正体不明の怪談作家とのっぺらぼうの挿絵作家が、様々な怪異に出会う物語4編が収められた作品集。
登場人物の誰もがのっぺらぼうの挿絵家を不思議に思わないというのが、妙におかしい。口がないから食べようにも食べられないのだと嘆く(つまり喋ることはできるのだ)のもユーモラス。
登場人物は、小泉八雲、夏目漱石、柳田國男、田山花袋、コナン・ドイルと洋の東西取り混ぜた豪華メンバー。
妖怪は出てくるけど怪談ではなく、妖精は現れるけれど童話でもなく、殺人事件があっても推理小説でもホラーでもない。現世と幻世とを融通無碍に行き交う不思議な物語。最後にはどちらがどちらなのかその区別さえも曖昧になる。
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くもはち 偽八雲妖怪記 (角川文庫) 文庫 – 2005/12/21
明治に怪事件を追う。妖怪ミステリー!
夏目漱石や柳田國男ら明治の文士の元に舞い込んだ怪事件。義眼の三文怪談作家のくもはちと、のっぺらぼうむじなコンビが騒動の末に明らかにする真実は……? 明治民俗学ミステリ!
夏目漱石や柳田國男ら明治の文士の元に舞い込んだ怪事件。義眼の三文怪談作家のくもはちと、のっぺらぼうむじなコンビが騒動の末に明らかにする真実は……? 明治民俗学ミステリ!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2005/12/21
- ISBN-104044191204
- ISBN-13978-4044191207
商品の説明
著者について
●大塚 英志:1958年東京都生まれ。まんが原作者。小説家。「多重人格探偵サイコ」「木島日記」「黒鷺死体宅配便」などヒット作多数。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA; 一般文庫版 (2005/12/21)
- 発売日 : 2005/12/21
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4044191204
- ISBN-13 : 978-4044191207
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,234,816位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1958年生まれ。まんが原作者、批評家。『「捨て子」たちの民俗学』(第五回角川財団学芸賞受賞)などがある。神戸芸術工科大学教授、東京藝術大学大学院兼任講師。芸術工学博士(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 映画式まんが家入門 (ISBN-13: 978-4048685627 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
星5つ中3.5つ
5つのうち3.5つ
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トップレビュー
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2017年6月30日に日本でレビュー済み
山崎峰水作の漫画「くもはち」の原作が先にあり、この小説は後でそれをノベライズしたものだそうです。私は漫画のことは知らなくて、「多重人格探偵サイコ」で大塚英志氏のファンになってからこの小説を知りました。
漫画は読んだことがないので比較はできないのですが、漫画「くもはち」のアマゾン・レビューを拝見すると、漫画も小説もストーリーはまったく同じのようです。なぜかのっぺらぼうになってしまった駆け出しの挿絵画家むじな氏と義眼の怪談作家くもはち。本業の小説は売れないのに、なぜか風変わりな依頼ばかり舞い込み、そちらの方に奔走するはめになります。たとえば憑き物落としや幽霊写真の鑑定、妖精の調査(?)などなど。
これは非常に凝ったお話です。むじなとくもはちが各地を駆け回りながら出会う様々な人物には、夏目漱石、田山花袋、柳田国男、ラフカディオ・ハーン、アーサー・コナン・ドイルなどがいて、そうそうたるメンバーです。
あとがきで大塚氏は、「当時、執筆予定だった「北神伝綺」「木島日記」などの”偽史としての近代を描く”といういささか意気込みすぎるシリーズと比して、もう少し肩の力を抜いた”ヘナチョコ”なシリーズをやってみたかった」と書いておられますが、気楽にくつろいで読める小説になっていて、しかもそのベースには深い知識の裏づけが感じられます。日本文学や民俗学が好きな人なら、にやっと笑いながら楽しんで読めると思います。
漫画は読んだことがないので比較はできないのですが、漫画「くもはち」のアマゾン・レビューを拝見すると、漫画も小説もストーリーはまったく同じのようです。なぜかのっぺらぼうになってしまった駆け出しの挿絵画家むじな氏と義眼の怪談作家くもはち。本業の小説は売れないのに、なぜか風変わりな依頼ばかり舞い込み、そちらの方に奔走するはめになります。たとえば憑き物落としや幽霊写真の鑑定、妖精の調査(?)などなど。
これは非常に凝ったお話です。むじなとくもはちが各地を駆け回りながら出会う様々な人物には、夏目漱石、田山花袋、柳田国男、ラフカディオ・ハーン、アーサー・コナン・ドイルなどがいて、そうそうたるメンバーです。
あとがきで大塚氏は、「当時、執筆予定だった「北神伝綺」「木島日記」などの”偽史としての近代を描く”といういささか意気込みすぎるシリーズと比して、もう少し肩の力を抜いた”ヘナチョコ”なシリーズをやってみたかった」と書いておられますが、気楽にくつろいで読める小説になっていて、しかもそのベースには深い知識の裏づけが感じられます。日本文学や民俗学が好きな人なら、にやっと笑いながら楽しんで読めると思います。
2009年4月24日に日本でレビュー済み
ラフカディオ・ハーンの葬儀の場で出会う、のっぺらぼうのむじなと、正体不明のくもはち。二人の役回りは大塚作品を読んでいる人ならなじみの深いものである。もしかしたら、京極夏彦の京極堂シリーズの読者にもすっと入りやすいものかもしれない。
個人的な好みとしては木島日記などのほうが面白いと思ったのだが、くもはちの正体には思わずうなってしまった。そこは間違いなく面白かった。
あの時代の複雑な著名人の交友関係をうまく利用しているなと思った。
国語便覧などを読んでから読むとより面白く感じるかもしれない。
個人的な好みとしては木島日記などのほうが面白いと思ったのだが、くもはちの正体には思わずうなってしまった。そこは間違いなく面白かった。
あの時代の複雑な著名人の交友関係をうまく利用しているなと思った。
国語便覧などを読んでから読むとより面白く感じるかもしれない。
2006年4月14日に日本でレビュー済み
筆者自身のあとがきによると「北神伝綺」「木島日記」に次ぐ3部作の最後の作品が本書だそうです。
先の2作品に比べると非常にライトタッチの作品となっています。
のっぺらぼうとなってしまった「むじな」と怪談作家「くもはち」が狂言回しとなって「漱石」「田山花袋」「柳田國男」「ドイル」を取り巻く不可思議な事件を解決していく内容。
虚実織り交ぜ展開する各話は一種、パロディとも思える作品群となっています。
全話とも怪談をテーマに進行する事もあってか「京極夏彦」氏の作品と重なる部分が非常に多く見受けられた点が気になったが、「京極」氏を未読の読者にとっては新鮮に感じられる作品となることかと思います。
続編要望。
先の2作品に比べると非常にライトタッチの作品となっています。
のっぺらぼうとなってしまった「むじな」と怪談作家「くもはち」が狂言回しとなって「漱石」「田山花袋」「柳田國男」「ドイル」を取り巻く不可思議な事件を解決していく内容。
虚実織り交ぜ展開する各話は一種、パロディとも思える作品群となっています。
全話とも怪談をテーマに進行する事もあってか「京極夏彦」氏の作品と重なる部分が非常に多く見受けられた点が気になったが、「京極」氏を未読の読者にとっては新鮮に感じられる作品となることかと思います。
続編要望。