私は同郷の先輩でもあり、森達也氏の著作に注目している。寄せ集めの感がある本作も、当事者の一人と言うスタンスでのメディア批判として、コロナ禍の今読むと非常に興味深い。
テレビと言うメディアの影響が、今なお強大なのは、コロナ世論の形成を見る限り明らかである。例えば自粛要請に従わなかったとして、違法でもないのに他者を攻撃する事を、テレビ報道が煽動したのは間違いないと思う。今こそ読む価値あり。
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世界が完全に思考停止する前に (角川文庫 も 13-3) 文庫 – 2006/7/25
森 達也
(著),
角川書店装丁室 鈴木久美
(著)
大義名分なき派兵、感情的な犯罪報道……あらゆる現実に葛藤し、煩悶し続ける、最もナイーブなドキュメンタリー作家が、「今」に危機感を持つ全ての日本人を納得させる、日常感覚評論集。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2006/7/25
- ISBN-104043625030
- ISBN-13978-4043625031
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商品の説明
著者について
映像ドキュメンタリー作家。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 一般文庫版 (2006/7/25)
- 発売日 : 2006/7/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 288ページ
- ISBN-10 : 4043625030
- ISBN-13 : 978-4043625031
- Amazon 売れ筋ランキング: - 578,858位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,189位ロシア・東欧文学研究
- - 8,324位日本文学研究
- - 10,100位角川文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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広島県生まれ。映画監督、作家。1998年にドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『極私的メディア論』(ISBN-10:4904795075)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年11月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読んだ時、脳髄が揺さ振り起こされる感じがした。
気付ける筈の事象に気付けなくなって、そうして気付いていないことにすら気付かなくなっているそこは、ホモサピエンス(智の人)の墓だ。
メディアに踏み込んだ立場で猶も自分の立ち位置を見失うことなく、静かな場所で現代を見据えている著者。
氏はこんなにも露骨に警鐘を鳴らしている。
だから、できるだけ多くの人に読んで貰いたいと思った。
こんなこと、滅多に思わないのだが、この本を読みながらは思った。
気付ける筈の事象に気付けなくなって、そうして気付いていないことにすら気付かなくなっているそこは、ホモサピエンス(智の人)の墓だ。
メディアに踏み込んだ立場で猶も自分の立ち位置を見失うことなく、静かな場所で現代を見据えている著者。
氏はこんなにも露骨に警鐘を鳴らしている。
だから、できるだけ多くの人に読んで貰いたいと思った。
こんなこと、滅多に思わないのだが、この本を読みながらは思った。
2014年5月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと立ち止まって周りを見廻してみよう。なんか変だと思ったら違和感を声に出してみよう。そんなお話。
イラク戦争、タマちゃん、オウム・麻原被告への死刑宣告など、ひと昔前の話題がズラッと並ぶ。オウムの側から世界を撮ったドキュメンタリー、「A」の監督である森達也の文章集。2000年代前半にさまざまな所で書いた文章が一冊の本になっている。
森達也の文章が好きだ。はっきりと世間を切るような物言いでは決してない。うじうじ、ビクビクしながら世間を見つめている。そんな姿が文章から感じられる。
身近な事で普通の人は気付かないこと、他愛ないとして切り捨てられることに目線を向ける。トイレの蛇口を触りたくない話しかり、オーバーステイを不法滞在と言い換えるようになった、言葉の問題しかり。
尖り始めた社会に感じる違和感を文章にしてくれる。この人の文章を読むと、なんだか落ち着く。変わらない自分だったり、頭の中にあるモヤモヤ自体を肯定してくれているような気がするから。
ちなみに、僕も森達也がこの本で書いているように総合格闘技よりもプロレスが好きだ。昔、誰かが言ってたように、余韻のない、レイプのような総合格闘技よりも余韻があり、愛のあるSEXのようなプロレスが好きだ。
【引用】
人は皆が思っているほどに賢くはない。でも皆が思っているほどに残虐でもない。だからこそ過ちを繰り返す。心が弱くて、優しくて、善意溢れる生きものだからこそ、人は互いに殺し合う。
【手に入れたきっかけ】
Kindleのキャンペーンで好きな著者、森達也の著書がセール価格になっていたので、購入!
イラク戦争、タマちゃん、オウム・麻原被告への死刑宣告など、ひと昔前の話題がズラッと並ぶ。オウムの側から世界を撮ったドキュメンタリー、「A」の監督である森達也の文章集。2000年代前半にさまざまな所で書いた文章が一冊の本になっている。
森達也の文章が好きだ。はっきりと世間を切るような物言いでは決してない。うじうじ、ビクビクしながら世間を見つめている。そんな姿が文章から感じられる。
身近な事で普通の人は気付かないこと、他愛ないとして切り捨てられることに目線を向ける。トイレの蛇口を触りたくない話しかり、オーバーステイを不法滞在と言い換えるようになった、言葉の問題しかり。
尖り始めた社会に感じる違和感を文章にしてくれる。この人の文章を読むと、なんだか落ち着く。変わらない自分だったり、頭の中にあるモヤモヤ自体を肯定してくれているような気がするから。
ちなみに、僕も森達也がこの本で書いているように総合格闘技よりもプロレスが好きだ。昔、誰かが言ってたように、余韻のない、レイプのような総合格闘技よりも余韻があり、愛のあるSEXのようなプロレスが好きだ。
【引用】
人は皆が思っているほどに賢くはない。でも皆が思っているほどに残虐でもない。だからこそ過ちを繰り返す。心が弱くて、優しくて、善意溢れる生きものだからこそ、人は互いに殺し合う。
【手に入れたきっかけ】
Kindleのキャンペーンで好きな著者、森達也の著書がセール価格になっていたので、購入!
