久しぶりに、途中からパラパラと飛ばしてしまう本に出会いました。
文章がどうとか、心情描写がどうとかいうのではなく、単に作品世界からはじき出されてしまったためです。
もの心ついた頃から母と二人だけで生活してきた結希。実は、母は身分違い(この書かれ方がもしかして明治か大正なのか?という位古いのですが)の大富豪長男との恋を自分から諦め、身を引いていました。
17年一緒に過ごしてきた母と無理やり引き離されて屋敷に軟禁され、大富豪の影響力でもって、バイトも学校も全てからシャットアウトされてしまいます。
まずそこからして手段が強引で説明が全く足りていない(自分の要求しか言わない)如月にも、一度も結希の意思を確かめず勝手に離れてしまう母親にも、17年間放っておいたくせに急に結希を利用しようとする大人たちにも、憤りを感じてしまい。
そこで如月自身の異常性や未熟さ、母親の葛藤や諦めが、そうなるに至った背景を含めてもっと真に迫ってきたのなら、物語として読み進められるのですが、作品世界全体がどうもその彼らの行動を肯定しているようで、どうにも馴染めませんでした。
一番感情移入出来なかったのは、明らかに結希の意思を無視して自分勝手に「跡取りの結希さま」を作り上げようとして、また「跡取りの結希さま」しか認めないという意志を前面に押し出している如月に、肝心の結希が割とすんなりほだされてしまうところです。
17年の生活をそんな身勝手な思い込みで消化させられてしまってもいいのか?
ただの高校生の「結希」はいらないのか?と思ってしまったところでもうだめだなと。
かなり辛口の評価になってしまいましたが、この著者の他作品を見てみると、どうやらそういったシチュエーションのものが多いようで…。もしこの作品と同じような世界観であるなら、多分自分とは価値観が合わないのだなと思います。
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彼は溺愛にとろける (角川ルビー文庫 125-1) 文庫 – 2008/9/1
平凡な高校生活を送っていた結希はある日、如月と名乗る男から大富豪の跡取りだと知らされる。突然のことに戸惑うと同時に強引な如月の態度に、結希は反抗するのだが苦笑交じりに、無理やりキスをされてしまい――。
- 本の長さ245ページ
- 言語日本語
- 出版社角川グループパブリッシング
- 発売日2008/9/1
- ISBN-104044543011
- ISBN-13978-4044543013
登録情報
- 出版社 : 角川グループパブリッシング (2008/9/1)
- 発売日 : 2008/9/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 245ページ
- ISBN-10 : 4044543011
- ISBN-13 : 978-4044543013
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