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ラスト・ワルツ (角川文庫 も 14-3) 文庫 – 2005/3/1
18歳で上京した「ぼく」は10歳年上の花菜子さんと出会う。3つの息子と2人住まいの彼女と、ぼくは少しの間だけともに暮らしていた…。
- 本の長さ209ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2005/3/1
- ISBN-104043743033
- ISBN-13978-4043743032
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登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2005/3/1)
- 発売日 : 2005/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 209ページ
- ISBN-10 : 4043743033
- ISBN-13 : 978-4043743032
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,479,891位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
盛田隆二(もりた・りゅうじ)
1971年、県立川越高校2年在学中に書いた短編「糠星」が旺文社小説コンクールで1等になる。同作品は短編集『あなたのことが、いちばんだいじ』(光文社文庫)に所収
1985年、情報誌「ぴあ」編集者の傍ら小説を執筆し、「夜よりも長い夢」で早稲田文学新人賞入選
1990年、デビュー作『ストリート・チルドレン』(講談社)が野間文芸新人賞候補作
1992年、第2作『サウダージ』(中央公論社)は三島由紀夫賞候補作
1996年「ぴあムック」編集長等を経て、18年間勤務したぴあを退社、作家専業に
2004年『夜の果てまで』(角川文庫)が30万部を超えるベストセラーに
2007年~2010年、早稲田大学 文化構想学部 客員教授
2011年『二人静』(光文社)で第1回Twitter文学賞受賞
2016年8月24日午後8時~NHK-Eテレ「ハートネットTV」で、30分番組「父との長いお別れ・作家 盛田隆二 ――リハビリ・介護を生きる 認知症の親をおくって」を放送
著書は他に『焼け跡のハイヒール』『蜜と唾』『父よ、ロング・グッドバイ 男の介護日誌』『残りの人生で、今日がいちばん若い日』『いつの日も泉は湧いている』『きみがつらいのは、まだあきらめていないから』『身も心も』『あなたのことが、いちばんだいじ』『ありふれた魔法』『ささやかな永遠のはじまり』『散る。アウト』『おいしい水』『リセット』『ニッポンの狩猟期』『金曜日にきみは行かない』『ラスト・ワルツ』『いつかぼくは一冊の本を書く』など多数
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ストリートチルドレン、サウダージ、ラストワルツが初期の三部作だが、
この作品が盛田さんの原点。
人により好き嫌いがハッキリ分かれると思われる作品で、私は正直言えばあまり「好き」にはなれませんでした(小説としての優劣とは全く別の話です)。
著者の体験が色濃く反映した作品で、いわゆる「ヒッピー」が街に溢れていた時代の空気を知らないと、感情移入は難しいと思います(私も、違和感を持って登場人物を見ていました)。
また、カタルシスを得るのも難しい、重苦しい雰囲気です。もちろん、現実を重視すれば、ハッピーエンドはおろかカタストロフさえ訪れない、ずるずるべったりの人生が多いわけですが・・・この作品は粘着質の空気に包み込まれたかのようで、読み進むのがしんどくなる時もあります。
著者の作品を系統立って読み、その小説世界を深く理解したい方以外には薦めにくいです。
が・・・それでもここには、たとえ苦しくても触れてみて、掴み取ってみなければならない「何か」があるように思えます。その「苦さ」は私には味わうのが辛いものですが、深く味わうことのできる人もきっといるのでしょう。
単純に「エンタテイメント」としての評価なら☆☆☆ですが、まだ見つけていない魅力への期待値から☆ひとつ追加しました。
ヒッピーやドラッグ等,70年代を経験しているともっと素直に作品の世界に入れるかもしれないが,所々に出てくる夢の世界(ドラッグ中毒の世界)と現実の話しが少し分かりづらい。夢と現実のあいまいさが70年代だったと言いたかったのかもしれない。
「夜の果てまで」のどこまでもまっすぐな想いとは逆に,この作品では常に揺れ動くあぶなっかしい男女の想いと,溺れるしかない若い性が,それでも盛田隆二の世界で描かれている。
他人のままでもつながっていたい。家庭を犠牲にしてまでも今はほおっておけないという想いが最後まで胸をしめつけた。
最後の結末に驚いたが,その後は読者がそれぞれ想像すればいいことなのだろう。短いけれど確かにこの中に盛田隆二がいた。
それを踏まえた上で、本書を手に取り、読み進めてほしい。
時代背景を知らなくても、この中に生きる彼らの苦悩は充分に伝わってくるのではないだろうか。壊れやすいものへの過剰な反応。12年という歳月が人をどう変えていくのか。SM、ドラッグなど日常と離れた部分が多いため「夜の果てまで」のような日常部分の厚みはないが、文章の持つ力強さは変わらない。盛田隆二の原点とも言えるのではないだろうか。
好き嫌いはハッキリ別れる作品だと思うが、太宰や芥川などの純文学好きには好まれるのではないかと思う。