父と兄との賭け「魔界の地・フィンスタニスを一年間治める」ことの第一歩を、なんとか踏み出した17歳の伯爵令嬢ルノアリア。彼女の側には友人兼侍女のフィー、兄の友人で護衛役のオルキアのほか、あらたにルノアリアの『喜びの心』を糧とする亜精霊のクレイルが従者として加わっている。
領主代理として一ヶ月、フィンスタニスに魔術師協会から「亜精霊の点呼」と称して魔女ベルティナが訪れる。彼女はクレイルとも親しげで、彼の「ごはん」でしかないルノアリアの胸のうちはざわつくけれど?。
今回、このフィンスタニスの世界観が広がりました。クレイル他の亜精霊たち、彼らと人がどういう位置関係にあるのか?。そして魔界との『門』があるフィンスタニスという土地と、それを「守る」ライアやロゼ…彼らの謎はまだほんの少しですが。
風の亜精霊シルヴィオや水の亜精霊ニナ、フィーがついひっついてしまう《森番》さん。ルノアリアにとっては皆等しくフィンスタニスの領民です。
二百年の時を生きながら、5、6歳児にしか見えないニナが「おいしい心」を持つルノアリアに懐くところからの事件は、お約束〜とわかりながらもホロリと来ました。
ルノアリアはロワ伯爵領の優れた統治者であった亡き母を敬愛し、何をするにもフィンスタニスとその領民のためと一生懸命というか、まさにそれのみ。母上リスペクトの高笑いが心の拠り所です。
領主たらん、とするあまり、会話の終着点がいつも「領主として未熟だから、これは叱咤激励を受けている」に至ってる(笑)。ましてや彼女としては放蕩者ながら美しく聡明な兄と比較して自分の出来が伯爵家の「残念な妹」という認識なので、自分に色恋は無縁なものと天然の要塞を築いていてそれゆえ、クレイルの口説き文句も不自然なほどのボディタッチもサラッと流してしまってます。
前巻《詩人》さんの解説がなければ、ルノアリアへかけるひと言ひと言が下心アリアリの「口説き」だったとはわからなかったクレイルですが、物腰柔らか、紳士な従者と思われているのにその中身は病気レベルの「○好き」・・・!。
ベルティナとの仲を疑って動揺を見せるルノアリアに踊り出したい位嬉しくなりつつ、そんな自分の過去と本性が知られてしまったら・・・と、自分の事を何一つ話せない。金髪のクレイル、なんてヘタレなんだ(笑)。
一方、もう一人の彼、炎の精霊である赤い髪のクレイルは「根性」で限界を超えて頑張ったけれど―。それでも理解できてないルノア、この二人(三人?)のすれ違ぶりが楽しいけれど、いつかクレイルは《釣りじい》さんの期待に応えることができるのか?。
次はいよいよ捩じれたシス・コンの兄上が登場するようです。
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フィンスタニス統治記 恋する魔女と水の精霊 (ビーズログ文庫) 文庫 – 2011/2/16
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2011/2/16
- 寸法10.5 x 1.6 x 15 cm
- ISBN-104047270636
- ISBN-13978-4047270633
登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2011/2/16)
- 発売日 : 2011/2/16
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 256ページ
- ISBN-10 : 4047270636
- ISBN-13 : 978-4047270633
- 寸法 : 10.5 x 1.6 x 15 cm
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