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四十七人の刺客 上 (角川文庫 い 54-3) 文庫 – 2004/4/1
池宮 彰一郎
(著)
忠臣蔵三百年の歴史に挑んだ歴史小説の傑作!
江戸城内で藩主浅野内匠頭の起こした刃傷事件を発端に、播州赤穂藩廃絶の決定が下された。藩士の被った汚名を雪ぐため、家老大石内臓助は策を巡らす。まったく新しい視点で書かれた池宮版忠臣蔵!
諜報、謀略、塩相場の操作 仇討ではない、これは合戦だ! 忠臣蔵三百年の歴史に挑んだ画期的傑作
赤穂浪士の討入から三百年、忠臣蔵の歴史に聳立する画期的な傑作が誕生した。 公儀が赤穂藩に下した理不尽な処断に抗して、大石内蔵助は吉良上野介暗殺という非常のテロを決意する。塩相場の捜査で資金を集め、謀略を駆使して吉良の喉元に迫る大石。藩主の実父を護るため、財力を傾け知嚢を絞ってこれを阻もうとする上杉家。武門の意気地をかけて死力を尽くす両者の暗闘は、ついに幕府権力をも驚かす。
江戸城内で藩主浅野内匠頭の起こした刃傷事件を発端に、播州赤穂藩廃絶の決定が下された。藩士の被った汚名を雪ぐため、家老大石内臓助は策を巡らす。まったく新しい視点で書かれた池宮版忠臣蔵!
諜報、謀略、塩相場の操作 仇討ではない、これは合戦だ! 忠臣蔵三百年の歴史に挑んだ画期的傑作
赤穂浪士の討入から三百年、忠臣蔵の歴史に聳立する画期的な傑作が誕生した。 公儀が赤穂藩に下した理不尽な処断に抗して、大石内蔵助は吉良上野介暗殺という非常のテロを決意する。塩相場の捜査で資金を集め、謀略を駆使して吉良の喉元に迫る大石。藩主の実父を護るため、財力を傾け知嚢を絞ってこれを阻もうとする上杉家。武門の意気地をかけて死力を尽くす両者の暗闘は、ついに幕府権力をも驚かす。
- 本の長さ323ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/4/1
- ISBN-104043687036
- ISBN-13978-4043687039
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2004/4/1)
- 発売日 : 2004/4/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 323ページ
- ISBN-10 : 4043687036
- ISBN-13 : 978-4043687039
- Amazon 売れ筋ランキング: - 602,472位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大石ばかりの記述、期待して読んだものの、今一☆3までの評価です
2011年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画「最後の忠臣蔵」で、池宮彰一郎さんの世界にはまったもので、時代物初心者です。映画、そして原作に涙し、この「四十七人の刺客」にたどり着いたというわけです。(時間軸は、遡ってますが・・・)
映画のシナリオライターをしていただけあって、テンポよく、私のような初心者にも分かりやすくぐいぐいと物語に引き込んでくれます。
史実か否かは私には分からないのですが、十分その時代を感じさせてくれる極上のエンターテインメントだと思いました。
「侍の忠義」、こんなアナクロな言葉が新鮮に聞こえるのは、私だけでしょうか?この小説を通して、現代を見直してみるのも大切なことのような気がします。
下巻も楽しみです。
映画のシナリオライターをしていただけあって、テンポよく、私のような初心者にも分かりやすくぐいぐいと物語に引き込んでくれます。
