学生時代が辛かった人に読んでほしい1冊。
心が痛くなるけど同時に温まります。
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温室デイズ (角川文庫 せ 6-1) 文庫 – 2009/6/25
瀬尾 まいこ
(著)
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購入オプションとあわせ買い
宮前中学は荒れていた。不良たちが我が物顔で廊下を闊歩し、学校の窓も残らず割られてしまっている。教師への暴力は日常茶飯事だ。3年生のみちると優子は、それぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが……。
- ISBN-10404394201X
- ISBN-13978-4043942015
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2009/6/25
- 言語日本語
- 寸法10.5 x 1 x 15 cm
- 本の長さ215ページ
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商品の説明
著者について
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞。翌年単行本『卵の緒』でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治新人賞を受賞。その他の著書に『図書館の神様』『強運の持ち主』など。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/6/25)
- 発売日 : 2009/6/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 215ページ
- ISBN-10 : 404394201X
- ISBN-13 : 978-4043942015
- 寸法 : 10.5 x 1 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 28,903位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2009年10月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
”本当にありそうで、ないこと”
それが優れた本、と教えられたことがある。
まさに、そのお手本のような本だ。
どこにでもある
学校の風景に見える。
でも、
きっとないんだろうなと思える。
その境界線を
バランスよく行き来している。
学生時代の甘酸っぱい思い出たちが、
走馬灯のように、駆け巡ってしまった。
『温室デイズ』
温まるのは読者の心にちがいない。
それが優れた本、と教えられたことがある。
まさに、そのお手本のような本だ。
どこにでもある
学校の風景に見える。
でも、
きっとないんだろうなと思える。
その境界線を
バランスよく行き来している。
学生時代の甘酸っぱい思い出たちが、
走馬灯のように、駆け巡ってしまった。
『温室デイズ』
温まるのは読者の心にちがいない。
2019年3月23日に日本でレビュー済み
私が中学生、小学生だった頃は、こうしたイジメは無かった。
イジメはいくらでもあったけど、皆で寄ってたかって、それも長期間で、というのは存在しなかったように思う。
いじめられっ子はいたけど、カウンター勢力はすぐ出来て、助けたり遊んだり気を使ったりした。
クラスの大半がいじめても、数人は堂々と助けていた。
そして助ける人間に対してイジメの刃が向くことは無かった。
次第に虐める側が少なくなり、助ける・気を使う側の方が大勢を占めるようになる。
思えば牧歌的な時代だったのだろう。
小学校3~4年の時、体のデカイ男子が思い切り暴れていた。
誰彼なくイジメ倒すので、それに辟易した私はクラス中を味方につけ、土曜日の放課後、そのイジメっ子を階段の踊り場に呼び出しリンチした。
集団リンチ。
こいつさえおとなしくさせれば、クラスは平穏になって普通の小学生ライフが楽しめる。
まあ楽しくはなかったが・・・。
最初は4~5人の、腕に自信のある男子がいじめっ子をとっちめる役。
1:40人なので、イジメっ子は戦意なんて始めから喪失している。
かなり可哀想なところまで殴る蹴るをして、頃合いを見て、特に女子が「そろそろやめてあげなよー!」と言い始める。
私が最後まで実行犯。羽交い締めにされて事は終わった。
その日以降、彼は完全に大人しくなった。
そしてその時の事を話題にする生徒もほとんどいなかった。
もちろんそれ以上、そのイジメっ子を虐めることは誰一人しなかった・・・。
今にして思えば、きっとそのイジメっ子は家庭内で問題を抱えていたのだろうと想像する。
しかし子供時代の私達はそこまで思いを馳せることは出来なかった。
全く可哀想なことをしてしまったと今でも時々思い出す。
でも、ここで言いたいのは、この小説の子どもたちは人を味方につけるのが全く出来ない。
味方になってくれる人を突き放すことまでする。
どうしてだろう?
なんで一人で戦おうとするのか?
親に言うのが恥ずかしいなら先生。
先生が動かなかったら友だち。
友達が駄目なら先輩や近所のお姉さんとか、誰か真剣に聞いてくれる人っているでしょ、と思う。
実際この小説内でも、誰かの味方になってあげたい、クラスを良くしたいって思う生徒がいる。
でも、そんな彼らも孤独に問題を解決しようと頑張る。
不器用だ。
あまりに不器用。
つまんない所で意地っ張り。
思春期手前ってこんなにアタマ悪いのかな。
もっと考えろよ。
解決策をいくつか発想して上から順番に試してみろよ。
でもね、主人公の最後の行為は、こうした私の小賢しい考えを吹き飛ばして魂の行動となった。
みちるも優子もとっても尊い面を持っている。
頭が下がるし、不器用に戦っている(=何らかの行為に出ている)子どもたちを皆応援したい気持ちになる。
でもリアルな現場では誰もこういうふうに戦ってないの?
