時代設定もいつ頃なのか不明なのですが、角田光代さんっぽいと言えば、角田さんらしい淡々と語られる展開、特に山場やオチもない人間くさいストーリーでした。
同時収録の「昨日はたくさん夢を見た」も同じような雰囲気の作品です。
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ピンク・バス (角川文庫 か 39-2) 文庫 – 2004/6/25
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夫・タクジとの間に子を授かり浮かれるサエコの家に、タクジの姉・実夏子が突然訪れてくる。不審な行動を繰り返す実夏子。その言動に対して何も言わない夫に苛つき、サエコの心はかき乱されていく。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2004/6/25
- ISBN-104043726023
- ISBN-13978-4043726028
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商品の説明
著者について
1967年神奈川県生まれ。90年「幸福な遊戯」でデビュー。96年「まどろむ夜のUFO」で野間文芸新人賞、98年「ぼくはきみのおにいさん」で坪田譲治文学賞、「キッドナップ・ツアー」で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞などを受賞。03年「空中庭園」で婦人公論文芸賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 一般文庫版 (2004/6/25)
- 発売日 : 2004/6/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 192ページ
- ISBN-10 : 4043726023
- ISBN-13 : 978-4043726028
- Amazon 売れ筋ランキング: - 375,315位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1967年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空間庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞を受賞。著者に『三月の招待状』『森に眠る魚』『くまちゃん』など多数。2010年7月には、毎日新聞の連載『ひそやかな花園』も単行本化された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2005年7月29日に日本でレビュー済み
妊娠を気味が悪いという実夏子。家の中にいても何もしない実夏子。サエコの苛立ちや、妊娠による疲労感の描写は、読む側にもイライラやけだるさをもたらす。だらだらとただ流れていく時間。何をするでもないサエコたちの日常は読んでいて苦痛さえ感じた。「ピンク・バス」で作者は何を言いたかったのか?
もうひとつの作品「昨夜はたくさん夢を見た」も退屈な作品だった。どうでもいい日常のひとコマを無理やり見せられている感じがした。
もうひとつの作品「昨夜はたくさん夢を見た」も退屈な作品だった。どうでもいい日常のひとコマを無理やり見せられている感じがした。
2021年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人生の中でないとは言い切れない気がして少し恐ろしかったり、もしくは気づいてないだけでそういうことってあるのかなと思ったりしました。夢と思っている部分が夢でなくて現実的かもしれない、と思い出したら、人間は何を信じて生きていくのかな、と思います。
2016年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
綺麗な状態で届きました。
ありがとうございます。
これから読もうと思います。
ありがとうございます。
これから読もうと思います。
2022年3月16日に日本でレビュー済み
なんだろうな、キャンバスに書きなぐっている感じかな。
なんだそれ? と思っていると、どんどん進んで、ついて行くのに必死となり、途中からは何も考えなくなった。出来上がったキャンバスを見ても、分かったような分からないような。でも、きれいに描かれていない魅力に溢れている。
なんだそれ? と思っていると、どんどん進んで、ついて行くのに必死となり、途中からは何も考えなくなった。出来上がったキャンバスを見ても、分かったような分からないような。でも、きれいに描かれていない魅力に溢れている。
2004年8月6日に日本でレビュー済み
実に不思議な物語である。
短編2つが納められていがいずれも、難解だが読後にふしぎと晴々した気持ちになれる。
『ピンクバス』は、妊娠と不振な行動をとる夫の姉と名乗る女性との同居が突然同時にやってきて、神経過敏になっていく主人公を描く。
自分が演じてきた過去の自分を詳細に思い出して自ら惨めさ覚えるのだが、学生時代に体験したホームレス体験は強烈。
不信感から生まれる夫や義姉に対してのやりとりも、言葉の選択が絶妙でまるでコントをみるかのように滑稽でおもしろい。
いつも居心地がわるくていろいろ試してみたけど、結局は現実の自分に帰結してしまうんだということを受け入れると気分が軽くなるんだなと感じさせる。
ただ、そのことに気づかないでピンクのバスに乗ってしまうと、いつまでも自分探しの旅から抜け出せないような気がした。
『昨日はたくさん夢を見た』は、人のありかたを著者なりに上手く表現した傑作。いつも、たくさんの仲間に囲まれブームを次から次へとつくるがどこか居心地が悪くて自分という存在に不安と焦燥感の入り混じった気持ちでいっぱいな主人公とその恋人。
恋人のほうは、臨死体験のようなものを経て個の存在の確認と時間を捨てて唐突にインドへ旅立ってしまう。