史実か否かは私には分からないのですが、十分その時代を感じさせてくれる極上のエンターテインメントだと思いました。
「侍の忠義」、こんなアナクロな言葉が新鮮に聞こえるのは、私だけでしょうか?この小説を通して、現代を見直してみるのも大切なことのような気がします。
下巻も楽しみです。
2014年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吉川英二の新編忠臣蔵を読んだ後だったので非常に興味深く読むことが出来ました。早いテンポで物語が進んでいくので、一気に読み終えました。違った解釈の内容でおもしろかった。忠臣蔵ファンとしては満足でした。
2014年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
池宮彰一郎先生の小説のファンです。最後の忠臣蔵を始め赤穂浪士の物語いろいろ読んでいます。
2012年10月7日に日本でレビュー済み
「高倉健」つながりで読んだ本。
お話し内容も新鮮ですよ。
よくよく考えると、直接見たわけではないし、
立ち会っても居ない。
想像力が物語を構成している。
事実と言われるものだって、
勝者敗者に傍観者いろんな立場があるのですから。
楽しめます。
けんかは当事者の勝敗もありましょうが、
周りの意見、情がどう創られるかも実態の一つ。
この大石さん、イイかも。
お話し内容も新鮮ですよ。
よくよく考えると、直接見たわけではないし、
立ち会っても居ない。
想像力が物語を構成している。
事実と言われるものだって、
勝者敗者に傍観者いろんな立場があるのですから。
楽しめます。
けんかは当事者の勝敗もありましょうが、
周りの意見、情がどう創られるかも実態の一つ。
この大石さん、イイかも。
2014年1月25日に日本でレビュー済み
歴史小説だからと言って、もちろん全てが真実である必要はない。特に現代となっては不明な点に関しては、作家それぞれが想像力を広げいろいろな解釈を下すことは、歴史小説の醍醐味だと思う。
しかしながら、明らかに確定している事実に関して、自分の主張のため、あるいはストーリーの都合上、捻じ曲げるのはいかがなものか。
そもそも経歴を少し調べれば、誠実さに欠ける人物であることは一目瞭然だが、それにしても
P87 (前略)一方永井家も、当主尚長が惨殺された上に、「刃傷に故あり、喧嘩両成敗」と裁定が下され、廃絶となった。
あたかも、江戸時代の公文書に記されているような大嘘振り。実際の廃絶の理由は、無嗣だったからに過ぎない。喧嘩両成敗などという文言は公文書のどこにも残されていない。
枝葉ならともかく、物語の理念の根幹にこだわる部分で事実を捏造するなど、信じられない
しかしながら、明らかに確定している事実に関して、自分の主張のため、あるいはストーリーの都合上、捻じ曲げるのはいかがなものか。
そもそも経歴を少し調べれば、誠実さに欠ける人物であることは一目瞭然だが、それにしても
P87 (前略)一方永井家も、当主尚長が惨殺された上に、「刃傷に故あり、喧嘩両成敗」と裁定が下され、廃絶となった。
あたかも、江戸時代の公文書に記されているような大嘘振り。実際の廃絶の理由は、無嗣だったからに過ぎない。喧嘩両成敗などという文言は公文書のどこにも残されていない。
枝葉ならともかく、物語の理念の根幹にこだわる部分で事実を捏造するなど、信じられない
2011年11月27日に日本でレビュー済み
大石内蔵助は主君・浅野内匠頭の仇討ちのために吉良上野介邸に討ち入ったのではないと主張する、とんでもない本がある。『四十七人の刺客』(池宮彰一郎著、角川文庫、上・下巻)がそれであるが、その小太りの田舎者じみた風貌に似合わぬ大石内蔵助の恐るべき戦略・戦術は、現代のリーダーにも大いに参考になる。
