前作の首挽村の殺人と比べると、少し読みやすくなり作者の成長を感じた。
さらっと読める横溝風ミステリを求めているならば、良いのではないかという感想。
個人的に前作の赤熊出没というような、小手先の小細工を感じさせる演出を多用しなかった点を評価したい。
しかし、閉鎖的な島民うんぬんというわりには普通に協力的な印象を受けたり、
登場人物と読者との温度差等、いまいち感情移入しづらい点は相変わらずな印象。
物足りなさを感じさせるのは前作と同様で、殺人事件なのに上品にストーリーが進んでいき勝手に終わってしまった。
作者の自己満足さを感じる仕上がりに、毎度読み終わりに少なからず萎えてしまう。
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死墓島の殺人 (角川文庫 お 60-2) 文庫 – 2010/9/25
大村 友貴美
(著)
岩手県三陸沖、「死墓島」と呼ばれる島で起きた連続殺人事件。事件の真相を、その名に秘められた島の陰の歴史とともに温厚実直な藤田警部補が明らかに! 『首挽村の殺人』に続く、殺人シリーズ第2弾!
- 本の長さ438ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日2010/9/25
- 寸法10.5 x 1.8 x 15 cm
- ISBN-104043943628
- ISBN-13978-4043943623
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商品の説明
著者について
1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒業。2007年『首挽村の殺人』で横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー。現代的な問題を抱えた地方社会を舞台に、横溝世界をよみがえらせたと大絶賛される。他の著書に『霧の塔の殺人』。
登録情報
- 出版社 : 角川書店(角川グループパブリッシング); 一般文庫版 (2010/9/25)
- 発売日 : 2010/9/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 438ページ
- ISBN-10 : 4043943628
- ISBN-13 : 978-4043943623
- 寸法 : 10.5 x 1.8 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,015,804位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年6月16日に日本でレビュー済み
人間の心理の葛藤はうまく書けていると思いました。共感出来る部分も多く見事だと思います。
でも謎解きはどうかな…推理小説としての面白さはあまり感じられません。
海外の有名ミステリの方が面白い。
でも謎解きはどうかな…推理小説としての面白さはあまり感じられません。
海外の有名ミステリの方が面白い。
2015年1月9日に日本でレビュー済み
『首挽村の殺人』に続く、「殺人シリーズ」第2弾とのことで、
前作は横溝正史賞とのことです。
岩手県内釜石市沖合の島が舞台となってますが、
この島には江戸時代からのいろんな因縁やらなにやらがありまして、
しかし本土とはほんの2kmしか離れておらず、
ま、限界集落なわけです。
そこでおきた猟奇殺人と江戸自体からの因縁が絡むと思いきや、
実はネット出会い系が絡んでました(笑)
最後がなんていうかこじつけぽくてというよりも、
現代に無理やり横溝の世界を絡めてみましたという感じ。
その絡み方がちょっと手抜きというか、無理があるというか。
うーん。
微妙でした。
前作は横溝正史賞とのことです。
岩手県内釜石市沖合の島が舞台となってますが、
この島には江戸時代からのいろんな因縁やらなにやらがありまして、
しかし本土とはほんの2kmしか離れておらず、
ま、限界集落なわけです。
そこでおきた猟奇殺人と江戸自体からの因縁が絡むと思いきや、
実はネット出会い系が絡んでました(笑)
最後がなんていうかこじつけぽくてというよりも、
現代に無理やり横溝の世界を絡めてみましたという感じ。
その絡み方がちょっと手抜きというか、無理があるというか。
うーん。
微妙でした。
2016年1月28日に日本でレビュー済み
さらに、民俗学などにも興味はないのだろう。
横溝ばりにわらべ歌を彩りに使っているのだが、そこへ繋げる苦労を一切していない。
登場人物が唐突に口ずさむ。いきなり全員が歌って踊り出すインド映画のようだ。
また歌詞が凄い!「三人残して皆殺し」とか。
わらべ歌というのは、直接口に出せないことを隠喩で示すものなのだ。
「とうりゃんせ」「ずいずいずっころばし」「かごめかごめ」すら知らんのか。
いや、売るための手段なので、どうでもいいと思ってるんだろうなぁ。
横溝ばりにわらべ歌を彩りに使っているのだが、そこへ繋げる苦労を一切していない。
登場人物が唐突に口ずさむ。いきなり全員が歌って踊り出すインド映画のようだ。
また歌詞が凄い!「三人残して皆殺し」とか。
わらべ歌というのは、直接口に出せないことを隠喩で示すものなのだ。
「とうりゃんせ」「ずいずいずっころばし」「かごめかごめ」すら知らんのか。
いや、売るための手段なので、どうでもいいと思ってるんだろうなぁ。
2012年4月23日に日本でレビュー済み
舞台となる偲母島が、400年前に戦場となった歴史があるとか、島の御三家それぞれの姓にいわれがあって、それにまつわる役割があるとか、そういった設定が詳しく書かれていたので、てっきりそれに関係した殺人事件だと思ってたのに、結局のところ殺人の動機はただの痴情のもつれ。計画殺人ですらない。拍子抜けでした。せっかく主役である藤田警部補が、島の隠された歴史を調べ、こまごまと聞き出したというのに、それらは何の役にも立たなかったわけです。ただの雰囲気作り?
