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非在 (角川文庫) 文庫 – 2005/8/25

3.8 5つ星のうち3.8 23個の評価

人魚、朱雀、仙人、不老不死伝説……絶海の孤島で起こる伝承連続殺人

写真家の猫田は奄美大島で不審なフロッピーを拾う。その内容は、大学生数名が人魚の存在を求めて幻の島へ渡り、殺人事件に巻き込まれるというもの。すぐさま捜査が行われたが、それらしい島さえ存在しないという……

商品の説明

著者について

●鳥飼 否宇:1960年生まれ。九州大学理学部生物学科卒。出版社勤務を経て2001年『中空』にて第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し作家デビュー。専門の生物学をモチーフとした本格ミステリを意欲的に発表している。奄美大島在住。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川書店; 一般文庫版 (2005/8/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/8/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 320ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4043731035
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4043731039
  • カスタマーレビュー:
    3.8 5つ星のうち3.8 23個の評価

著者について

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鳥飼 否宇
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カスタマーレビュー

星5つ中3.8つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2012年2月27日に日本でレビュー済み
    本作品は、横溝正史ミステリ大賞優秀作の「中空」に続く、観察者・鳶山久志と写真家・猫田夏海のコンビによる本格ミステリの第2作で、2002年発表。(【あらすじ】は、コメント欄に掲載)

    本作品には、いくつもの興味深い謎が設定されています。

    1.本当に人魚はいるのか?
    猫田夏美の発見したフロッピーに記載されていた「日記」には、沙留覇島で人魚発見の記述が…。果たして日記は真実を記しているのか、というもの。

    2.「沙留覇島」で何が起きたのか?
    「日記」を書いた大和総合大学の探検サークルのメンバーは、行方知れずに。一体、訪れた沙留覇島でどんな事件が起こったのか、というもの。

    物語前半では、そもそも沙留覇島はどこにあるのか、という推理が観察者・鳶山久志を中心に展開され、中盤では、いよいよ鳶山・猫田のコンビは島に到達し、数々の「事件の痕跡」を発見します。
    中だるみもなく、真相解決まで、あっと言う間でした。

    ただ、全体的に、インパクトに欠ける…というのが率直な感想。

    本編に挟まれた「沙留覇島での探検日記」という趣向からは、どうしても「あるトリック」が連想されてしまいますし、実際、意外性はないわけではないのですが、新味が薄いような気がします。

