筆者の石黒敬章氏は、希代の写真のコレクターで、石黒コレクション保存会を主宰されています。当方も読んで感銘を受けた『幕末明治の肖像写真』で平成22年度日本写真協会賞学芸賞受賞されており、本書にも「明治の東京」を知る上で大切な新橋・赤坂・浅草の写真が相当数掲載してありました。
収録範囲は、芝・麻布・赤坂・四谷・牛込・小石川・本郷・下谷・浅草・本所・深川 の各区で総数650点以上掲載してあり質も量も満足できる水準です。
156ページに今の雷門の場所に立っている「東京浅草凱旋門」の姿を初めて見ました。日露戦争の奉祝門で、明治38年10月に建設されたようです。
イギリス人技師のバルトンが設計した有名な凌雲閣(浅草十二階)の様々な角度から撮られた写真を10ページ以上にわたって紹介してありました。今見ても魅力的な建物で周辺の浅草公園の演芸場などの建物とのコラボは一見の価値があります。
新吉原に関しても大門や遊郭が彩色された写真を含めて相当数掲載してあります。キッチュな建物も明治44年4月9日の大火災で全て焼失したわけですが、その火事の様子まで写真絵葉書として売られていたことに驚きました。
新橋停車場、愛宕山の上に立てられた愛宕塔、芝増上寺の伽藍、慶應義塾、品川の浜辺、気球から撮った鳥瞰写真、麻布凱旋門、飯倉凱旋門、そして今も迎賓館として残る赤坂東宮御所、東京帝国大学当時のキャンパスの建物、湯島天神、湯島聖堂、上野の博覧会、上野凱旋門、浅草寺など見れば見るほど明治の東京にタイムスリップしたようでした。
各写真に付された解説がまた詳しく、歴史資料としての価値は当然として、明治期の東京の地誌や史跡を知る上でも必要な書籍になっています。巻末に本書掲載写真の出自が記載してありました。
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明治の東京写真 新橋・赤坂・浅草 単行本 – 2011/5/27
石黒 敬章
(著)
江戸の面影と近代化の不思議なコラボ! 新橋駅・品川駅があった芝、軍隊と花街の赤坂、江戸期以来の庶民の歓楽街・浅草など、現東京23区の中核をなす明治の街並みが圧倒的な質と量の650点余の古写真でよみがえ
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社角川学芸出版
- 発売日2011/5/27
- 寸法15.7 x 2.2 x 21.8 cm
- ISBN-104046532424
- ISBN-13978-4046532428
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商品の説明
著者について
1941年生。石黒コレクション保存会主宰。日本写真芸術学会評議員。著書に、『幕末明治の肖像写真』『下岡蓮杖写真集』『明治・大正・昭和東京写真大集成』『よみがえる明治の東京―東京十五区写真集』などがある。
登録情報
- 出版社 : 角川学芸出版 (2011/5/27)
- 発売日 : 2011/5/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4046532424
- ISBN-13 : 978-4046532428
- 寸法 : 15.7 x 2.2 x 21.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 618,979位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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