イジメはいくらでもあったけど、皆で寄ってたかって、それも長期間で、というのは存在しなかったように思う。
いじめられっ子はいたけど、カウンター勢力はすぐ出来て、助けたり遊んだり気を使ったりした。
クラスの大半がいじめても、数人は堂々と助けていた。
そして助ける人間に対してイジメの刃が向くことは無かった。
次第に虐める側が少なくなり、助ける・気を使う側の方が大勢を占めるようになる。
思えば牧歌的な時代だったのだろう。
小学校3~4年の時、体のデカイ男子が思い切り暴れていた。
誰彼なくイジメ倒すので、それに辟易した私はクラス中を味方につけ、土曜日の放課後、そのイジメっ子を階段の踊り場に呼び出しリンチした。
集団リンチ。
こいつさえおとなしくさせれば、クラスは平穏になって普通の小学生ライフが楽しめる。
まあ楽しくはなかったが・・・。
最初は4~5人の、腕に自信のある男子がいじめっ子をとっちめる役。
1:40人なので、イジメっ子は戦意なんて始めから喪失している。
かなり可哀想なところまで殴る蹴るをして、頃合いを見て、特に女子が「そろそろやめてあげなよー!」と言い始める。
私が最後まで実行犯。羽交い締めにされて事は終わった。
その日以降、彼は完全に大人しくなった。
そしてその時の事を話題にする生徒もほとんどいなかった。
もちろんそれ以上、そのイジメっ子を虐めることは誰一人しなかった・・・。
今にして思えば、きっとそのイジメっ子は家庭内で問題を抱えていたのだろうと想像する。
しかし子供時代の私達はそこまで思いを馳せることは出来なかった。
全く可哀想なことをしてしまったと今でも時々思い出す。
でも、ここで言いたいのは、この小説の子どもたちは人を味方につけるのが全く出来ない。
味方になってくれる人を突き放すことまでする。
どうしてだろう?
なんで一人で戦おうとするのか?
親に言うのが恥ずかしいなら先生。
先生が動かなかったら友だち。
友達が駄目なら先輩や近所のお姉さんとか、誰か真剣に聞いてくれる人っているでしょ、と思う。
実際この小説内でも、誰かの味方になってあげたい、クラスを良くしたいって思う生徒がいる。
でも、そんな彼らも孤独に問題を解決しようと頑張る。
不器用だ。
あまりに不器用。
つまんない所で意地っ張り。
思春期手前ってこんなにアタマ悪いのかな。
もっと考えろよ。
解決策をいくつか発想して上から順番に試してみろよ。
でもね、主人公の最後の行為は、こうした私の小賢しい考えを吹き飛ばして魂の行動となった。
みちるも優子もとっても尊い面を持っている。
頭が下がるし、不器用に戦っている(=何らかの行為に出ている)子どもたちを皆応援したい気持ちになる。
でもリアルな現場では誰もこういうふうに戦ってないの?
2021年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本自体は当然問題無いが、内容が想像と全く違いガッカリでした
2009年1月10日に日本でレビュー済み
崩れ始めたクラスの兆しを敏感に感じ取り、
何とかしようとして行動に出たみちるは、
それまで友達も多く好かれていたにも関わらず、
一気にクラスのいじめられっ子になってしまい、
そんなみちるを見ていられなかった親友の優子は、
教室に入れなくなってしまう・・・。
主人公でもあり、
いじめ、登校拒否、学級崩壊等の当事者でもある、
中学3年生のみちると優子、ふたりの視点から
「崩壊していく中学校での生活」が描かれています。
みちるは、崩壊したクラスで、
一方、優子は別室登校や「学びの部屋」、「カウンセリング・ルーム」で、
ふたりは別々の場で過ごしながら、互いを支えとしながらも、
お互いを頼らずそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとします。
現在、学校に来られなくなった生徒には、
同情や優しさ、義務や立場から、
色々な救いの手が差し伸べられやすい、らしい。
でも、ラクチンで居心地の良い状態なわけではない。
学校に登校しながら苦しんでいる生徒には、
厳しい言葉はとんでも、なかなか救いの手は届かない・・・。
でも、それでも学校は生徒を守ってくれる「温室」!?
