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すぐそばの彼方 (角川文庫 し 32-3) 文庫 – 2005/1/25

4.2 5つ星のうち4.2 37個の評価

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4年前の不始末から精神的に不安定な状況に陥っていた龍彦の父は、次期総裁レースの本命と目されていた。その総裁レースを契機に政界の深部にのまれていく龍彦。愛と人間存在の意義を問う力作長編!

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著者について

昭和33年、福岡市生まれ。大手出版社に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行し、作家デビュー。一躍、脚光を浴びる。その後、『不自由な』『すぐそばの彼方』『僕の中の壊れていない部分』など、話題作を発表し続けている注目の作家。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA; 一般文庫版 (2005/1/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/1/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 412ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4043720033
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4043720033
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 37個の評価

著者について

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白石 一文
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カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2018年11月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでいくうちに、どんどんひきこまれていく内容です!
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年5月24日に日本でレビュー済み
デビュー作の「一瞬の光」ですっかりまいってフアンになった。

本作は、政治の話題が中心に見えるけれど、むしろ「家」と言うもの、
あるいは日本の家長と言うもの、それが色濃く出る舞台としての政治家の家
と言うだけであって、本質的には政治の小説ではないと思う。
世間体、建て前、これが最も顕著に現われる政治家のウチ。それが舞台だ。

作品としては、デビュー作以来、心優しき、弱きオトコと、ひ弱に見えなが
ら、どっこい芯の強いオンナの物語と言う構図。
そこのところの舞台まわしの政治の裏側が、ちょっと煩わしい部分もあり、デ
ビュー作のケレンミのなさに軍配が上がる。

不器用な男も、支えるもの(オンナ)があれば、いくらも再生できるんだな。
ありきたりの再起、成功、の結末にならず、全くそれまでの政治の力学を排除
した、意表を突いた結末はなかなかのもだと思う。
いろんな意味で、強い女性に感謝と拍手。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2005年11月21日に日本でレビュー済み
東京の夜景が眩い、ジャケット。

主人公像は、相変わらず。

政治の裏側と

優秀だけど客観的に見たらダメ男の

挫折と再生の物語。

最初に主人公の現状が描かれ、

徐々に過去の出来事が明らかになり、

最後に、再生が描かれている。

最後のシーンには、ほろっときた。

この作品で、

著者の政治や政治家に

対しての考え方が、わかると思う。

政治にはあまり興味が無いので、

政治についての記述が続くページは

読み進むのが若干辛かった。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年3月29日に日本でレビュー済み
とても面白い作品でした。
女性的な価値観と男性的な価値観がどちらも含まれており、どちらかが偏り価値観を押し付けられるような違和感を感じることも無く、気持ちよく読むことができました。主人公の心が壊れるシーンの描写が秀逸でした。
死の恐怖と発狂の恐怖は同じものだ。本当にそうだなあと思いました。

主人公の周囲の、権威主義でおよそ人間らしくないような人物たちの、それぞれが実は何かに必死にすがり付いている様や、それぞれの強さと弱さが描かれており、登場人物達に人間味を感じることが出来、良かったです。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年11月7日に日本でレビュー済み
 勤務先の同僚から白石一文という名前を教えて貰った。出張先のバンコクの古本屋で本書を見つけて購入した次第である。

 政治を舞台にした 一種の人生論のような話しなのかと思う。作者がジャーナリストである為か 政治の裏側の描き方には 相応のリアリティーを感じられた。登場人物も それなりの実在の政治家を基に造形されている。政治音痴である僕にしても 中々興味深く読めた。

 一方 人間のドラマという点では 主人公に今一つリアリティーが感じられない点が残った。一体 人間というものは 善悪定めがたい存在であると思うが その点主人公は 善悪のブレがちょっと激しく 若干感情移入が難しい面もあった。

 但し 本作は 映画にしたら 相当面白く出来上がると思う。登場人物が それなりにばらけているし 各々がそれなりの存在感がある。

 映画化しやすい本というのも 時には 貴重である。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年12月9日に日本でレビュー済み
優秀で将来を嘱望されながら、事件をきっかけに精神の安定を失った男の再生の物語。まず、大手出版社に勤めていた著者が描く政治家とその世界に圧倒的なリアリティがあり、国家と個人の関係、政治家という職業、日本の政治システムなど、その世界にどっぷりとつかることができる。その上で、主人公の心の葛藤が深遠で、人間存在まで考えさせる読み応えのある思想小説である。タイトルに書いたように、ドストエフスキーの「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」と同じような小説体験を得ることができる良い本だと思う。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2006年1月2日に日本でレビュー済み
政治を題材にした小説。主人公の心の葛藤の描写が繊細でよい。作者の前作の「不自由な心」はあまり面白くなかったが、デビュー作の「一瞬の光」と並ぶ良作だと思う。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2003年10月7日に日本でレビュー済み
ある事実を知らされると、
作中に登場する人物に対する見方が劇的に変わる。
そういう事実が上手に書かれている小説を、私は評価する。
冒頭でこう宣言されている。
「駅」には裏と表があり、栄えているのは必ず片側だけだと。
光は同じところにだけあたりつづけ、陰はいつまでたっても陰のままだ。
「パワー・ゲーム」には人をわくわくさせる力があることに疑いはないし、「権力を手に入れたい」という欲望は、知らず知らずと誰もがもっているものなのかもしれない。
ただ、やっぱり、
力を行使しない人だったり、みずから身を引いていったりする人の方に、魅力を感じる。少なくとも小説の世界のなかでは。
「政治」に興味がある人は、登場人物のモデルとなるような政治家を、邪推するという楽しみ方もできるだろう。
そうでない人も、けっして読みやすい小説というわけではないが、最後まで読んでみて欲しいと思う。
必ず、何かを感じるはずだ。
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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