この方の著書は、初心者にもわかりやすくて良いのですが、今回はやや内容が薄かったように感じました。取り上げられている作品はほとんどが教科書でお馴染みのものですが、それだけに、意外性が薄いと言うか。もっとバラエティに富んだ引用が欲しかったです。
この方の文体にはちょっと癖があります。それが非常に色濃く出てしまっていて読んでいてかなりイライラしました。(倒置法と「………」がやたら多い)もっとスッキリした文体にして欲しかった。
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王朝の恋の手紙たち (角川選書 438) 単行本 – 2009/1/10
川村 裕子
(著)
手紙に想いを託した王朝時代の人々は、現代とは比べものにならないくらい多くの手紙を綴っていた。恋の成就のために、文章に凝り、タイミングを図り、工夫を凝らした手紙から王朝人の世界を探る。
〈目次〉
はじめに
第一章 王朝の危険な手紙たち
危険な送信/誤送信恐怖! /手紙の自己防衛/手紙のプライバシー/悲しい空白/妖しい恋とずれた手紙/匂宮の手紙強奪事件
第二章 手紙を運ぶ人たち
文使いの職務内容/大切な信頼関係/美形でスリムな文使い/王朝恋文集と文使いたち/光源氏の独り言/瞬間必殺技とモバイル
第三章 王朝手紙の作法入門
手紙のポイント/返事を待っている! 使い/返信を超えたスピード/手紙の日本語チェック/心を込めた短い手紙の姿/短い手紙の二重奏/恋人たちの一言メッセージ
第四章 手紙の作成機器
王朝文房具の基礎知識/大きな大きな硯箱/瞬間手紙作成機器の硯箱/硯箱の下の悲しい溝
第五章 王朝の恋文技術
手紙と恋愛/勝利の手紙攻撃/後朝の手紙は速攻が命/待つことのつらさ/ひどい仕打ち/速すぎた後朝の手紙/速度と思いやりの悲しい関係
第六章 王朝の遠距離手紙
思いを飛ばす遠距離手紙/距離を越えて生まれた絶唱/遠距離手紙の必殺座/悲しみの六条御息所/距離をこえたせつない思い
第七章 手紙の華麗な装飾
手紙を包むぬくもり/季節のハーモニー/蛇! の文付枝/紅い紙で性格判断/狂おしい秘密の恋と紅色/手紙から裏切られた匂宮
第八章 手紙の時間と命
手紙のタイムラグ/遅刻した! 文使い/怒りを溶かした架け橋/中年からの恋/危ない一夜/時間から裏切られた手紙/暗闇を生み出した手紙/時間を飛ぶ手紙たち/不思議な老女/手紙と命の炎
あとがき
〈目次〉
はじめに
第一章 王朝の危険な手紙たち
危険な送信/誤送信恐怖! /手紙の自己防衛/手紙のプライバシー/悲しい空白/妖しい恋とずれた手紙/匂宮の手紙強奪事件
第二章 手紙を運ぶ人たち
文使いの職務内容/大切な信頼関係/美形でスリムな文使い/王朝恋文集と文使いたち/光源氏の独り言/瞬間必殺技とモバイル
第三章 王朝手紙の作法入門
手紙のポイント/返事を待っている! 使い/返信を超えたスピード/手紙の日本語チェック/心を込めた短い手紙の姿/短い手紙の二重奏/恋人たちの一言メッセージ
第四章 手紙の作成機器
王朝文房具の基礎知識/大きな大きな硯箱/瞬間手紙作成機器の硯箱/硯箱の下の悲しい溝
第五章 王朝の恋文技術
手紙と恋愛/勝利の手紙攻撃/後朝の手紙は速攻が命/待つことのつらさ/ひどい仕打ち/速すぎた後朝の手紙/速度と思いやりの悲しい関係
第六章 王朝の遠距離手紙
思いを飛ばす遠距離手紙/距離を越えて生まれた絶唱/遠距離手紙の必殺座/悲しみの六条御息所/距離をこえたせつない思い
第七章 手紙の華麗な装飾
手紙を包むぬくもり/季節のハーモニー/蛇! の文付枝/紅い紙で性格判断/狂おしい秘密の恋と紅色/手紙から裏切られた匂宮
第八章 手紙の時間と命
手紙のタイムラグ/遅刻した! 文使い/怒りを溶かした架け橋/中年からの恋/危ない一夜/時間から裏切られた手紙/暗闇を生み出した手紙/時間を飛ぶ手紙たち/不思議な老女/手紙と命の炎
あとがき
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA/角川学芸出版
- 発売日2009/1/10
- ISBN-10404703438X
- ISBN-13978-4047034389
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商品の説明
著者について
新潟産業大学教授。立教大学博士後期課程終了。博士(文学)。古典の普及に力を注ぐ。著書に角川選書『王朝生活の基礎知識―古典の中の女性たち』、角川ソフィア文庫『新版 蜻蛉日記 現代語訳付きI・II』『ビギナーズ・クラシックス和泉式部日記』『同 更級日記』など。
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA/角川学芸出版 (2009/1/10)
- 発売日 : 2009/1/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 200ページ
- ISBN-10 : 404703438X
- ISBN-13 : 978-4047034389
- Amazon 売れ筋ランキング: - 758,767位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 173位古典文学研究
- - 1,419位東洋史
- - 1,432位日本史ノンフィクション
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年2月29日に日本でレビュー済み
古典の世界を現代に置き換える、というアプローチは、ともすると「今も昔も(恋する思い)は同じ」「文(ふみ)は今で言うメール」、のように、薄っぺらい比ゆの連続になってしまうことが多いと思うのですが、こちらは違いました。まず、いい意味で王朝時代の「書き言葉」への想い、対応、使い方が、現代生活の中に平行して散見できる比喩で説明されています。同時代の文献からの引用も、清少納言が枕草子で「文を出したすぐ後に、『ああ、あそこはああ書けば良かった』と思ったりする」と言っている箇所など、お馴染みの作品でありながら新鮮な取り上げ方でとても興味深く読みました。歌の名手で名高い「蜻蛉日記」の作者の道綱母が、実は裁縫も上手だったなど、まだまだ知らないことが多いなと思わされ、勉強になりました。全体を通じて文体も上品で、優雅が売り物の王朝時代の文化を語るに適しています。平安時代・平安文学ファンなら必読の一冊です。