サウジアラビアを知るための65章 エリア・スタディーズ
では、生の生活情報の不足を感じたので本書を読んだのですが、残念ながら期待した情報は得られませんでした。著者は「古い情報に誤解している方も多い」「70ヶ国を訪問したが、こんなに親切で安全は国は無い!」「アメリカをそのまま持ってきたようなショッピングモールがある。英語も良く通じる」「常識の違いは、ポイントを抑えることで楽める」と感動を熱く語っています。素直に感動した気持ちを伝えたいのだと思いますし、パッケージツアーなどで観光する限りは著者と同じ体験が得られるかも知れません。なので水を差したくは無いのですが「テロが無い」とまで書くに至っては能天気過ぎると言えましょう(外務省の海外安全ページに本書出版当時のテロ被害情報があります)。
著者の視点には留意が必要です。著者はコンパウンドと呼ばれるショップ・医者・保育園・ジムなどが入った高セキュリティの外国人専用高級住宅に住んでおられた方です。治安が良く気持ちがいい国民と言いますが、教育・医療が無料で税金は無く、電気・水道はコストを度外視した安さ。人口の5.6%が勤務時間1日3時間の公務員。大半が国営企業で赤字は国家が負担。嫌な仕事は人口の25%いるとされる低給与の外国人労働者任せ。これでギスギスしてたらその方が異常に思えます。貧乏な国は親切も疑わなくてはならないが、サウジは豊かだからそんなことは無い、と何度も強調しているのは金持ち目線に思えてきます。全体として富裕者向け観光広報という感じです。友人のサウジ人との交流などの生活本音情報は無く、ましてやメイドの意見など聞いてみたいとも思わないのでしょう。例外もいるかも知れませんが恋はいつかは冷めるもの。単にサウジに旅行するだけなら本書だけで良いでしょう。サウジの実情を知りたい方は冒頭の書籍など、別情報にあたることは必須です。
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恋するサウジ: アラビア最近生活事情 単行本 – 2006/11/1
郡司 みさお
(著)
初日からエキゾチック体験! 未知の国サウジアラビアを満喫する1冊!!
日本はサウジなしでは生きていかれない国であるにもかかわらず、この国をよく知らない。誤解されている事も多い。でも違うからこそ新鮮で面白い! エキゾチックサウジ最新事情満載の1冊!
日本はサウジなしでは生きていかれない国であるにもかかわらず、この国をよく知らない。誤解されている事も多い。でも違うからこそ新鮮で面白い! エキゾチックサウジ最新事情満載の1冊!
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社角川学芸出版
- 発売日2006/11/1
- ISBN-104046210915
- ISBN-13978-4046210913
登録情報
- 出版社 : 角川学芸出版 (2006/11/1)
- 発売日 : 2006/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 223ページ
- ISBN-10 : 4046210915
- ISBN-13 : 978-4046210913
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,362,311位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 154位中近東の地理・地域研究
- - 7,865位紀行文・旅行記
- - 26,994位社会学概論
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年6月27日に日本でレビュー済み
2014年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
なかなかサウジアラビアについて書かれた本はないのですが、これはとてもおもしろく良書であると感じました!
2008年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は漫画ではないが、エッセイ風の軽い本で、著者のサウジアラビアでの生活に基づいて書かれている。前半はサウジアラビアでの見所の紹介で、後半は実際の生活の様子が具体的に書いてある。近代的なビルに入った立派なお店もお祈りの時間中はお店を閉めるとか、宗教警察(イスラム教版風紀委員みたいなものだけど、もちろん警察だから大きな権限がある)に捕まったときの泣き落とし方(?)とか、サウジアラビアの人は夜型で、夜遅くまで出歩く人が多いとか、初めて知ることばかりで興味深かった。サウジアラビアはイスラム圏で女性に制約が多い国だから(女性は運転も出来ないし、選挙権もないし、1人で出歩けない)、著者が女性であり、実際にそこで生活をした感想が書いてあるのが特に良かった。
その中でも面白いと思ったのが、「胡」のつくものはサウジアラビア近辺が由来のもの、というくだり。昔の中国では、現在のサウジアラビアの辺りは「胡」と呼ばれていて、そこから来たものには「胡」という単語がついたというわけだ。例えば、「胡瓜」「胡桃」「胡椒」「胡麻」など、現在の日本では馴染みの深い食べ物が沢山ある。食べ物だけじゃなくて、「胡坐」は、この地域では正式な座り方なんだとか。そして、足の裏を相手に見せるのはとても失礼な行為なんだけど(椅子に座って足を高く組んでいて、相手に足の裏が見えてしまったために相手が気分を害し、商談がまとまらなかったこともあるとか)、胡坐だったら座っていても相手に足の裏が見えてしまうことはないから良いんだそうだ。
面白い一方で、今の日本の生活との違いに、色々なことを考えさせられる本。
その中でも面白いと思ったのが、「胡」のつくものはサウジアラビア近辺が由来のもの、というくだり。昔の中国では、現在のサウジアラビアの辺りは「胡」と呼ばれていて、そこから来たものには「胡」という単語がついたというわけだ。例えば、「胡瓜」「胡桃」「胡椒」「胡麻」など、現在の日本では馴染みの深い食べ物が沢山ある。食べ物だけじゃなくて、「胡坐」は、この地域では正式な座り方なんだとか。そして、足の裏を相手に見せるのはとても失礼な行為なんだけど(椅子に座って足を高く組んでいて、相手に足の裏が見えてしまったために相手が気分を害し、商談がまとまらなかったこともあるとか)、胡坐だったら座っていても相手に足の裏が見えてしまうことはないから良いんだそうだ。
面白い一方で、今の日本の生活との違いに、色々なことを考えさせられる本。
2006年12月9日に日本でレビュー済み
中東が好きなので著者の書物は全て目を通しているのですがまず、表紙の悪趣味にぎょっとしたものだが内容は実に充実したサウジガイドで読み始めると止まらない。どこのなにがどうしてどのようにいいのか解かり易く記載され居住者ならではの意外な情報や実際にサウジに行く予定が無い人にも机上の空想旅行に連れて行ってくれます。そうまるで本の中から魔法の絨毯が飛び出してふわりふわりと案内してくれるようなそんな筆裁きで。サウジ本というとやたら専門的な肩が凝る様な出版物しかなかったのに万人向けの解かり易い言葉と楽しいイラスト満載でとても楽しめるガイドブックです。日本の常識がサウジでは大変な非常識になるなどまずはこれを読んで旅にでかけたら大切な荷物の没収も避けられ、お叱りを受けるということも無い楽しい旅となるでしょう。それにしても地球って広いんだとしみじみと感じました。