実写映画化も果たし、ファミ通文庫の初期ヒット作となった『学校の階段』の作者・櫂末高彰先生の新シリーズです。
階段をただひたすら速く駆け上がることと、高校生たちの若き衝動を見事に融合させた『階段』シリーズが大好きだったので、事前情報は収拾せず作者の名前だけで購入。
『階段』とは全く違う傾向の作品でした。
タイトルからわかるとおり、夢魔が出てきます。
主人公の夢のなかに現れる謎の少女が、動物のバクと漫才を繰り広げながら、どうして自分たちが主人公の夢に現れたのかなどを説明してくれる夢パートと、主人公が高校受験の勉強に励む現実パートを行ったり来たりしつつストーリーは進むのですが・・・
全体的にパッとしないというか、何がしたいのか、作者が何を伝えたいのかがよくわからない作品でした。
現実世界に出現した夢魔をつきとめる、というストーリーの筋があるにはあるのですが、その筋が出てくるまで100ページほどかかるため、最初は単に受験勉強と妙な夢の話が続き、正直なところ読んでいて苦痛でした。
夢魔の話が出てくると、今度はストーリーが急速に重苦しくなってきます。
クラスメートが死んだ悪夢などを何度か見るようになり、登場人物たちの心の闇が明らかになっていき・・・楽しげな表紙やカラーページの印象とは完全に逆な、ファンタジーサスペンスのような作品に変貌します。
現在進行形で受験ストレスに悩む思春期の少年たちなら共感できるのかもしれませんが、そうでない私には、ちょっと楽しめない作品でした。
文章的にも、場面がコロコロと変わり、ストーリーやキャラクターの心情が掴みづらかったりと、無駄に複雑すぎたと感じます。
『階段』のように、登場人物たちがそれぞれ複雑な葛藤を抱きつつも爽やかに青春を駆け上っていくような物語を待ち望んでいた私のようなファンには、少し残念な作品でした。
もちろん、作者の方にとって、私がどんな作品を望んでいるかなど関係ないことなのでしょうが・・・。
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夢魔さっちゃん、お邪魔します。1 (ファミ通文庫) 文庫 – 2011/4/30
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名作 「学校の階段」の櫂末高彰、渾身の新シリーズ始動!!
- 本の長さ328ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2011/4/30
- 寸法10.5 x 1.5 x 15 cm
- ISBN-104047272647
- ISBN-13978-4047272644
登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2011/4/30)
- 発売日 : 2011/4/30
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 328ページ
- ISBN-10 : 4047272647
- ISBN-13 : 978-4047272644
- 寸法 : 10.5 x 1.5 x 15 cm
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年8月14日に日本でレビュー済み
高校受験を控える夢野尚史の夢の中に現れたサキュバスのさっちゃん。サキュバスといってもエロいやつじゃなく、夢世界の管理者という役割らしい。そんな彼女が言うには、尚史の夢世界は誰かに壊されていて、このままだと現実に死んでしまうかも知れないらしい。
半信半疑くらいな気持ちで、尚史は容疑者たちの夢の中を調べていくのだが、その容疑者たちというのは、尚史と関係の深い友人たちや家族だった。
現実世界では、受験勉強で苦労したり、友人同士の恋愛模様に巻き込まれたりしつつ、夢世界で原因を探っていく。ようやくたどり着いた原因は、とっても身近なところに潜んでいたのだ。
半ば過ぎまでは、結構退屈な展開が続くかも知れない。そこからが作者の真骨頂とも言うべき、人の心の奥底に沈む、くらい願望がドロドロと溢れてくる。
そんな状況でも明るいさっちゃん、やっぱり人間とは感覚が違うんだなあ。
