著者の本田透さんは著作に自らのトラウマ的要素を入れ込む人物だと思う。
それが今までで最も強く表れているのがこの作品だと感じた。
序盤は従来のライトノベルと変わらないように思えるが、途中からスイッチが切り替わるように空気がガラッと変わる。
その空気に引き込まれたが最後、彼の物語世界の虜になっていると思う。
本田透という人間の核たる部分を自身が本気で表現した渾身の一作である。
確実に一般受けはしないだろうが、ハマれば大当たり間違い無しの作品なので、是非読んでいただきたい。

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イマジン秘蹟 1 (角川スニーカー文庫 204-1) 文庫 – 2007/10/1
魔女症候群の春
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社角川書店
- 発売日2007/10/1
- ISBN-104044733015
- ISBN-13978-4044733018
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登録情報
- 出版社 : 角川書店 (2007/10/1)
- 発売日 : 2007/10/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4044733015
- ISBN-13 : 978-4044733018
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,898,133位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2007年11月12日に日本でレビュー済み
記念すべき高校初登校の日に俺の前に現れたのは、期待していた新しい日常。
ではなく、槍で校舎を破壊しまくる女生徒と、それに立ちはだかる今久留主高校異端審問部<イマジン>という三人の少女。
怪しすぎる三人に出会ったばかりに俺、尾津智弘の物語はおかしな方向に転がり始めて……!?
著者の他作品を読んだ上で感じることが一つある。
この作品は他のどの作品よりも目的意識というか、何かしら目指すべきものあるらしいということ。
エンターテイメントを与えるプロとして、自らの葛藤を書き切る一物書きとしてのせめぎ合いがみられる。
つまり他の作品のような軽いノリでこの作品を読むと、ついていけないまでも、ただ笑っていられるわけじゃないだろう。
それをどう取るかで、この作品自体の評価が大きく変わるんじゃないだろうか。
キャラの立て方が尋常じゃないし、いきなりギア全開で進んでいく物語に気後れしたが、不満と呼ばれるものではなかった。
智弘と玲於奈の二人いて、イマジンの三人がいて初めて成り立つ物語ということか。
もったいない話だが、あまり一般人受けする作品ではないと感じる。
それは作品の完成度や内容の良し悪しの問題ではなく、ライトノベルというより文学に近いものがあるからか。
個人的には強くオススメしたいが、一般的なライトノベルに慣れた読者は読みづらさを感じるのではないだろうか。
評価は星四つ。 不満というより期待から星を一つ減らしました。
続巻ではさらなる著者の”世界”を魅せてほしいですから。
ではなく、槍で校舎を破壊しまくる女生徒と、それに立ちはだかる今久留主高校異端審問部<イマジン>という三人の少女。
怪しすぎる三人に出会ったばかりに俺、尾津智弘の物語はおかしな方向に転がり始めて……!?
著者の他作品を読んだ上で感じることが一つある。
この作品は他のどの作品よりも目的意識というか、何かしら目指すべきものあるらしいということ。
エンターテイメントを与えるプロとして、自らの葛藤を書き切る一物書きとしてのせめぎ合いがみられる。
つまり他の作品のような軽いノリでこの作品を読むと、ついていけないまでも、ただ笑っていられるわけじゃないだろう。
それをどう取るかで、この作品自体の評価が大きく変わるんじゃないだろうか。
キャラの立て方が尋常じゃないし、いきなりギア全開で進んでいく物語に気後れしたが、不満と呼ばれるものではなかった。
智弘と玲於奈の二人いて、イマジンの三人がいて初めて成り立つ物語ということか。
もったいない話だが、あまり一般人受けする作品ではないと感じる。
それは作品の完成度や内容の良し悪しの問題ではなく、ライトノベルというより文学に近いものがあるからか。
個人的には強くオススメしたいが、一般的なライトノベルに慣れた読者は読みづらさを感じるのではないだろうか。
評価は星四つ。 不満というより期待から星を一つ減らしました。
続巻ではさらなる著者の”世界”を魅せてほしいですから。
2007年10月5日に日本でレビュー済み
なぜ人は物語を求めるのか?
それは受け入れがたい現実を生きることを余儀なくされているから。
幸せが、物語の中にしかないから。
しかし、現実と折り合いをつけることのできる人は、
物語を求める人を「逃げだ」「努力がたりない」とさらに追い詰める。
そして、現実に押しつぶされた人を「自己責任だ」と切り捨てる。
しょせん他人の人生は他人事でしかないのだ。
そう、現実はどこまでも冷たく、一方で物語は暖かい夢を見せてくれる。
この作品のヒロイン・大道寺光紗は、他人から物語を奪うことを生きがいのように語り、
自らを「悪」に規定しようと必死に言葉をつむぐ。
ならばこの物語は、現実のように冷たいのだろうか?
それはぜひ読んで確認していただきたい。
人は、物語によって生きているのだから。
それは受け入れがたい現実を生きることを余儀なくされているから。
幸せが、物語の中にしかないから。
しかし、現実と折り合いをつけることのできる人は、
物語を求める人を「逃げだ」「努力がたりない」とさらに追い詰める。
そして、現実に押しつぶされた人を「自己責任だ」と切り捨てる。
しょせん他人の人生は他人事でしかないのだ。
そう、現実はどこまでも冷たく、一方で物語は暖かい夢を見せてくれる。
この作品のヒロイン・大道寺光紗は、他人から物語を奪うことを生きがいのように語り、
自らを「悪」に規定しようと必死に言葉をつむぐ。
ならばこの物語は、現実のように冷たいのだろうか?
それはぜひ読んで確認していただきたい。
人は、物語によって生きているのだから。
2008年7月1日に日本でレビュー済み
このシリーズは、「物語」のキャラクターが「物語」とは何であるかを論じ合っている、普通ではない小説である。「外の世界」の余りの残酷さに生きていけなくなった者は、意図的に「物語」に憑かれ、魔女となる。魔女になったら自我を拡大し、欲求を満たすための強い力を発揮できるが、それは必然的に「外の世界」の秩序を乱し、人を傷つけるので、狩られることになってしまう。「物語」によっても人は救われないのか、所詮この世は悲惨な暗黒の世界なのだろうか、という暗いテーマが作品を貫いている。それは、『世界の電波男』と同じである。おそらく本田先生の人生のテーマであろう。
しかし、作品自体はギャグと萌えにあふれ、楽しく読めるライトノベルである。……と見せかけて、後半になるとトラウマティックな展開が続出する。その内容を書くとネタバレになってしまうので書かないが、ぜひ読んで衝撃を味わってほしい。多分、本田先生自身のトラウマも一部に含まれているのではないか。というのも、あとがきで自分の人生を振り返っているからだ。やはりこのシリーズでは、作者が本気で「物語」と「救い」について取り組んでいると思われるのである。
しかし、作品自体はギャグと萌えにあふれ、楽しく読めるライトノベルである。……と見せかけて、後半になるとトラウマティックな展開が続出する。その内容を書くとネタバレになってしまうので書かないが、ぜひ読んで衝撃を味わってほしい。多分、本田先生自身のトラウマも一部に含まれているのではないか。というのも、あとがきで自分の人生を振り返っているからだ。やはりこのシリーズでは、作者が本気で「物語」と「救い」について取り組んでいると思われるのである。