大石内蔵助は、吉良邸討ち入りを、浅野内匠頭が江戸城内で切りつけた吉良上野介、吉良上野介の長男が養子に行き当主となっている名門・上杉家の江戸家老である知恵者・色部又四郎、上杉家の強力な後ろ盾である時の権力者・柳沢吉保の三者連合との、命を懸けた戦いと位置づけたのである。「これは、不当に仕掛けられた戦である。敵は不意に乗じ、緒戦で我が将の首を取り、領国を奪い取った。我ら敗残の戦士は、野に伏し山に寝て捲土重来を期し、敵に一矢を報いるべきである」、「我々は戦士である。戦士の使命は危急存亡の折に、身命を捨てて戦うだけではない。戦士は勝たねばならぬ、勝つことが戦士の本分なのだ」と考えていたのである。
内蔵助は、筆頭国家老でありながら、当時には珍しい経済通・財政通であった。赤穂特産の大規模な製塩事業と大坂(現在の大阪)での塩取り引きによって蓄えていた豊富な資金が、討ち入りまでの活動を支えたのである。
内蔵助は、高名な儒学者にして兵学者の山鹿素行の教えを受けた兵法の専門家であった。高田馬場の決闘で有名な堀部安兵衛を初めとする実力を備え、かつ信頼できる少数精鋭の戦士の選抜(藩士300余名中47名で討ち入りを実行)、豊富な資金を背景にした兵器の装備と厳しい軍事訓練、敵状や情勢の変化を探るための綿密な情報入手活動、世論を味方につけ、敵を欺くための諜報活動等に、内蔵助の統率力が遺憾なく発揮されたのである。特に、殿中の刃傷事件の真因が明らかでないのを逆手に取って、「賄賂を貪り、いじめを重ねる吉良上野介の仕打ちに堪忍袋の緒が切れた浅野内匠頭が刃傷に及んだ」という噂を江戸中にばら蒔き、世論を味方につけたことと、討ち入りがあると隣接する大名や旗本の屋敷は迷惑を被るという噂を煽り、討ち入りに有利な新興地に吉良邸が移転せざるを得ないように仕向けたことが、討ち入り成功に大いに役立ったのである。また、戦士の数でかなり劣勢な討ち入り軍の具体的な戦術は、先手必勝、3名1組のチームワーク(このチームリーダーは身分の上下を問わず実力で選抜)、一点集中の各個撃破であった。
内蔵助は、大まかで部下任せのタイプに見えて、実は細心であった。部下の運命を左右するリーダーは、念には念を入れる必要があるのである。吉良邸の向かいに米屋と古着屋を、その近くには薪炭店、剣術道場を開き、それぞれに部下を偽名で住み込ませたのである。これらの周到な吉良邸対策が後日、見事に功を奏するのである。
内蔵助は、周辺の町人・職人・農民階層の協力・支援を得る名人であった。義に感じた藩出入りの商人が命懸けで兵器の調達・運搬に奔走するなど、大いに助けられたのである。
「堀部武庸(安兵衛)筆記」などの史料を駆使して赤穂事件の史実に迫った『忠臣蔵――赤穂事件・史実の肉声』(野口武彦著、ちくま学芸文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可)も、「吉良邸討ち入り一党は、明確この上もない目的合理性を目指した戦闘機能集団であった」と認めている。
大石内蔵助は、吉良邸討ち入りを、浅野内匠頭が江戸城内で切りつけた吉良上野介、吉良上野介の長男が養子に行き当主となっている名門・上杉家の江戸家老である知恵者・色部又四郎、上杉家の強力な後ろ盾である時の権力者・柳沢吉保の三者連合との、命を懸けた戦いと位置づけたのである。「これは、不当に仕掛けられた戦である。敵は不意に乗じ、緒戦で我が将の首を取り、領国を奪い取った。我ら敗残の戦士は、野に伏し山に寝て捲土重来を期し、敵に一矢を報いるべきである」、「我々は戦士である。戦士の使命は危急存亡の折に、身命を捨てて戦うだけではない。戦士は勝たねばならぬ、勝つことが戦士の本分なのだ」と考えていたのである。
内蔵助は、筆頭国家老でありながら、当時には珍しい経済通・財政通であった。赤穂特産の大規模な製塩事業と大坂(現在の大阪)での塩取り引きによって蓄えていた豊富な資金が、討ち入りまでの活動を支えたのである。