    また、「沙留覇島」で起きたことも、十分に衝撃的なのですが、ガツンとくる迫力に欠けている…。

    最後に明かされる「人魚はいるのか?」も一応合理的な説明はあるのですが…。

    作品の雰囲気はとても気に入っていて、「良い作品」なのに、なぜか不消化な印象の強い作品でした。
    でも、カーやチェスタトンの影響がみられ、個人的には好みの作風。第3作以降に期待します。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年3月19日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    観察者シリーズ。
    人魚伝説、無人島探索、殺人事件…と面白い要素たっぷりです。
    このシリーズを順番に読んでいるわけでもなので人間関係がどうだったとかよく覚えてなかったのですが、写真屋の猫田さんってこんなに女を強調するキャラだったっけ?と戸惑う部分もあったり、少し読みにくいと感じる部分もあったりしましたが、人魚やその他の蘊蓄もふんだんだし、九州の方言を喋るイラストレーターもキャラもいい味。洞窟で叫ぶ場面の文章遊びも個人的にツボに入り、読み終えるのがもったいないくらい面白かった~っという印象でした。
    この作家さんの作品をもっと読んでみたいのですが、もはや殆どが中古でしか買えないのがとても残念です。。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2002年4月8日に日本でレビュー済み
    前作に続いて九州 しかも今回は東シナ海の孤島で起こるアドベンチャーで、読むほどに引き込まれてしまいました。推理小説はあんまり読まない自分でもサクサクっと読めるし、作者のあいかわらずの博識ぶりに思わずニヤリ。一粒で2度3度おいしい、とてもたのしめるエンターテイメントだと思います。それにしても明美はどこにいってしまったのだろう。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年8月1日に日本でレビュー済み
     2002年に出た単行本の文庫化。
    中国の伝説上の島である蓬莱を求めて南海の孤島に向かった大学生たちが惨劇に巻き込まれるというストーリー。
     舞台立てや設定は非常にこっている。人魚や朱雀といった幻獣たち、尖閣諸島という国際紛争の場、南西諸島特有の珍しい動植物……。
     ミステリとしても上出来だと思う。ちょっと想像もしないようなトリックが使われており、なかなかおもしろかった。
     しかし、それらが物語としての魅力につながっていないのが不思議だ。なんというか、読んでいて楽しくないのである。うーむ。
  • 2019年9月30日に日本でレビュー済み
    鳥飼否宇の小説には、動物達以外にも、人間的に魅力的な登場人物が多く出てくるのが好きです。推理云々の前に、今回はどんな人達が出て来るのだろうと楽しみになります。
  • 2007年12月16日に日本でレビュー済み
     あなたは人魚は存在すると思いますか?
     ジュゴンだったりゴマフアザラシだったり、スナメリだったりとかではなく、いわゆる人魚。セイレーン。上半身が人間の女性で下半身が魚というあの人魚です。
     この人魚同様に謎の生物とされる、カッパやネッシー、宇宙人等の、続にUMAと呼ばれる生き物を探す大学のサークル、ウルトラ。彼らは、孫文の親せきが残したとされる文書を手にいれ、尖閣諸島の中に人魚がいる島があるのではと探検に出かけます。もちろん、尖閣諸島なんかには今、日中の政治的緊迫もあり、普通の大学生たちが行けるはずもなく、彼らは中国側から漁船にまぎれて日本に密入国という形でそこへ行きます。しかし、探検隊のメンバーは「人魚」「朱雀」「仙人」などを島で見つけるものの、不可思議な事態に巻き込まれ、一人一人と死んでいきます。
     そして、その事件を記したフロッピーディスク入りのボックスが海岸線で一人の女性カメラマンに発見されます。最初は冗談だろうと思っていたものの、彼女はだんだんと事件が気になり、調査し、やがて裏付けとなるウルトラの隊員達の行方不明が事実とわかりついには警察も動き大々的に捜索がなされるのですが、島では彼らがいた痕跡すら見つかりません。はたして、事件は本当にあったのか?
     また、島では本当は何が起こったのか?
     人魚は本当にいるのか?
     そして、カメラマンと彼らの先輩達はこの島で残りのメンバーを見つける事ができるのか?
     あとは読んでのお楽しみですが、正直に言うとちょっと食い足りない。物語のひねりや人が死んでいくことについての謎やトリックも少し食い足りない。一応、人魚についてはある結末が用意されてはいるのですが、個人的にはもっともっと突っ込んでいって欲しかったし、もう少しドラマチックな展開を希望してしまいました。初めて読む作家さんだけに、この作家さんの中でこれがこの方の作品群の中でどのレベルなのかがわかりませんが、個人的にはもうあとひと頑張り読み応えのあるものにして欲しいなと感じました。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2005年8月31日に日本でレビュー済み
    ボトルに入っていたフロッピーディスクを拾った写真家の猫田夏海。
    そのディスクには、未確認生物調査サークル「ウルトラ」が、「沙留覇島」という島に調査に向かい遭難したということがかいていた。
    その沙留覇島とは、「人魚」「朱雀」「仙人」といった空想上の生き物が現実にあらわれる島だったという。
    猫田はその島にとりつかれ、鳶山と高階に声を掛け、沙留覇島探しの旅に出ます。
    ちょっと難しい文体ですが、慣れればさくさくと読めるようになります。
    また、作者の博学振りにも驚かされますね。
    なんでも、生物を観察しているそうなので、生き物の描写がリアルかつ独特ですきです。
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2003年6月13日に日本でレビュー済み
     植物写真家の猫田は、海岸で謎の密閉容器を拾う。中には1枚のフロッピーディスクが入っていた。その内容は、大学のサークルによる人魚捜しの旅についてであるが、部員が変死したのだという。いきなり手記は途切れ、SOSで締めくくられていた!ディスクの内容に仰天した猫田は、鳶さんと伝説の島へ向かうのだが。
     ちょっとクセのある文体で、ライトな内容なのに何故か読みにくいという難儀な本である。仕掛けは楽しいのだが、謎と解決に鮮やかさが無く、ややサプライズに欠けるかもしれない。もっと雰囲気たっぷりに書いて、民俗学ミステリみたいにしたら私好みなんですけど…。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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