よく取材もされており、芥川晩年の様相を丹念に描いている。
龍膽寺雄、藤澤清造がでてくるあたり、ニヤリとしたが、正岡容もだしてほしかった。
小穴隆一、葛巻義敏らのありかたもうまく描いている。
西方の人のとりこみかたも見事。不満は、聖なる愚人系譜への言及がないこと。
さて、本作への最大の不満を述べる。
秀しげ子を登場させながら、片山廣子にまったく言及がないこと。或阿呆の一生でも越し人として言及があるにもかかわらず。小穴隆一の二つの絵でも、片山廣子への言及があり、晩年の芥川に強烈な印象を残しているのがわかる。作者がなぜ、片山廣子と芥川についてスポイルしたのか、そこが気になる。
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澄江堂主人 前篇 (ビームコミックス) コミック – 2010/11/25
山川 直人
(著)
漫画界の吟遊詩人、渾身の新境地。瞠目すべき、或る「芥川龍之介」伝。
「コーヒーもう一杯」で漫画の枠を超える広い読者の心をとらえた漫画界の吟遊詩人・山川直人が、満を持して挑む新境地。数多ある芥川関係書籍を渉猟し、独自の筆致と解釈で描き出す、“漫画家”芥川龍之介、最後の日々。変革の時代を、繊細すぎる魂を抱えて疾駆した天才作家、その生と死の物語。
「コーヒーもう一杯」で漫画の枠を超える広い読者の心をとらえた漫画界の吟遊詩人・山川直人が、満を持して挑む新境地。数多ある芥川関係書籍を渉猟し、独自の筆致と解釈で描き出す、“漫画家”芥川龍之介、最後の日々。変革の時代を、繊細すぎる魂を抱えて疾駆した天才作家、その生と死の物語。
- 本の長さ194ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2010/11/25
- ISBN-104047268992
- ISBN-13978-4047268999
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登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2010/11/25)
- 発売日 : 2010/11/25
- 言語 : 日本語
- コミック : 194ページ
- ISBN-10 : 4047268992
- ISBN-13 : 978-4047268999
- Amazon 売れ筋ランキング: - 285,374位コミック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2020年9月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年3月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
初めは絵が苦手と思いましたが最高です
中編・後編も必読!
後編の読後感最高です
中編・後編も必読!
後編の読後感最高です
2014年5月4日に日本でレビュー済み
芥川龍之介の最期の日々を活写した傑作です。
この作品は芥川龍之介他の文士を「漫画家」に変換して描いています。
漫画家・芥川。 漫画家・菊池寛。 漫画家・内田百間。
文士=文筆業という職業は、「絵」として表現しにくいものです。
これを「漫画家」にしてしまうことで、仕事風景や作品をマンガにできてしまう。
画期的な表現手法だと思います。
また思うに、漫画家とすることで、山川センセ自身の苦悩・問題意識と重ね合わせて
切り込んでいこうという意図もあるのでしょう。
ほんの少しでも芥川に興味をもっている貴方。
芥川についての検索の末ここにたどり着いた貴方。
奇をてらった作品と思うなかれ。必読です。
この作品は芥川龍之介他の文士を「漫画家」に変換して描いています。
漫画家・芥川。 漫画家・菊池寛。 漫画家・内田百間。
文士=文筆業という職業は、「絵」として表現しにくいものです。
これを「漫画家」にしてしまうことで、仕事風景や作品をマンガにできてしまう。
画期的な表現手法だと思います。
また思うに、漫画家とすることで、山川センセ自身の苦悩・問題意識と重ね合わせて
切り込んでいこうという意図もあるのでしょう。
ほんの少しでも芥川に興味をもっている貴方。
芥川についての検索の末ここにたどり着いた貴方。
奇をてらった作品と思うなかれ。必読です。
2015年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
漫画として、例え他の山川作品を気にいった人であっても、これは面白いと思えるかどうか。
芥川龍之介を取り巻く当時の時代、街、人間関係を説明するのにコマが多く割かれてしまい、
ややテンポが悪い。また総ページ数のわりに登場人物が多く、いまいちキャラがぱっとしない。
全体的に陰鬱な話でもあるため、退屈を感じる事もあった。
コーヒーもう一杯などである程度ヒットした作者が、何か描きたいものを描いて良いよと出版社に言われたんだろうか。
間違いなく一般受けしない中編作品が世に出された。それ自体が面白いといえばそうだ。
とりあえず芥川龍之介、また作中に出てくる他の作者の本を読まなければこの本を本当に楽しむ事はできないだろうと思う。
作中の表現では例えば荻原朔太郎ってどんな人なんだ?などがいまいち分からないのだ。まったく厄介な漫画を買ってしまった。
芥川龍之介を取り巻く当時の時代、街、人間関係を説明するのにコマが多く割かれてしまい、
ややテンポが悪い。また総ページ数のわりに登場人物が多く、いまいちキャラがぱっとしない。
全体的に陰鬱な話でもあるため、退屈を感じる事もあった。
コーヒーもう一杯などである程度ヒットした作者が、何か描きたいものを描いて良いよと出版社に言われたんだろうか。
間違いなく一般受けしない中編作品が世に出された。それ自体が面白いといえばそうだ。
とりあえず芥川龍之介、また作中に出てくる他の作者の本を読まなければこの本を本当に楽しむ事はできないだろうと思う。
作中の表現では例えば荻原朔太郎ってどんな人なんだ?などがいまいち分からないのだ。まったく厄介な漫画を買ってしまった。
2012年4月7日に日本でレビュー済み
先年、国内を芥川氏の遺品や原稿が回ったようで、ストリンドベリイという書き込みがあったりして面白かったのを覚えています。
やさしい人柄をコトバで活写するのは難しくて、今まで親族の書いたものよりほかに温かな陽光のようなものを感じたものはありません。
このマンガは、切り絵のような、輪郭のしっかりした画風で、作家の日常も、プロとしての芸術家の世界もどちらもほのぼのとタッチの中に包み込んでいるようです。
奥さんのフミさんなどかわいい感じになっていて、こうなると作風にそなわった「徳」みたいなものです。
これからのことはいよいよ不可ません。よくないことがたくさんあります。
でも、できれば読んでいて心に残るものになってほしいと思います。
やさしい人柄をコトバで活写するのは難しくて、今まで親族の書いたものよりほかに温かな陽光のようなものを感じたものはありません。
このマンガは、切り絵のような、輪郭のしっかりした画風で、作家の日常も、プロとしての芸術家の世界もどちらもほのぼのとタッチの中に包み込んでいるようです。
奥さんのフミさんなどかわいい感じになっていて、こうなると作風にそなわった「徳」みたいなものです。
これからのことはいよいよ不可ません。よくないことがたくさんあります。
でも、できれば読んでいて心に残るものになってほしいと思います。