内蔵助は、高名な儒学者にして兵学者の山鹿素行の教えを受けた兵法の専門家であった。高田馬場の決闘で有名な堀部安兵衛を初めとする実力を備え、かつ信頼できる少数精鋭の戦士の選抜(藩士300余名中47名で討ち入りを実行)、豊富な資金を背景にした兵器の装備と厳しい軍事訓練、敵状や情勢の変化を探るための綿密な情報入手活動、世論を味方につけ、敵を欺くための諜報活動等に、内蔵助の統率力が遺憾なく発揮されたのである。特に、殿中の刃傷事件の真因が明らかでないのを逆手に取って、「賄賂を貪り、いじめを重ねる吉良上野介の仕打ちに堪忍袋の緒が切れた浅野内匠頭が刃傷に及んだ」という噂を江戸中にばら蒔き、世論を味方につけたことと、討ち入りがあると隣接する大名や旗本の屋敷は迷惑を被るという噂を煽り、討ち入りに有利な新興地に吉良邸が移転せざるを得ないように仕向けたことが、討ち入り成功に大いに役立ったのである。また、戦士の数でかなり劣勢な討ち入り軍の具体的な戦術は、先手必勝、3名1組のチームワーク(このチームリーダーは身分の上下を問わず実力で選抜)、一点集中の各個撃破であった。
内蔵助は、大まかで部下任せのタイプに見えて、実は細心であった。部下の運命を左右するリーダーは、念には念を入れる必要があるのである。吉良邸の向かいに米屋と古着屋を、その近くには薪炭店、剣術道場を開き、それぞれに部下を偽名で住み込ませたのである。これらの周到な吉良邸対策が後日、見事に功を奏するのである。
内蔵助は、周辺の町人・職人・農民階層の協力・支援を得る名人であった。義に感じた藩出入りの商人が命懸けで兵器の調達・運搬に奔走するなど、大いに助けられたのである。
「堀部武庸(安兵衛)筆記」などの史料を駆使して赤穂事件の史実に迫った『忠臣蔵――赤穂事件・史実の肉声』(野口武彦著、ちくま学芸文庫。出版元品切れだが、amazonで入手可)も、「吉良邸討ち入り一党は、明確この上もない目的合理性を目指した戦闘機能集団であった」と認めている。
2011年3月6日に日本でレビュー済み
この池宮彰一郎著の『四十七人の刺客』は、いわゆる「忠臣蔵」ものではなく「赤穂事件」といったほうがしっくりくるだろう。
池宮氏の描く赤穂浪士には、男の熱いロマンも、武士道のもてる粘っこさも、また清純な亡君への忠誠心も、ほかの「忠臣蔵」と較べるとあまり感じられない。赤穂浪士は「四十七人の刺客」として、ただただドライでハードな狂気のテロリストとして描かれている。大石内蔵助は「義士」ではなく「策士」である。こういった見方も嫌いではない。あるいはこれが真実なのかもしれない。
そもそも池宮氏は映画脚本家である。そのためであろうか、彼の小説を読んでいると小説を読んでいるにもかかわらず、映画を観ているような爽快感を得られるから不思議である。キャラクター設定もわかりやすくメリハリがあっておもしろい。
池宮氏にせよ、山田太一にせよ、故・久世光彦にせよ、大衆娯楽のツボを心得ているため、エンターテイメント小説を書いても秀作になり得るのである。
池宮氏の描く赤穂浪士には、男の熱いロマンも、武士道のもてる粘っこさも、また清純な亡君への忠誠心も、ほかの「忠臣蔵」と較べるとあまり感じられない。赤穂浪士は「四十七人の刺客」として、ただただドライでハードな狂気のテロリストとして描かれている。大石内蔵助は「義士」ではなく「策士」である。こういった見方も嫌いではない。あるいはこれが真実なのかもしれない。
そもそも池宮氏は映画脚本家である。そのためであろうか、彼の小説を読んでいると小説を読んでいるにもかかわらず、映画を観ているような爽快感を得られるから不思議である。キャラクター設定もわかりやすくメリハリがあっておもしろい。
池宮氏にせよ、山田太一にせよ、故・久世光彦にせよ、大衆娯楽のツボを心得ているため、エンターテイメント小説を書いても秀作になり得るのである。