推理モノとするなら、船の行き来がアリバイトリックになっていたり、犯人や共犯者をしぼってドラマを盛り上げていくのに、離島というのはうまい舞台だと思います。島の住人が高齢化していて、本土に生活の場を移そうとしている島の有力者など、人間関係からくる設定は充分なのですから、こんなたいそうな歴史設定は不要だったのではないでしょうか。
推理モノとするなら、船の行き来がアリバイトリックになっていたり、犯人や共犯者をしぼってドラマを盛り上げていくのに、離島というのはうまい舞台だと思います。島の住人が高齢化していて、本土に生活の場を移そうとしている島の有力者など、人間関係からくる設定は充分なのですから、こんなたいそうな歴史設定は不要だったのではないでしょうか。
2009年9月11日に日本でレビュー済み
自分は「首挽村の殺人」も読みましたが、今作はより完成度が増していました。
島の古い習慣やしきたりのある舞台で、それぞれの登場人物も分かりやすく書き分けされています。
また人間模様だけでなく天候の描写もうまく、臨場感あるシーンを感じることができました。
ただ第一の殺人は死体遺棄の方法から、計画的な殺人ならもっと良かったなと思いました。
あとはたくさんの墓石がもうちょっとからくり的なというか、絡みがあったら面白かったかなと思います。
他の方もレビューされてますが、2時間ドラマ化しても不思議ではないぐらいです。
それと小さなことなのですが、物語が始まる前に登場人物の紹介があるのもポイントが高いです。
自分は登場人物の名前や職業などの詳細が最初にあると、より感情移入しやすいタイプなのでf^_^;
もうすぐ新作が発売されますが、こちらも楽しみにしています。
いつかドラマ化されて俳優さんたちが演じる「首挽村の殺人」「死墓島の殺人」を見てみたいですね。
もちろん今度の新作も(^O^)
島の古い習慣やしきたりのある舞台で、それぞれの登場人物も分かりやすく書き分けされています。
また人間模様だけでなく天候の描写もうまく、臨場感あるシーンを感じることができました。
ただ第一の殺人は死体遺棄の方法から、計画的な殺人ならもっと良かったなと思いました。
あとはたくさんの墓石がもうちょっとからくり的なというか、絡みがあったら面白かったかなと思います。
他の方もレビューされてますが、2時間ドラマ化しても不思議ではないぐらいです。
それと小さなことなのですが、物語が始まる前に登場人物の紹介があるのもポイントが高いです。
自分は登場人物の名前や職業などの詳細が最初にあると、より感情移入しやすいタイプなのでf^_^;
もうすぐ新作が発売されますが、こちらも楽しみにしています。
いつかドラマ化されて俳優さんたちが演じる「首挽村の殺人」「死墓島の殺人」を見てみたいですね。
もちろん今度の新作も(^O^)
2014年8月1日に日本でレビュー済み
2008年に出た単行本の文庫化。
前作『首挽村の殺人』でも活躍した藤田警部補が引き続き探偵役を務める。
今回は岩手県内でも、釜石市沖合の孤島が舞台となっている。江戸時代の処刑場、処刑方法、子守歌などに沿って連続殺人が発生し、いかにもという雰囲気が漂う。
しかし、結末にはいささか疑問が残る。
犯人像を描くのに執心なようだが、とってつけたようというか、唐突というか。
本格ミステリとしては拍子抜けであった。
前作『首挽村の殺人』でも活躍した藤田警部補が引き続き探偵役を務める。
今回は岩手県内でも、釜石市沖合の孤島が舞台となっている。江戸時代の処刑場、処刑方法、子守歌などに沿って連続殺人が発生し、いかにもという雰囲気が漂う。
しかし、結末にはいささか疑問が残る。
犯人像を描くのに執心なようだが、とってつけたようというか、唐突というか。
本格ミステリとしては拍子抜けであった。
2008年9月17日に日本でレビュー済み
孤島と日本本土を行き来しながら、孤島で起こる殺人事件。真相がわかれば、何ということはないのだが、犯人、登場人物の描写が丁寧だったように思います。テレビドラマ化しても良い。
現代の探偵小説、少し横溝正史っぽく感じることができた。久々のすっきりしたドロドロ劇に会えてうれしかったです。
現代の探偵小説、少し横溝正史っぽく感じることができた。久々のすっきりしたドロドロ劇に会えてうれしかったです。