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愛と命をテーマに、緊張感溢れる筆致で綴った、珠玉小説集。

大手部品メーカーに勤務する野島は、パーティで同僚の若い女性の結婚話を耳にし、動揺を隠せなかった。なぜなら当の女性とは、野島が不倫を続けている恵理だったからだ……心のもどかしさを描く会心の作品集。

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本の長さ

429ページ
言語

日本語
出版社

KADOKAWA
発売日

2004/4/23
ISBN-10

4043720025
ISBN-13

978-4043720026
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商品の説明

著者について

●白石一文:昭和33年生まれ、福岡市出身。大手出版社に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行し、作家デビュー。一躍脚光を浴びる。その後、『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』などがある。

登録情報

出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA; 一般文庫版 (2004/4/23)
発売日 ‏ : ‎ 2004/4/23
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 429ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4043720025
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4043720026

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カスタマーレビュー:
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白石一文

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aizira

自分勝手な人間ばかり

2019年8月13日に日本でレビュー済み

人間とは綺麗事ばかり並べて、他人を想っているふりをしている。あなたのためを思って、全て自分のためである。自分を正当化するために他人へ責任転化する。自分の考えが間違っていると知りながら、他人へ押し付ける。反論され、納得しながらも更に反論するしかない。

あるいは、精神的に逞しい人間ほど他人を慰めることができても自らを慰安することができないとも言っている。自らを慰安することができないから、他人を慰安するのか？

作者は愛に対して、疑いを持ち続けているように思う。結局、他人への純粋な愛などないのではないかと身につまされる話である。

2013年11月1日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

読みたくて色々本屋を探しましたが、探せませんでした。アマゾンではすぐ探せました。

2017年12月16日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

物語の作り手として上手いとは思うのですが、なんとも後味の悪い話ばかりが揃っています。
主人公も「居そう」ではあるけれど好感は持てず、感情移入ももちろん出来ません。
男性と女性では全く違う感想かも知れないと思いながら、表題作については人の営みを全てくだらないと斬り捨てられたような不快感を感じました。

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ロングボーダー

誰もが抱える心のもどかしさ

2005年11月1日に日本でレビュー済み

ジャケットのデザインは、
デビュー作に比べて寒々しいですね。
タイトルの「不自由な心」からの連想か、
テラス(?)に置かれた鳥かごや
テラス(?)と外の世界をさえぎるネット(?)が
ジャケット写真にはめ込まれています。
二作目は短編集。
「天気雨」「卵の夢」「夢の空」
「水の年輪」「不自由な心」の五篇を収録。
全ての作品が不倫の恋にまつわるものです。
人の心は変るもの。
結婚しても恋をするのは普通だし、
結果として不倫となってしまうのも
珍しく無い事だと思う。
けれど、実際は精神的にも肉体的にも
楽しいのは初めだけなのかな。
大概は破綻が来るものだと思う。
そう言う儚いものでもあるからこそ、
小説の題材にもなるんだと思う。
著者の描く男性主人公は、
一様にエリートな上に強くて
女性にもてるという設定ですね。
「夢の空」と「水の年輪」が、
不倫ともう一つの儚い物が描かれた
印象に残っています。
本のタイトルともなった「不自由な心」は、
大半の人が持つしがらみによって
自由に生きられない主人公・江川と
社会のルールなんて知った事じゃないと
自分の気持まま自由に生きようとする義弟・啓介。
読んだ後、違和感を感じつつ考えさせられるというか
この社会システムって生きづらいなという
思いにも駆られた。
でも、皆が自分勝手好きなように生きたら、
それはそれで、生きづらい世の中だな。
あたり前だけれど。
読んで楽しい、娯楽小説ではないと思います。

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ぽん

すべての物語で描かれているのは孤独

2004年7月13日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

本書におさめられた５つの物語に共通しているのは人が生きるということは孤独だ、ということだ.
孤独から逃れたい一心で人は異性に恋をする.
そして、心が通いあったと思った期間、それまで抱え続けてきた孤独は癒される.
しかし、それがはかない錯覚でしかなく、どこまでいっても
人は孤独でしかないという絶対的な事実を作者は突き付けてくる.
表題作「不自由な心」の主人公の最後のつぶやきはそれを象徴的に表していてみごとと言うしかない.
これから孤独が癒されるかもしれない不安定な関係を描いた「天気雨」
自らの死を前にして癒されたいという欲求を強く抱いた「水の年齢」など、全ての作品はすばらしく、心にしみわたった.
個人的には、一瞬でも完全に孤独から解放された「夢の空」はまさに夢の様な空の出来事で涙が止まらなかった.
「一瞬の光」よりもこちらの作品群の方がはるかに完成度が高い気がする.

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ﾓｺ

特に女性からは反発されそう…

2021年1月5日に日本でレビュー済み

Amazonレビューなんてほとんど書いたことない自分ですが…
一度買って読んだまま内容も忘れ、数年後に読み返した次第です。
具体的には一番初めの話である「天気雨」。
不倫に溺れる主人公ですが、どうも考えが自分本意。
結婚してても別の女性を好きになるのはわかりますが、家族に申し訳ない等の罪悪感が全く彼にはない。
そういう人を話の主人公にしては読者から非難されたりするのは当たり前。
とくに女性の読者はこの話を見たら胸糞悪くなるでしょうね。
作者は分かる人にはわかればいいと思ってこの話を書いたんでしょうか。
んー、自分には良い話ではなかった。

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ぶっち

世代間の断絶

2006年5月9日に日本でレビュー済み

「不自由な心」が最も印象深かった。

特に、不倫の決着を迫られて啓介が逆ギレする場面。

建前で生きてきた中年と心のままに生きようとする青年の対比が鮮やかで、それでも心の底では両者とも分かり合っている感じが良かった。

それにしても、女の方の言い分や人物描写のない、男中心な展開に、

北野映画と同じ違和感がある。島耕作とか。

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Amazonのお客様

サラリーマンは必読の白石初期作品！

2004年5月26日に日本でレビュー済み

最近の白石作品は何か作風が変わってきて、いま一歩という風潮
ですが、これは処女作を彷彿させるような短編集で、読みごたえ
があります。

なかでも「夢の空」は正に飛行機事故を目前にした人間の心理状態
が大変よく描写されていて、一気に読んでしまいました。人間最後
と思った時に真実が見えるというのも納得できる真理ではないでし
ょうか。

この作品は泣けるので、買うのを迷う方はこれを読んで見てください！

この作品は男性の視点から描いた作品というのも否めないので、男
女で賛否が別れるところですが、サラリーマンの男性なら誰しも共
感できると思います。

「あとがき」もなるほどと言える内容で、現代の架空物語ともいえ

る作品が多いと文面は筆者の作家としての姿勢がうかがえます。
但し、表題の小説からはあとがきのような思いは伝わってきません
でした。まだサラリーマン作家をしていたこの頃の作品の方が、
筆者が伝えたいものが、描かれていたような気がします。

まさに小説はテキストのない翻訳であったがごとく！

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