2005年3月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
近頃テレビがホントに怪しくて、面白くない。
ライブドアがなんで一番目のニュースなんだ?NHKさん。
わけのわからないゴメンテーター、言葉のオカシなアナウンサー・・・。
おかしくなる日本。それは自分たちが選択してきた結果でもある、という自覚は自分にはなかなかない。でも、日本は変になっている。彼の“ちょっと待てよ!”は、貴重だ。
この本売れているのかな?売れてほしいなあ。
ライブドアがなんで一番目のニュースなんだ?NHKさん。
わけのわからないゴメンテーター、言葉のオカシなアナウンサー・・・。
おかしくなる日本。それは自分たちが選択してきた結果でもある、という自覚は自分にはなかなかない。でも、日本は変になっている。彼の“ちょっと待てよ!”は、貴重だ。
この本売れているのかな?売れてほしいなあ。
2015年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちゃんと確認して買えば良かったですが、コラムの寄せ集めで、読んでて退屈です。
題名ほどのインパクトはないですね。
題名ほどのインパクトはないですね。
2006年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
森が自分で言っているだけはある。ホントに森の世の中の分析は感心する。
森のこんな話しを聞いたときなるほどさすが映画を作っていたセンスなのか
と感心した。
「お化け屋敷は、お化けが恐いのではなく、お化けがでるかもしれない廊下
が恐いんだ」とよく言い得ている例である。このことは、仮想敵国やいじめ問
題やら様々なことにつながる。
しかし、この本書の後書きで、自分の本のカスタマーレビューのことを書い
ていたが、おシャレなヒトだ。
でも、森さん、あなたは本を飯のために書いているらしいが、いい映画、早
く作ってほしい。
森のこんな話しを聞いたときなるほどさすが映画を作っていたセンスなのか
と感心した。
「お化け屋敷は、お化けが恐いのではなく、お化けがでるかもしれない廊下
が恐いんだ」とよく言い得ている例である。このことは、仮想敵国やいじめ問
題やら様々なことにつながる。
しかし、この本書の後書きで、自分の本のカスタマーレビューのことを書い
ていたが、おシャレなヒトだ。
でも、森さん、あなたは本を飯のために書いているらしいが、いい映画、早
く作ってほしい。
2014年2月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ドキュメンタリー映画「A」を制作した森氏が、その後、たくさんの新聞や雑誌に書いた原稿が一冊の本になった。
没原稿となった「今上天皇の内なる葛藤」も含まれる。
「食品会社なら大問題になることを、メディアは日々こなしている」「主語を喪った憎悪は、実のところ心地よい。だからこそ暴走するし感染力も強い」など、言い得て妙な歯切れのよい論が展開される。
思考が停止しそうになることはある。麻痺しそうになることも。そんなとき、思考停止予防薬として、本書のページを開いてみたい。
没原稿となった「今上天皇の内なる葛藤」も含まれる。
「食品会社なら大問題になることを、メディアは日々こなしている」「主語を喪った憎悪は、実のところ心地よい。だからこそ暴走するし感染力も強い」など、言い得て妙な歯切れのよい論が展開される。
思考が停止しそうになることはある。麻痺しそうになることも。そんなとき、思考停止予防薬として、本書のページを開いてみたい。
2007年7月21日に日本でレビュー済み
善と悪。
正と邪。
右と左。
勝ちと負け。
見栄えのよい「ワカリヤスサ」ばかりが、
増殖していく。
主語を失ったまま放たれる言葉。
中身はどれも、カラッポなのに。
その”入れ物”だけが、
無かったことにはできないものとして、
そこに存在している。
だからあたし達は、
カラッポの入れ物の中の「何か」を、
見つめるフリをする。
そうか。
「ワカリヤスサ」という幻想を追いかければ追いかけるほど、
あたし達は、どんどん曖昧な存在に堕ちていくんだ。
誰かによって勝手に動かされているとしても、
もはや、気付くことすらできないような。
「中身はカラッポだ」と認めること。
「ワカリニクイ」ことを受け入れること。
そして、どれだけスッキリできなくても、
曖昧な世界を、曖昧なまま見つめること。
それでしか、
あたし達は、あたし達の主語を取り戻せない。
もう一度、ソクラテスに生き返ってもらおうか。
「私は、知らないということを、知っている。」
正と邪。
右と左。
勝ちと負け。
見栄えのよい「ワカリヤスサ」ばかりが、
増殖していく。
主語を失ったまま放たれる言葉。
中身はどれも、カラッポなのに。
その”入れ物”だけが、
無かったことにはできないものとして、
そこに存在している。
だからあたし達は、
カラッポの入れ物の中の「何か」を、
見つめるフリをする。
そうか。
「ワカリヤスサ」という幻想を追いかければ追いかけるほど、
あたし達は、どんどん曖昧な存在に堕ちていくんだ。
誰かによって勝手に動かされているとしても、
もはや、気付くことすらできないような。
「中身はカラッポだ」と認めること。
「ワカリニクイ」ことを受け入れること。
そして、どれだけスッキリできなくても、
曖昧な世界を、曖昧なまま見つめること。
それでしか、
あたし達は、あたし達の主語を取り戻せない。
もう一度、ソクラテスに生き返ってもらおうか。
「私は、知らないということを、知っている。」