邦訳されているニコラ・ド・クレシー氏の4作品を全て読みましたが、
これが一番ブラックで強烈です。
他の4作品に比べ、ユーモアや明るさは鳴りを潜め、
そのぶん過激で俗悪な人間模様に溢れる物語になっています。
序盤からなかなかの下ネタを飛ばし、中盤にはエグい復讐劇が、
そしてカタルシスと悲劇が混じるほろ苦い終盤、
“ある衝撃の姿”が明らかになるラストまで、一筋縄ではいかないストーリーです。
またシニカルな作風ゆえに、いかにもなステレオタイプの日本人も出てくるのですが、
この点は不愉快に感じるかもしれません。
しかし読み終わったあとは「モヤモヤ」「寂しさ」と共に妙な「暖かさ」も残り、
不思議な読後感になっています。
絵については、一見何でもないページにハッとさせられるような、
見入ってしまうコマが要所にあり、
思わず目が止まってしまいました。
物語はある“大きな出来事”のあとに一旦緩やかに収束したように見え、
「さあ、これから何が始まるのか」という所で終わっています。
この後には第2巻が続くそうですが、
あとがきによると、2012年7月の時点で続刊は決まっていなかったようです。
…が、第2巻はアングレーム国際漫画祭の最優秀作品賞を取っているという話。
つまりこれからがメインじゃないですか!
現在、2012年12月の時点でレビューを書いています。
続刊は決まったのでしょうか?
ここで「続刊無し」はありえないでしょう!
第2巻、ぜひお願いします。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
レオン・ラ・カム 単行本 – 2012/9/18
世界で絶賛されたアニメ映画監督シルヴァン・ショメと、不動の人気を博すBD作家ニコラ・ド・クレシーが贈る衝撃作!
“クレシーさんはリアリストでありながらそこにファンタジーを織り込む魔術師なのだと思います"(古屋兎丸)
“あの日、あのとき、クレシーの作品に出逢っていなければ、私は作家になれていたのかどうかもわからない"(D[di:])
毒と秘密と愛を携えて、麻薬のようなおじいちゃんが帰ってきた……。
斜陽の親族企業のもとに、創業者であり、一族の父祖・レオンが数十年ぶりに帰ってきた。
レオンの孫である気弱な青年ジェジェは一度も会ったことのない齢百にも達する奇妙な祖父に、はじめは警戒心を抱くが――。
■日本語版特典 古屋兎丸、D[di:]によるコメント&イラスト掲載。
“クレシーさんはリアリストでありながらそこにファンタジーを織り込む魔術師なのだと思います"(古屋兎丸)
“あの日、あのとき、クレシーの作品に出逢っていなければ、私は作家になれていたのかどうかもわからない"(D[di:])
毒と秘密と愛を携えて、麻薬のようなおじいちゃんが帰ってきた……。
斜陽の親族企業のもとに、創業者であり、一族の父祖・レオンが数十年ぶりに帰ってきた。
レオンの孫である気弱な青年ジェジェは一度も会ったことのない齢百にも達する奇妙な祖父に、はじめは警戒心を抱くが――。
■日本語版特典 古屋兎丸、D[di:]によるコメント&イラスト掲載。
- 本の長さ163ページ
- 言語日本語
- 出版社エンターブレイン
- 発売日2012/9/18
- ISBN-104047280860
- ISBN-13978-4047280861
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : エンターブレイン (2012/9/18)
- 発売日 : 2012/9/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 163ページ
- ISBN-10 : 4047280860
- ISBN-13 : 978-4047280861
- Amazon 売れ筋ランキング: - 728,283位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 62,653位エンターテイメント (本)
- - 316,298位コミック
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年12月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すでに本国版の分冊を所有しており、絵だけ見て楽しんでおりましたが、な、な、なんと、翻訳版が出るとは。最近のBD出版ブームはすごい!まさに夢のようです。この調子でクレシーの作品がどんどん翻訳されるのを期待しています。僕の宝物。
2012年9月24日に日本でレビュー済み
豪胆なレオンじいさんと内気な孫のジェジェが繰り広げる奇妙な冒険の始まり。
シルヴァン・ショメとニコラ・ド・クレシーの合作だから、そりゃ面白いだろうという期待通りに面白い。物語全体に漂う不穏な空気と、淡々とした色彩の相乗効果がなんとも素敵で中毒性がある。装丁も良い。
全2巻の第1巻なので、第2巻の刊行を期待したい。必ず買います。
この作品を気に入った人なら、ベン・カッチャーの怪作『ジュリアス・クニップル、街を行く』(新書館)も楽しめると思うので、是非。
シルヴァン・ショメとニコラ・ド・クレシーの合作だから、そりゃ面白いだろうという期待通りに面白い。物語全体に漂う不穏な空気と、淡々とした色彩の相乗効果がなんとも素敵で中毒性がある。装丁も良い。
全2巻の第1巻なので、第2巻の刊行を期待したい。必ず買います。
この作品を気に入った人なら、ベン・カッチャーの怪作『ジュリアス・クニップル、街を行く』(新書館)も楽しめると思うので、是非。