残された主人公は、何もできない自分に苛立ちさらに焦燥感が増す。恋人の残した言葉と手紙を反芻しながら自分と人との係わり合いを丹念に確認していくが、恋人がいた席にまったく知らない人が簡単に座ってしまう事に、人の存在のちっぽけさと人生の短さを痛感させられる。
わかりあえていたと思ってた人と、実は何もわかちあえてないんじゃないかと暗い海にほうりだされたような気分にさせられるが、きっちりと最後には主人公は「分かちあう」ことで、恋人の片鱗を見つけたような気がした。
ページ数も多くなく、短編作なのですんなり読み終えることができる。
角田光代の持つ独特な世界観から産みだされる物語には、沈鬱な内容で進んでいてもも最後の数行で「大丈夫だから安心して」とささやくように諭される気がして、癒されるのでふしぎである。
短編2つが納められていがいずれも、難解だが読後にふしぎと晴々した気持ちになれる。
『ピンクバス』は、妊娠と不振な行動をとる夫の姉と名乗る女性との同居が突然同時にやってきて、神経過敏になっていく主人公を描く。
自分が演じてきた過去の自分を詳細に思い出して自ら惨めさ覚えるのだが、学生時代に体験したホームレス体験は強烈。
不信感から生まれる夫や義姉に対してのやりとりも、言葉の選択が絶妙でまるでコントをみるかのように滑稽でおもしろい。
いつも居心地がわるくていろいろ試してみたけど、結局は現実の自分に帰結してしまうんだということを受け入れると気分が軽くなるんだなと感じさせる。
ただ、そのことに気づかないでピンクのバスに乗ってしまうと、いつまでも自分探しの旅から抜け出せないような気がした。
『昨日はたくさん夢を見た』は、人のありかたを著者なりに上手く表現した傑作。いつも、たくさんの仲間に囲まれブームを次から次へとつくるがどこか居心地が悪くて自分という存在に不安と焦燥感の入り混じった気持ちでいっぱいな主人公とその恋人。
恋人のほうは、臨死体験のようなものを経て個の存在の確認と時間を捨てて唐突にインドへ旅立ってしまう。
残された主人公は、何もできない自分に苛立ちさらに焦燥感が増す。恋人の残した言葉と手紙を反芻しながら自分と人との係わり合いを丹念に確認していくが、恋人がいた席にまったく知らない人が簡単に座ってしまう事に、人の存在のちっぽけさと人生の短さを痛感させられる。
わかりあえていたと思ってた人と、実は何もわかちあえてないんじゃないかと暗い海にほうりだされたような気分にさせられるが、きっちりと最後には主人公は「分かちあう」ことで、恋人の片鱗を見つけたような気がした。
ページ数も多くなく、短編作なのですんなり読み終えることができる。
角田光代の持つ独特な世界観から産みだされる物語には、沈鬱な内容で進んでいてもも最後の数行で「大丈夫だから安心して」とささやくように諭される気がして、癒されるのでふしぎである。
2013年12月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
型にはまった生き方をしている私には憧れというか、こんな生き方ができればストレスもなくなるんだろうな
と思う反面、自由もそうじゃないといっているような・・・とにかく違う世界にちょっと居れて楽しみました。
と思う反面、自由もそうじゃないといっているような・・・とにかく違う世界にちょっと居れて楽しみました。
2004年8月3日に日本でレビュー済み
角田さんの本はどちらかというと、目を背けたくなるような、それでいて気になるようなことが書かれている。登場人物はどこかゆるいし、ずれちゃってることが多く、時に不快感を感じたりするのだけれど、平穏な日常を送る私にも共通点があるような気がして、読後、日々のもやもやが形になって「そうかぁ・・・」と、思ったりする。決してキレイなことが書いてあるばかりではないけれど、つい読みたくなるのが角田作品だ。(たぶん、ある人にとってはそれがとてもかったるいし、だから?となる。)
さて、「ピンク・バス」は妊娠して浮かれている主人公のもとに夫の姉がやってきて家に居ついてしまったことから物語が始まる。やっと自分が望むものを手に入れようとしているのに、風変わりな姉の行動に心を乱される主人公。訳のわからない姉とリンクして主人公の「何か」になろうとした過去が蘇ってくる。(レゲ郎のエピソードは強烈だ。)誰かとは違う私、その私とはいったい何なのだろう?結局自分自身が何なのかは自分で決めなければならないのか、そういった問いにまつわることが書いてあるように思う。
「昨日はたくさん夢を見た」は、読んでいてどこかせつない気分になる。人が死ぬこと、それから親しかった人が離れいき、通り過ぎる日々を生きることに関するエピソードが描かれている。一番得意な行事が葬式、という主人公が、恋人であるイタガキ(彼は後に主人公を置いて遠く、長い旅に出てしまう)、精神を患っている香子、友人のマリコ、クロ、原田君などと過ごす日々。旅先から主人公に送られてきた手紙の中の、ガラス瓶のエピソードが特に切ない。
さて、「ピンク・バス」は妊娠して浮かれている主人公のもとに夫の姉がやってきて家に居ついてしまったことから物語が始まる。やっと自分が望むものを手に入れようとしているのに、風変わりな姉の行動に心を乱される主人公。訳のわからない姉とリンクして主人公の「何か」になろうとした過去が蘇ってくる。(レゲ郎のエピソードは強烈だ。)誰かとは違う私、その私とはいったい何なのだろう?結局自分自身が何なのかは自分で決めなければならないのか、そういった問いにまつわることが書いてあるように思う。
「昨日はたくさん夢を見た」は、読んでいてどこかせつない気分になる。人が死ぬこと、それから親しかった人が離れいき、通り過ぎる日々を生きることに関するエピソードが描かれている。一番得意な行事が葬式、という主人公が、恋人であるイタガキ(彼は後に主人公を置いて遠く、長い旅に出てしまう)、精神を患っている香子、友人のマリコ、クロ、原田君などと過ごす日々。旅先から主人公に送られてきた手紙の中の、ガラス瓶のエピソードが特に切ない。