き、リーダーとしての資質、他人の思想や心情を思いやったりと、人間的な成長ぶりが読めるのも興味深いものがあります。ただ、女性関係では、相変わらず母性本能をくすぐられるタイプなのか、相手が年上というのも、主人公らしいといえば、主人公らしいのですが…。今のところ組織を守ることで精一杯といった印象もあって、恋愛面での進展が次回では望めるのでしょうか? 楽しみな気もします。
2007年2月13日に日本でレビュー済み
裸者のインパクトが強かったせいか、もうひとつでした。けど、カイトは相変わらずいい男でいい感じです。作者の作品のなかでのモラルが私にはとても読み心地がいいです。子供相手、レイプ以外なら愛の形は確かに自由でいいのにと思えます。