「ひとりになりたくてなるのと、ひとりにされるのとはわけが違う」
「パシリになるのと、パシらされるのは根本的に違う」
そんな言葉たちが印象に残る、
いろいろと考えさせられた1冊です。
何とかしようとして行動に出たみちるは、
それまで友達も多く好かれていたにも関わらず、
一気にクラスのいじめられっ子になってしまい、
そんなみちるを見ていられなかった親友の優子は、
教室に入れなくなってしまう・・・。
主人公でもあり、
いじめ、登校拒否、学級崩壊等の当事者でもある、
中学3年生のみちると優子、ふたりの視点から
「崩壊していく中学校での生活」が描かれています。
みちるは、崩壊したクラスで、
一方、優子は別室登校や「学びの部屋」、「カウンセリング・ルーム」で、
ふたりは別々の場で過ごしながら、互いを支えとしながらも、
お互いを頼らずそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとします。
現在、学校に来られなくなった生徒には、
同情や優しさ、義務や立場から、
色々な救いの手が差し伸べられやすい、らしい。
でも、ラクチンで居心地の良い状態なわけではない。
学校に登校しながら苦しんでいる生徒には、
厳しい言葉はとんでも、なかなか救いの手は届かない・・・。
でも、それでも学校は生徒を守ってくれる「温室」!?
「ひとりになりたくてなるのと、ひとりにされるのとはわけが違う」
「パシリになるのと、パシらされるのは根本的に違う」
そんな言葉たちが印象に残る、
いろいろと考えさせられた1冊です。
2013年2月13日に日本でレビュー済み
この物語は、はじめから終わり
まで、ほとんど大きな変化はない。
物語が中盤、ハッピーエンドに向かう
ような展開になっても、
ハッピーエンドにはならない。
小さな変化はたくさんあっても、
劇的な変化はない。
それが妙にリアリティがあっていい
のだと思う。
この物語では「相手の話を聞く」
ことの大切さが語られている。
聞き手は話し手に質問し、
話し手の話を淡々と聞く。
アドバイスは決してしない。
こうすればいい、
ああすればいいとは言わない。
答えを導き出すのは聞き手
ではなく、
話し手が自分で考え、
見つけ出すことができるよう、
徐々に徐々に根気よく話を聞く。
コミュニケーションで大切なのは、
話し上手ではなく聞き上手であると
よく言われる。
私は話をすることが好きで、
人の話を聞くことが苦手だ。
たまに悩みを相談されると、
つい、こうするべきとかああするべき
と言ってしまう。
でも、この物語を読んで、
無性に誰かの話を聞きたくなった。
話を聞くだけで、誰かの気持ちが
楽になったり、少しでも元気がでるの
なら、こんなに嬉しい事はない。
まで、ほとんど大きな変化はない。
物語が中盤、ハッピーエンドに向かう
ような展開になっても、
ハッピーエンドにはならない。
小さな変化はたくさんあっても、
劇的な変化はない。
それが妙にリアリティがあっていい
のだと思う。
この物語では「相手の話を聞く」
ことの大切さが語られている。
聞き手は話し手に質問し、
話し手の話を淡々と聞く。
アドバイスは決してしない。
こうすればいい、
ああすればいいとは言わない。
答えを導き出すのは聞き手
ではなく、
話し手が自分で考え、
見つけ出すことができるよう、
徐々に徐々に根気よく話を聞く。
コミュニケーションで大切なのは、
話し上手ではなく聞き上手であると
よく言われる。
私は話をすることが好きで、
人の話を聞くことが苦手だ。
たまに悩みを相談されると、
つい、こうするべきとかああするべき
と言ってしまう。
でも、この物語を読んで、
無性に誰かの話を聞きたくなった。
話を聞くだけで、誰かの気持ちが
楽になったり、少しでも元気がでるの
なら、こんなに嬉しい事はない。
2006年8月12日に日本でレビュー済み
小学校時代「いじめ」を主導したことへの罪滅ぼしなのか、
中学では「いじめを止める側」になり自らを傷つけられることに
身をまかせた主人公みちる…。いじめた側の謝罪や和解で
ハッピーエンドかと思いきや、謝罪も和解もなくただ中学生活が
卒業式と共に終わり、そこで「いじめ」と訣別というあっけない
エンディングにとてもリアルを感じてしまった。
子どもを持つ親として仲睦まじいと思っていた我が子のクラスにも
大人の目が届かない場所には「権力」があり、自分が好まなくとも
「いじめ」の輪に関わらなければならない子どもたちや、不器用さや
正義感のために傷つけられてしまう子どもたちがいることを知って
しまった今、主人公みちるが卒業式までの日々を「あと少しで(いじめ