尚史の妹・優芽、尚史が仕える主君・アリディアこと今野覚、尚史の幼なじみの枕木現、友人の青谷高次や小窪止揚太たちと、これまで築いていた関係が表面上のもので、気づけていなかった関係が実はあったのだということを思い知らされる。
なんやかんやとありながら、最終的にはラノベ的な結末にたどり着いて、次巻以降につながる感じです。
半信半疑くらいな気持ちで、尚史は容疑者たちの夢の中を調べていくのだが、その容疑者たちというのは、尚史と関係の深い友人たちや家族だった。
現実世界では、受験勉強で苦労したり、友人同士の恋愛模様に巻き込まれたりしつつ、夢世界で原因を探っていく。ようやくたどり着いた原因は、とっても身近なところに潜んでいたのだ。
半ば過ぎまでは、結構退屈な展開が続くかも知れない。そこからが作者の真骨頂とも言うべき、人の心の奥底に沈む、くらい願望がドロドロと溢れてくる。
そんな状況でも明るいさっちゃん、やっぱり人間とは感覚が違うんだなあ。
尚史の妹・優芽、尚史が仕える主君・アリディアこと今野覚、尚史の幼なじみの枕木現、友人の青谷高次や小窪止揚太たちと、これまで築いていた関係が表面上のもので、気づけていなかった関係が実はあったのだということを思い知らされる。
なんやかんやとありながら、最終的にはラノベ的な結末にたどり着いて、次巻以降につながる感じです。
2011年6月16日に日本でレビュー済み
学校の階段の作者の新作です。
内容はほのぼの7割シリアス3割って所です。
いきなり主人公の夢の中に現れた夢魔のさっちゃんがコントを始めだした時には何だこりゃ?って感じでしたが、読み進めると面白くて徐々にページを進めていました。
中盤の展開で好みが大きく変わっちゃうかもしれませんが買ってそんする様な感じはないと思います。
2巻がそろそろでますが、1巻の終わりからどうなるのかドキドキワクワクです!
内容はほのぼの7割シリアス3割って所です。
いきなり主人公の夢の中に現れた夢魔のさっちゃんがコントを始めだした時には何だこりゃ?って感じでしたが、読み進めると面白くて徐々にページを進めていました。
中盤の展開で好みが大きく変わっちゃうかもしれませんが買ってそんする様な感じはないと思います。
2巻がそろそろでますが、1巻の終わりからどうなるのかドキドキワクワクです!
2011年5月7日に日本でレビュー済み
前作、学校の階段が好きだったため購入。
中盤ちょっと話が暗くなったりもしたけれどラストの展開における熱さと
爽快感はさすが学校の階段の作者だと感じました。
学校の階段とはまた違った青春ものだったと思います。
今後は恐らく別のキャラに焦点を当てた話をやっていくのだと思いますが
そんな中にも1巻では少なかった日常の話をどんどんやって欲しいと思います
作品評価は3.5、今後への期待として+0.5で評価4のしておきます
中盤ちょっと話が暗くなったりもしたけれどラストの展開における熱さと
爽快感はさすが学校の階段の作者だと感じました。
学校の階段とはまた違った青春ものだったと思います。
今後は恐らく別のキャラに焦点を当てた話をやっていくのだと思いますが
そんな中にも1巻では少なかった日常の話をどんどんやって欲しいと思います
作品評価は3.5、今後への期待として+0.5で評価4のしておきます
2011年5月13日に日本でレビュー済み
階段シリーズのファンな僕が新作と聞いてでの本作。
序盤から軽いノリだったのでその流れに任せて読み進んでいったのですが・・・。
いやはや、どうしたものか、想像以上の展開に目が離せなくなっていました。
「ああ、塚本晋也監督『悪夢探偵』をラノベ化するとこんな感じなんだなあ」と一瞬チラつくほど面白い出来です。
そして階段シリーズと負けず劣らずの胸を鷲掴みされる感覚に触発され再燃。やっぱり新作出してもいいなあと感動しました。
これから二巻目、どうするん?という不安で星四つ。
序盤から軽いノリだったのでその流れに任せて読み進んでいったのですが・・・。
いやはや、どうしたものか、想像以上の展開に目が離せなくなっていました。
「ああ、塚本晋也監督『悪夢探偵』をラノベ化するとこんな感じなんだなあ」と一瞬チラつくほど面白い出来です。
そして階段シリーズと負けず劣らずの胸を鷲掴みされる感覚に触発され再燃。やっぱり新作出してもいいなあと感動しました。
これから二巻目、どうするん?という不安で星四つ。