が)終わるんだ」と思いながら戦い続けた姿を大人にも知って欲しいと
思う。
現役の教師でもある瀬尾さんはこの作品を世に出してしまったことで
苦境に立たされていないだろうか…と妙な心配をしてしまう一方で、
この作品が世に出たことで苦しんでいる子どもたちの心が救わるのでは
ないか…と希望を抱くことができた読後だった。
もし、自分のお子さんがみちるのように「いじめ」と戦っていたり、
もう一人の主人公優子のように登校できない状況にある親御さんが
いたら是非よんでほしい作品である。
中学では「いじめを止める側」になり自らを傷つけられることに
身をまかせた主人公みちる…。いじめた側の謝罪や和解で
ハッピーエンドかと思いきや、謝罪も和解もなくただ中学生活が
卒業式と共に終わり、そこで「いじめ」と訣別というあっけない
エンディングにとてもリアルを感じてしまった。
子どもを持つ親として仲睦まじいと思っていた我が子のクラスにも
大人の目が届かない場所には「権力」があり、自分が好まなくとも
「いじめ」の輪に関わらなければならない子どもたちや、不器用さや
正義感のために傷つけられてしまう子どもたちがいることを知って
しまった今、主人公みちるが卒業式までの日々を「あと少しで(いじめ
が)終わるんだ」と思いながら戦い続けた姿を大人にも知って欲しいと
思う。
現役の教師でもある瀬尾さんはこの作品を世に出してしまったことで
苦境に立たされていないだろうか…と妙な心配をしてしまう一方で、
この作品が世に出たことで苦しんでいる子どもたちの心が救わるのでは
ないか…と希望を抱くことができた読後だった。
もし、自分のお子さんがみちるのように「いじめ」と戦っていたり、
もう一人の主人公優子のように登校できない状況にある親御さんが
いたら是非よんでほしい作品である。
2007年5月16日に日本でレビュー済み
この作品を読みながら、ふと考えたこと。
学校に来られなくなった生徒には、同情や優しさや、義務や立場から、色々な手が差し伸べられる。大体において。
しかし、学校に登校しながらはみ出している、はみ出しかけている生徒には、厳しい言葉が飛ぶ。もっと頑張れ、何故きちんと出来ないのか云々。
作中にも同じようなことが書かれていたけれど。
この違いは、何に根ざしているのだろう。
どちらも一人の人間なのに。
ある教師が言っていた。
「学校が立ち直ったのは、教師の力じゃない。荒れている先輩達の姿を見て、同級生の姿を見て、これではいけない、と大多数の生徒が思ったこと。それが始まりだった。それから何年もかけて、今の落ちついた我が校がある」と。
「学校」という名の集団は、本当に「温室」なのだろうか。確かに「学生」という身分で守られていることは、大人のそれよりも遥かに多い。その意味では「温室」かもしれない。
それでも、殆どの中学生達は頑張っているのだ。家庭、友達、学校、恋愛、自らの思いと環境の中で、もがいてあがいて、本にはそうと気づいていなくても、必死に。彼も、彼女も。
何をどう見つめていけばいいのか。
この作品に、明確な答えはない。読むのにもそう時間はかからない。
だからこそ、読み手の思考を求めるいい作品だと思う。
現役の教師が書いているということがまた、問題提起のような気がしないでもない。
学校に来られなくなった生徒には、同情や優しさや、義務や立場から、色々な手が差し伸べられる。大体において。
しかし、学校に登校しながらはみ出している、はみ出しかけている生徒には、厳しい言葉が飛ぶ。もっと頑張れ、何故きちんと出来ないのか云々。
作中にも同じようなことが書かれていたけれど。
この違いは、何に根ざしているのだろう。
どちらも一人の人間なのに。
ある教師が言っていた。
「学校が立ち直ったのは、教師の力じゃない。荒れている先輩達の姿を見て、同級生の姿を見て、これではいけない、と大多数の生徒が思ったこと。それが始まりだった。それから何年もかけて、今の落ちついた我が校がある」と。
「学校」という名の集団は、本当に「温室」なのだろうか。確かに「学生」という身分で守られていることは、大人のそれよりも遥かに多い。その意味では「温室」かもしれない。
それでも、殆どの中学生達は頑張っているのだ。家庭、友達、学校、恋愛、自らの思いと環境の中で、もがいてあがいて、本にはそうと気づいていなくても、必死に。彼も、彼女も。
何をどう見つめていけばいいのか。
この作品に、明確な答えはない。読むのにもそう時間はかからない。
だからこそ、読み手の思考を求めるいい作品だと思う。
現役の教師が書いているということがまた、問題提起のような気がしないでもない。